江口 康久万 院長の独自取材記事
江口歯科・矯正
(横浜市旭区/二俣川駅)
最終更新日:2025/06/11

二俣川駅から徒歩3分ほど、駅直結の商業施設を抜けたすぐ先に位置する「江口歯科・矯正」は1988年開業。地域で長年親しまれている歯科医院で、一般歯科から手術が必要となるような矯正まで幅広く対応している。院長を務める江口康久万(えぐち・やすくま)先生は、診療の傍ら数々の論文を発表し、歯科医師会の活動にも積極的に参加するバイタリティーあふれる歯科医師。「患者さんのために確かな技術で治療を行うことが歯科医師の役目」と患者に向き合う日々の診療の大切さも忘れない。そんな江口院長に、力を入れている小児歯科をはじめとする同院の取り組みについて、さまざまな話を聞いた。
(取材日2025年4月14日)
幾多の症例数は、積み続けた研鑽と経験のたまもの
開業に至った動機と、これまで力を入れてきたことについて教えてください。

二俣川で開業したのは、私の地元だからというシンプルな理由です。地域に密着して多くの方に貢献したく、区役所での歯科検診や学校の歯科検診などを行いたいという思いがもともとあったので、実際に地元に開業してから、これまでも多く地域活動させていただいてきています。特に学校歯科には力を入れ、横浜市歯科医師会の活動の一環として横浜市の学校歯科医や養護教諭に指導を行ってきました。小学校に入るくらいの年齢の子は虫歯が増えてくるので、その予防や対策としてはもちろん、子どもの時に正しい知識とケアの仕方を学んでほしいからです。虫歯は将来的に別の歯の損失につながります。虫歯にならなければ歯全体を守ることも可能なので、その点をしっかり理解してもらえるように子どもたちに伝えてきました。
歯科医師を志したきっかけ、歯科の中でも矯正歯科を専門に選んだ理由は何だったのでしょう。
父がエンジニアで、幼い頃からそばで細かい作業を見ていたからか、昔から手先が器用でした。器用さを生かした仕事をしたいという思いは、この仕事を志すきっかけの一つだったと思います。なんでも一から最後まで自分でやってみたいというタイプでもあるので、私が歯科医師をめざした頃は、今と違い歯学部はカリキュラム数が一番多く、人気のある大学だったので、その複雑さもチャレンジしたかった点かなとも思います。矯正歯科を専門に選んだのは、実際に学生時代、矯正の実習の時に、助手の先生に「あなたは絶対矯正歯科に行きなさい」と言われたからです。大学に入るまで歯科は開業医のイメージしかありませんでしたが、研究の必要性も感じ、鶴見大学歯学部を卒業後は、東京科学大学の矯正歯科に入局し貴重な経験と勉強をさせていただきました。
クリニックの強みや特徴について伺います。

症例数が多いことは強みだと自負しています。おかげさまで、これまで多くの患者さんに来院いただき、さまざまな治療を行ってきました。矯正歯科が専門の私と、私のほかに口腔外科を専門とする歯科医師がいることも特徴といえると思います。経験豊富な歯科医師がそろい、通常は大学病院を紹介されるような難しい治療も当院だけで完結できるので、そこは患者さんにとってもプラスではないでしょうか。大学病院のような大きな病院では、同じ建物内で担当する科によって患者さんが移動しなければなりませんが、当院なら、診察台に座ったまま次の治療に進むことができます。治療の安全性も重視し、歯科用CTなどで詳しい解析を行ってから治療計画を立てることも当院の特徴であり、こだわっているところです。
子どもから大人まで、さまざまな見解を大切に診療する
長年診療を行ってこられる中で、大切にしていることやモットーは?

