全国のドクター13,854人の想いを取材
クリニック・病院 156,767件の情報を掲載(2025年6月18日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 尾山台駅
  5. Mo寺クリニック尾山台
  6. 寺尾 基洋 院長

寺尾 基洋 院長の独自取材記事

Mo寺クリニック尾山台

(世田谷区/尾山台駅)

最終更新日:2025/06/12

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台 main

東急大井町線の尾山台駅から徒歩約5分。環八通り沿いに立ち、複数のクリニックや薬局が集まる医療モール「WELLPARKS等々力」の一角に「Mo寺クリニック尾山台」はある。院長の寺尾基洋先生はもともと麻酔科の医師として働いており、そこから学び直しをして精神科医になったという異色の経歴の持ち主。いくつかの病院やクリニックで経験を積み、2024年8月に満を持してこのクリニックを立ち上げた。院内には、寺尾院長が考える「運動と心の関係」から体と精神の状態を整えることに重きを置き、従来の治療も大事にしながら新たな取り組みも行っている。なぜ、精神科医になろうと思ったのか、診療への思いとその取り組みについて、寺尾院長に余すところなく語ってもらった。

(取材日2025年5月20日)

麻酔科から一念発起して精神科へ

クリニック名がとても個性的ですが、どのような由来がありますか。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台1

「Mo寺クリニック尾山台」の「Mo寺」とは、私の名字である「寺尾」の頭文字と下の名前の「基洋」の“も”をローマ字にしてくっつけたものですが、それ以外にも“運動機能”を意味する「Motor」や“意欲”を意味する「Motivation」ともかけています。当院は運動などを通じて「運動をすることでメンタルの健康も維持しましょう」というのがモットーですので、クリニック名にもその想いを込めました。インパクトもあって覚えやすいかなとも思います。

先生のご経歴を教えてください。

実は経済学部の出身で社会人2年目まではサラリーマンだったんです(笑)。経理の仕事だったのですが、人の役に立てている実感がなく、看護師であった母にも相談して、医療の道に進むことを決めました。聖マリアンナ医科大学医学部を卒業し、最初は整形外科に行こうと考えていました。しかし、研修で科をローテーションで回っていく中で、麻酔科に面白さを感じたんです。というのも、当時は他の科は治療にも直接携われないことが多かったのに、麻酔科だけは挿管や注射などいろんな手技をさせてもらえたんです。それで麻酔科医になるイメージがつきました。実際やりがいを持って働けましたが、麻酔科は患者さんと直接やりとりをするのが本当に短いですし、治療をしているという感覚とも違います。相手をするのは外科医のほうが多いぐらいで。そこに気づいて、ずっと続けるにはどうなのだろうという思いが大きくなってきました。

そこから精神科医になったきっかけは何ですか。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台2

当時、麻酔科の医師としてアルバイトをすることがあり、山梨にある単科精神科病院へ通うことになったのがきっかけです。それまで精神科に関わったことはなかったのですが、少しずつ精神科について学び、統合失調症やうつ病、アルコール依存症などの患者さんが「社会復帰をして日常生活を送れるようなりたい」と頑張る姿を見ているうちに、すごく心を動かされたんです。そういう現場に関わりたいと思うようになって、2007年にそこの病院に常勤するようになり、精神科医になるために実務を積んでいきました。その後は家族が東京にいたので、2015年に戻って神奈川県横浜市の病院で6年、2021年に大田区蒲田にある精神科・心療内科のクリニックにお声がけいただいて院長も務めさせていただきました。そして、去年の8月に独立して当院を立ち上げました。

患者に合った方法を一緒に探す

こちらのクリニックでは運動に重きを置いているそうですが、詳しく教えてください。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台3

精神科や心療内科というのは基本的に薬物治療が中心です。当院ではその重要性を踏まえつつ、運動もお勧めしています。何か適度な運動をした後に、ちょっとスッキリした気分になったというのは誰しもが経験したことがあると思うんですね。適度な運動によって体のバランスを整えることをめざし、心のリフレッシュや治療に対して前向きな気持ちになってもらえたらと思っています。院内に、トレーニング機器もそろったエクササイズルームがあり、専門のトレーナーが筋力トレーニング、有酸素運動、姿勢、呼吸法など患者さんに合わせたトレーニング指導を行います。

