小寺 涼太 院長の独自取材記事
KODERA DENTAL CLINIC 伊福町
(岡山市北区/岡山駅)
最終更新日:2024/08/30

岡山駅より車で5分・徒歩17分、岡電バス・京山入口停留所より徒歩4分。閑静な住宅街の中に、ホテルライクな高級感のある外観が見えてくる。2024年7月に開業したばかりの「KODERA DENTAL CLINIC 伊福町」だ。吹き抜けの高い天井と、折り返し階段がアクセントの待合室は開放感にあふれスタイリッシュ。ユニットのある診察室は全室完全個室。「患者さんが生涯にわたり自分の歯で過ごすことができるようにお手伝いしたい」と爽やかな笑顔で語る小寺涼太院長に、同院の特徴やめざす歯科診療を聞いた。
(取材日2024年7月29日)
自分の歯で一生食べるため、なるべく削らない治療を
7月に開業されたばかりですが、実際に開業されてみていかがでしたか?

徐々に地域の皆さんに認知していただいているようです。せっかく当院を選んでいただいたのですから、患者さんに満足していただけるよう、日々、丁寧な診療に努めています。今、来ていただいている患者さんは定期検診希望の方が多いですね。メンテナンスを希望される方の年齢層は幅広く、20代から70代の方が多くいらっしゃいます。私が予想していた以上にご自身の歯について意識の高い方が多い印象です。また、近くに学校があるからだと思うのですが、こちらも予想していた以上に小さな子どもさんも多いです。前職で勤務医として子どもさんを診ることも多かったですし、私自身が子ども好きなところもあって、子どもさんとのコミュニケーションを楽しんで治療しています。キッズスペースやおむつ交換台も備えていますので、お母さんやお父さんも安心してお子さんと一緒に来院してほしいですね。
診療理念を教えていただけますか?
この近くで生まれ育ったものですから、地元に恩返しする意味でも、地域の方の「お口の健康」を守り、生涯にわたり自分の歯で過ごせるお手伝いをしたいと考えています。自分の歯で一生食べていくためにも、当院ではなるべく削らない治療を提唱しています。歯は削れば削るほど寿命が短くなるといわれています。当院では虫歯だからといってすぐ削ったり抜いたりはしていません。もちろん、大きい虫歯であればそういった処置が必要ですが、小さい虫歯の場合、進行を食い止めることができさえすれば、削らないほうがかえって良いケースもあると考えられるのです。デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って患者さんご自身でセルフケアを行い、きちんと管理しながら、半年、1年と様子を見て、変化がなければそのまま、万が一大きくなっていたら治療をするというように、適切に管理しながらメンテナンスできるようにします。
やっぱりメンテナンスが大切なんですね。

メンテナンスをして虫歯や歯周病の「予防」を図ることで、年を重ねても歯や口腔内の健康を維持できるよう導くことができます。どれだけ頑張って歯を磨いている方でも、完璧に磨くことは難しくて多少汚れが残ってしまい、同じ箇所が磨けていないとずっと汚れが残ることになります。定期検診に来ていただくことによって、患者さんのセルフケアでは難しい部分を、専門家の歯科医師や歯科衛生士がフォローします。また、当院では患者さんの歯や口腔内の状態をより明確にするために、レントゲン検査や唾液検査などの精密検査をさせていただいています。他の歯科医院よりも検査項目が多いので、驚かれるかもしれませんね。
豊富な検査データを用いて、オーダーメイドの治療計画
具体的にはどんな検査を行うのでしょうか?