矯正歯科をメインに歯や口の中については、基本すべての問題に対応していて、これは1988年の開業以来、変わらずに続けていることでもあります。モットーは「世の中に足りていないことを見つける」でしょうか。なので、研究も続け、データを取ることにこだわりました。そのおかげでたくさんの患者さんたちにそれぞれに合った適切な治療を提供してこられたのだと思います。また、末永く健康な歯を保つために、お子さん本人に理解して気をつけてもらうためにも学校歯科に取り組み、たくさんのお子さんの歯を見て、指導や講演などに力を入れています。
患者さんと接する際、気をつけていることはどんな点でしょうか?
通院いただきよく診させていただいている患者さんでも、同じ方向ばかりでなく、いろいろな角度から診られるように、さまざまなコミュニケーションを取るよう心がけています。同じ患者さんだからと、通り一遍の会話にならないようにというのがポイントですね。また、子どもの患者さんには口腔機能発達不全や舌の問題や習癖の問題がよくあるものです。口腔機能に問題がありそうだと感じたことを親御さんに問いかけると「なんでわかるんですか?」とびっくりされることが多いですね。そういったときは、「こういうふうにやっていったほうが健全な発達が見込めますよ」と声がけして伝えるようにしています。
どのような患者さんが多いですか?

地域に密着した医療を提供したいと、学校歯科を中心にボランティア活動にも携わっていたので、以前は近所のお子さんもたくさん来ていました。ですが近年は少子化の影響もあり、地域のお子さんはだいぶ減ったと思います。37年と長くやっている歯科医院ですからわかることかもしれません。ですが、おかげさまで当院には今もお子さんからお年寄りまで、幅広い年代の方に来ていただいています。クチコミをもとに遠方からわざわざ来てくださる方もいますよ。矯正ではセカンドオピニオン的に相談に来られる患者さんもおられますし、通常開業医では対応しきれないような難しい症例も扱っているので、大学病院からの紹介で来られる方もいらっしゃいますね。
小児歯科にさらに注力、幅広い治療を提供し地域貢献を
院内外問わずさまざまなかたちで歯科医療に取り組んでおられますが、印象に残っている活動はありますか?

日本学校歯科医師会の活動で、スポーツ用マウスガードの普及に尽力したことでしょうか。スポーツ時の歯や口のケガによる障害は時に後遺障害に至ることもあります。そういったケガのリスクを回避するためのスポーツ用マウスガードを作製してほしいと、日本高等学校野球連盟から依頼があったのです。それ以前はお湯で温めて作るような簡易的なマウスガードが一般的でしたが、カパカパ動いてしまって声がけができなかったんです。そこで安全性に配慮しつつ、プレーもしっかりできるよう、精密な型採りから作るマウスガードの作製に取り組むことに。各県にいるマウスガード作りに長けた歯科医師をつなぐ窓口も務めました。マウスガードを使っている高校球児を見ると、今でも当時のことを思い出しますね。
今後の展望についてお聞きします。
歯科に関していえば、一通り勉強し経験を積んできたと思います。論文もかなりの数を書いてきましたし、全国の歯科医師関連組織に関わることも多くやってきましたし、現在も、横浜市旭区歯科医師会の会長を務めさせていただいています。小児歯科の臨床教授として鶴見大学にも籍を置いています。私の活動のすべては、歯科の実情を変えていきたかったからで、しっかり分析しデータを取っていくことも大事にして動いてきました。昭和の頃は虫歯の罹患者数もピークで、そこから虫歯対策を始めたのですが、そもそも科学的根拠のあるデータが少なかったこともあり、データの収集にはこだわってきました。学校保健の点では、私が担当した学校が虫歯の少ない学校として日本一となり表彰されたこともあります。やはり子どもの頃からの教育が大事なので、小児歯科も引き続き注力したいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

日々多くの患者さんを見てきたこれまでの経験、そして研究、分析してきたデータを持って、引き続き患者さんのために「確かな技術で治療を行う」という歯科医師の役目を果たしていきたいです。地元である二俣川で開業し長く診療してきましたが、患者さんの世代も変わりつつありますから、また立ち返ってさらなる地域貢献をしていきたいですね。お口のことで少しでも気になることがあれば、相談にいらしてください。親御さんでしたら、お子さんの発音や食事の時の食べ方などで気になっていることもあるでしょう。それらの多くは口腔機能不全症が原因となっております。また、口呼吸と関係していることも多くいろいろな感染症を引き起こすことになりますので、小さな異変でも気になることがあればぜひ来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/71万5000円程度