滝井 義隆 院長の独自取材記事
ひまわり内科・痛みのクリニック
(さいたま市緑区/与野駅)
最終更新日:2025/10/09

北浦和駅からバスで約10分、一戸建てが並ぶ住宅街に立つ「ひまわり内科・痛みのクリニック」。滝井義隆院長は、麻酔科の医師として44年間、そのうち30年は基幹病院の麻酔科部長として責任ある立場で全身管理のエキスパートとして活躍してきた。「患者さんの主治医になって日常生活から全部診てあげたい」という思いから2024年8月に開業。完全バリアフリーの院内には充実した検査機器を備え、内科全般から専門的な痛み治療まで幅広く対応する。「患者さんとじっくり時間を取って話を聞くことを一番大事にしています」と語る滝井院長に、開業への思いや診療にかける情熱について聞いた。
(取材日2025年9月5日)
44年の医師経験を胸に、主治医として歩み始める
先生は北海道のご出身だそうですね。さいたま市で開業に至った経緯を教えてください。

函館出身で旭川医科大学を卒業後、北海道の病院で研鑽を積んでいました。その後、基幹病院の麻酔科部長の席が急に空いたため声がかかり、東京での勤務が始まりました。さいたま市には20年以上住んでいて、開業をするなら自宅から通勤できる範囲の場所がいいと思い探していたところ、たまたまこの地でご縁があったんです。住宅街の中にあるクリニックですが、駐車場も薬局と合わせて18台分用意しています。ですが、今のところ車で来られる方は少なく歩いて来られる徒歩圏内の方が多いですね。地域の方々に頼りにしていただけるクリニックをめざしています。
麻酔科医として長年活躍されましたが、開業を決意された理由は?
麻酔科医として44年、うち30年ほどは基幹病院の麻酔科部長として責任ある仕事をしてきました。大学病院でも非常勤講師として若い先生方の指導に力を尽くしてきて、よく頑張ったと自分でも思います。ただ、麻酔科は高度で専門的な科なのですが、患者さんの主治医になることはないんです。私が医師を志した時の最初の気持ちは、「一対一で患者さんと向き合って、人間同士の触れ合いを通じて健康管理をしていきたい」ということでした。60歳を過ぎて、やっぱり主治医として患者さんと密接に向き合い、健康管理をしていきたいなと思ったのが開業のきっかけです。
クリニックの設備面でこだわったポイントを教えてください。

車いすの方でも入れるよう完全バリアフリーにして、段差がないようにしました。実際に車いすで来院される患者さんもいらっしゃいます。トイレも車いすの方が介助の方と一緒に入れるよう思い切って広くしました。発熱患者さん用の隔離室には別の直接入り口があり、一般の患者さんと動線を分けて接触による感染を最小限にしています。検査機器も心電図、超音波検査装置、エックス線装置、即日結果がわかる血液検査装置など充実させました。内装は木材をたくさん使って温かみがあるようにし、体調不良の方が来た時に少しでも和らげるような雰囲気にしました。
患者の痛みにも向き合い、健康を支える幅広い診療を
麻酔科での痛みの治療について詳しく教えてください。

患者さんの主訴として多いのは、帯状疱疹の痛みと坐骨神経痛です。新型コロナウイルス感染症流行以降、帯状疱疹の患者さんは増えてきていると思います。帯状疱疹は早期にしっかりした治療ができれば、その後の痛みで悩まされる割合は減ると考えています。しかしながら、人によっては残念ながら一生痛みに苦しむ方もいらっしゃり、日常生活に大きな障害が出ることもあります。その場合の治療は痛み止めのお薬に加えて、必要に応じて神経ブロック注射を実施します。痛みや皮膚の炎症を緩和するために漢方薬を使うこともありますよ。
内科診療ではどのような症状の患者さんが多いですか?
ホームドクター的な役割で、特別な専門だけを診るのではなく幅広い症状を診ています。生活習慣病の患者さんと風邪などの急性症状の方が五分五分ぐらいですね。最近注目しているのは脂肪肝です。若い人でも脂肪肝の方がだんだん増えてきていて、超音波検査ですぐに診ることができます。痛みを感じるような検査ではないのでご安心ください。その他、さいたま市の各種健康診断や雇用時健診、女性特有の健診もできる範囲でやっています。私の力が及ばないところは、さいたま市立病院を連携病院として登録していますので、すぐに紹介できる体制を整えています。
患者さんと接する上で大事にしていることは何ですか?

じっくり時間を取って患者さん話を聞くということを一番大事にしております。今のところはまだ時間はかけやすい環境にあります。痛みに関しては個人差が非常にあり、同じ方であっても痛みがひどい時とひどくない時など波があるので、気持ちの影響もかなりあるんです。楽しいこと、うれしいことをしている時は痛みを感じにくいですが、つらいこと、悲しいこと、苦しい時には痛みが強くなる傾向があります。そういった心の状態も含めて、じっくりお話を聞いて診療にあたることを心がけています。
地域とともに歩む、頼れるクリニックへ
診療体制について教えてください。

一応予約優先ということになっていますが、予約なしで来てくれた患者さんもすべて診るという心構えでやっております。できるだけ待ち時間が少ないよう効率の良い診療を心がけています。診察室は同じ構造のものが2つあり、患者さんが混んでいる場合は交互に私が動いて診察しています。私一人でできないこともたくさんありますので、そういう時は市立病院を中心とした大きな総合病院にすぐ連絡をして、場合によっては救急車で転送してでも対応できるような体制を取っています。
今後どのようなクリニックにしていきたいとお考えですか?
一番は地域の方に頼りにしていただいて、何か体の不調がある時にはいつでも来られるような体制を整えていくことです。同時に、体の不調がない時でも定期的に来ていただいて、異常を早期に発見して早期に治療し、できるだけ健康で長生きしていただきたい。そういう地域に密着したクリニックをめざしております。クリニック名の「ひまわり」は、開院したのがちょうど8月の真夏でしたから、明るくて元気のいいひまわりの花にあやかろうと思って名づけました。まだ開院して1年ですが、これからも地域の皆さまの健康を支える存在になれるよう努力していきます。
最後に、地域の方々へメッセージをお願いします。

当院は内科をメインで診ており、専門に特化しているわけではなく広く患者さん全体を診るようにしております。少しでも体のことについて不安や不調がありましたら、どなたでもいつでもいらしてください。麻酔科については、痛みの原因をしっかり治療した上でそれでも痛いという時にはぜひ我慢せずに相談していただきたいです。今後ともできるだけ地域に密着した医療を心がけていきたいと思っています。