まずはレントゲン検査で全体を把握して、その後口腔内写真を17枚ほど撮って細かな点を確認します。顎関節の診査や歯周病の検査も行います。例えば、歯石を取ってほしいと来院された患者さんでも、なるべく精密検査をお勧めしています。歯石取りだとしても、やっぱり自分の口の中の状態を知った上で処置を受けるほうが患者さんの安心につながりますし、歯科医師も歯科衛生士も前知識を持って処置できるので安心です。いざ検査をしてみたら、奥歯に進行している歯周病があるかもしれません。何か悪いところの早期発見につながる可能性もあります。検査結果をもとに、それぞれの患者さんに合わせたオーダーメイドの治療計画を患者さんと相談しながら立てていきます。
唾液検査はどういうものなのですか?
唾液に含まれる細菌や酸性度、タンパク質といった項目の数値を調べることによって、虫歯や歯周病の発症リスクをある程度評価することができる検査です。これは自由診療です。方法としては、洗口液を口に含んでブクブクとうがいをしていただいて、出してもらったのをスポイトで試験紙のようなものに垂らすと、5分ほどで結果が出ます。検査結果は数値やグラフなどを用いて、わかりやすく説明します。個々の患者さんのデータ結果を踏まえて、よりご自身に合った歯磨きの仕方、購入するべき歯ブラシの種類やサイズ、歯磨き粉の種類などを提案させていただいています。ドラッグストアなどの売り場に行くと、歯ブラシも歯磨き粉もたくさん種類が売られているので、どれを買ったらいいかわからない方も多いと思うのですが、歯ブラシも歯磨き粉も虫歯や歯周病に特化していたり、知覚過敏に特化していたりと、いろいろあるんですよ。
まず自分の口の中の状態を把握することが大事なんですね。

歯科医院に定期検診に来るのは3ヵ月に1回程度になりますから、メンテナンスの大部分は患者さん自身のセルフケアになるわけです。そのモチベーションアップや技術力アップのためにも、自分の口の中に興味を持ち、口の中の状態を把握することが大切なのです。知らない方も多いと思いますが、実はプラークや歯垢は細菌で、口の中には細菌がたくさん存在しているといえます。それらの細菌とうまく付き合いながら、どう予防していくかが大事なのです。
プライバシー考慮の完全個室が患者に好評
他にこちらの特徴はありますか?

マイクロスコープを用いた精密治療や、エアフローという細かいパウダーを噴射して歯の汚れや着色を取り除くことを目的とした歯への負担が少ないクリーニングに対応しています。また、建物に関しては、吹き抜けで開放感を出して、診察室はプライバシーに配慮して完全個室にしました。オープン前の内覧会でも、きれいでリラックスできると好評でした。患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることは、先ほど申し上げたように当院では検査項目が多いので、現在の状態、今後予想される状態をすべてお伝えした上で治療計画を提案し、患者さんに選択していただいています。患者さんの気持ちや希望と、歯科医師の判断を擦り合わせていくという感じですね。子どもさんの治療では、「歯科医院は怖い」というトラウマを植えつけてはいけないと思っています。これからこんなことをするよ、音だけだよ、水だけだよと一つ一つ説明しながら進めていきます。
歯科医師をめざしたきっかけを教えていただけますか?
祖父が歯科医師だったことが大きいですね。実は高校の時の先生との進路相談ではあまり歯学部は勧められなかったんですよ。薬学部のほうが将来性があると、薬学部を勧められました。でも祖父の存在があったので、歯科医師のイメージが湧きやすくて、迷わず歯学部をめざしました。私は子どもの頃は虫歯っ子だったので、よく祖父に治療をしてもらっていました。小学生の時、祖父から聞いて書いた歯磨きのコツのメモがまだ実家にあります。お互いに照れ屋でしたし、その後祖父は亡くなってしまったので、歯科医師同士としてちゃんと言葉は交わしたことがなかったのですが、祖父が入院していた時に手を握ってくれて、ちゃんと頑張らないとと強く思いましたね。
地域の方にメッセージをいただけますか?

地域のかかりつけ医として、患者さんに自分の歯や口腔内のことに興味を持ってもらい、メンテナンスやセルフケアの大切さを伝えていきたいですね。歯は痛くなければ困ることがない人がほとんどです。でも、痛くなった時はすでに症状は進行しています。歯が痛くなったりした時だけではなく、歯の状態をチェックするために気軽に通っていただける歯科医院が理想です。2、3ヵ月たったからそろそろ行かなきゃと思ってもらえる、美容院みたいなクリニックでありたいですね。親御さんから小児矯正について聞かれることが多いので、将来的には小児矯正を取り入れたり、よりオーダーメイドな治療が可能な自由診療を行ったりと、そうしたことにも力を入れていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/1650円~、エアフロー/1650円