その他にはどのようなことに力を入れていますか。

カウンセリングの認知行動療法も重視しています。“認知”というのは“物事の受け止め方”という意味で、自分の目の前で起きたことをどういうふうに受け止めるかというのは、その人の癖や過去の経験などで異なります。その際、感情も発生するので、悲観的に受け止める方は悲しみや不安を感じます。認知行動療法はそういった受け止め方をしてしまう人に「こういう受け止め方もありますよ」というふうにうまく修正したり、幅を広げたりできるように柔軟性を持たせる一種のトレーニングです。

患者さんはどのような方がいるのでしょうか。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台4

当院は医療モールの中にあるので、他のクリニックと紛れて来院しやすいというのもあるかもしれませんが、近所の方が来られることが多くて、それは驚きました。というのも精神科や心療内科というのは、地元から離れたクリニックや病院を受診される方が多い傾向があるからです。いずれにせよ、地元の方が来やすいというのは良いことだと思います。年齢層でいうと、近くに大学があるためか、20代の方も来られますし、働き盛りでそれなりに責任が大きい仕事をされている30代、40代の方も来院されることが多いですね。症状はうつをはじめ、環境の変化やストレスで心身に不調が現れる適応障害、気分が落ち込んだり高揚したりする感情障害などが大半です。他には発達障害を疑って検査に来られる方もいます。

診療で大事にしていることは何でしょうか。

初診ではまず時間をかけて、とにかく話を聞きます。ここに来るに至った経過を話せる範囲で話していただいて、患者さんが何を求めているかを確認します。患者さんによってはインターネットの情報などで薬の副作用を知って、あまり飲みたくないという方も少なくありません。しかし、適切な服薬であれば問題はありませんし、こちらも漠然と長期間、薬だけに頼ることがないようにしています。そういったことをきちんと説明しながら、患者さんが納得できるところを一緒に探すイメージで治療方針を決めていきます。そのためにはコミュニケーションが大事ですし、話しやすい雰囲気になるようにわかりやすい言葉で説明したり、会話のペースを合わせたりといったことを意識して「この先生話しやすいな」って思ってもらえるようにしています。

悩みは1人で抱え込まずに共有を

クリニックの診療体制はどのようになっていますか。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台5

スタッフは私や看護師の他には国家資格である公認心理師がいます。診断に必要だと判断した心理検査や治療に適したカウンセリングなどは主に公認心理師が担当してくれています。患者さんは医師の私だけでなく、スタッフと接している時間も多いので、そういう意味でも一人ひとりの役割はすごく大事ですし、みんな経験も豊富なので、私も信頼しています。本当に穏やかで優しい人柄の人ばかりなので、初めての方でも安心して来院していただきたいですね。

プライベートについても伺いたいのですが、休みの日はどのように過ごされていますか。

自分で運動とメンタルの関係性について言っているわけですから、休みの日はそれを地で行くようにジムなどで運動しますね。実際、気分も晴れて元気になれます。他には野球、ラグビー、バスケなどスポーツ観戦も好きですね。それ以外だとドライブです。実は山梨の病院には今も月2回ほど仕事で通っていまして、その際に車で向かいます。いつも同じ道なのですが、山梨は自然に囲まれていて、春は山の斜面などに咲く桃の花がすごくきれいです。帰りに温泉に立ち寄るのも楽しいですね。運転している時は一人の空間でリラックスできます。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

寺尾基洋院長 Mo寺クリニック尾山台6

今は本当に真偽もよくわからない情報があふれていて、経済状況も低迷していたり、世界では戦争が起きたりして不安になりやすい世の中だと思うんです。そんな時に1人で不安を抱え込むよりは私たちと共有したほうが何か手立てが見つかるかもしれないし、少し元気になれるかもしれない。このクリニックは、そんな“何とかなるって思えるような場所”になれたらいいと考えていますし、ぜひ一緒に気分が良くなるものを探していきたいです。例えば会社に行くのがちょっと気が重い、夜なかなか眠れない、逆に朝は起きることができない、酒量が増えてきている、そんな日常の変化が起きた時をきっかけに、私たちの所へ気軽に相談に来てもらいたいです。

Access