動悸や息切れなどの貧血症状を
専門的に診る血液内科
なかじまクリニック和
(さいたま市緑区/浦和美園駅)
最終更新日:2025/09/26


- 保険診療
日本の成人女性の5人に1人は貧血だといわれている。動悸や息切れ、疲労感、立ちくらみなどの症状を自覚する人もいるが、「なかじまクリニック和」の久武純一先生によると、健康診断で指摘を受けるまで気づかなかったり、ヘモグロビン濃度は正常範囲内でも体内の鉄分が不足している「隠れ貧血」の割合も多いそうだ。鉄不足は体のパフォーマンスを低下させ、髪・爪・肌にも影響を及ぼすやっかいなもの。「調べてみると、肌のくすみの原因は鉄不足だった」というようなケースも多く報告されているそうだ。大学病院や総合病院の血液内科で数多くの症例に携わってきた久武先生に、貧血を含む血液の病気について、また貧血の診療において重要なことを教えてもらった。
(取材日2025年9月5日)
目次
専門的な視点で「貧血」の原因を突き止める血液内科。成人女性に多く、男性、成長期、閉経後の人も要注意
- Qこちらでは一般内科の他に、血液内科も診ていただけるのですね。
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A
▲地域のかかりつけ医として幅広い症状に対応
はい。私は大学病院や総合病院で血液内科を専門としてきましたし、その経験を生かして当院でも積極的に血液内科診療を行っています。血液内科とは、白血球・赤血球・血小板などの血液の異常を診る診療科。代表的な疾患は「貧血」です。そのうちの7割から8割くらいは鉄欠乏性貧血ですが、その他にも慢性炎症性貧血、ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血、赤血球が破壊されて起こる溶血性貧血、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血など貧血の種類はさまざまです。また白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液腫瘍も血液内科の診療対象で、これらが貧血の原因となることもあります。
- Qどのようなときに血液内科を受診すれば良いのでしょうか?
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A
▲あざやしこりなど気になった際は早めの受診を
貧血の自覚症状で多いのは、動悸、息切れ、疲労感、立ちくらみなどです。心臓や肺に何かしらの原因があったり、赤血球や血色素が少なくなったりして貧血症状が現れることもあるんですよ。その他に、あざができやすかったり出血が止まりにくい場合には血小板や凝固因子の異常の可能性が、首・脇の下・足の付け根のしこりが続いたり大きくなったりした場合にはリンパ腫の可能性があります。このように自覚症状が病気の発見のきっかけになることもありますが、自覚症状のない方も多いのです。症状がある場合はもちろん、症状がなくても健康診断などで血液の異常を指摘された場合には、血液内科を受診してください。
- Qこちらには、どのような主訴での来院が多いですか?
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A
▲貧血かどうかその場で検査が可能
貧血の自覚症状がある方や、健康診断で貧血を指摘されて来院される方が多いですね。日本の成人女性の5人に1人は貧血といわれ、ヘモグロビン濃度は正常範囲内でも体内の鉄分が不足している潜在性鉄欠乏症、いわゆる「隠れ貧血」の方も多いですね。鉄不足は知らず知らずのうちに体のパフォーマンスを低下させ、髪・爪・肌にも影響が現れます。症状がないからと放っておくと、美容の面からもマイナスです。また、血液腫瘍の患者さんで、安定した状態で治療を継続している方も。病院での骨髄検査や治療を終えた方のフォローアップも対応しています。身近なクリニックで経過を見られるのは、患者さんにとっても利便性が良いと思います。
- Q貧血の診断や治療について教えてください。
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A
▲貧血に隠れている原因の見極めが大事だと語る
まずは血液検査で鉄、総鉄結合能、フェリチンを調べ、体内の鉄の状態を確認します。鉄欠乏があれば「鉄欠乏性貧血」と診断し、鉄剤を用いて治療を行います。ここで重要なのは、鉄欠乏の原因を突き止めること。女性の場合は子宮筋腫や子宮内膜症による過多月経が大半ですが、中には子宮頸がんや子宮体がんの可能性もあるため、婦人科でのチェックも勧めています。さらに要注意なのは男性や閉経後の方。胃がんや大腸がんから、体内で慢性的に出血が起きている可能性を否定できません。当院では専門的な視点で検査結果を確認し、他の診療科や病院への紹介も視野に入れながら症状を見極めて、必要な検査や治療におつなぎしています。
- Qこちらでは幅広い悩み事の相談ができると伺いました。
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A
▲内科・血液内科・美容皮膚科・耳鼻咽喉科が連携を強めている
はい。当院では、内科、血液内科を含めて幅広い悩み事に対応しています。非常勤の女性内科医もおり、女性特有の悩み相談もしやすいと思います。また、院長は美容皮膚科にも精通しているので、内科で来院された方もご興味ある方はお気軽に美容に関して相談していただけます。他にも、血液の病気が原因で、扁桃腺や耳や首のリンパ腺が腫れることもあるため、その際は本院の「なかじまクリニック」の耳鼻咽喉科と連携して適切な診療を行っています。