野木 才美 院長の独自取材記事
かなでる女性クリニック日野
(日野市/日野駅)
最終更新日:2024/10/01
JR中央線の日野駅から徒歩1分の日野駅前ビルディング4階にある「かなでる女性クリニック日野」は、女性医師と女性スタッフによる「すべての女性のためのクリニック」として2024年7月に開院した。クリニック名の「かなでる」には、「すべての女性が長い人生をより健やかに過ごし、幸せを奏でていけるお手伝いをしたい」という野木才美院長の思いが込められている。優しい笑顔と穏やかな口調が印象的な野木院長は、デリケートな女性の気持ちに寄り添うことを常に大切にしているという。そんな野木院長に、開業の経緯や力を入れている治療、患者に対する配慮などについて話を聞いた。
(取材日2024年9月5日)
助産師をしていた母親の影響を受けて産婦人科医に
今年の7月に開業されたそうですが、開業のきっかけをお聞かせください。
私はもともと立川の病院で勤務医として働いていたのですが、その病院には日野から通われている患者さんが多くいらっしゃいました。日野には産婦人科専門のクリニックがあまりないので、立川の病院に通われている方が多かったのですが、通うのが大変だとおっしゃる方もいました。日野は私自身が育った場所でなじみもあるので、日野にお住まいの女性が通いやすい場所で開業したいと思いました。
通いやすい場所に産婦人科があると安心ですよね。
そうですね。子宮内膜症がひどくなってしまった患者さんの中には「以前、産婦人科に通っていたけれど、遠くて通うのが大変だったので途中で行かなくなってしまった」という方もいらっしゃいます。途中で通うのをやめてしまうと症状が悪化するリスクがあるので、通いやすい場所に産婦人科があることは大切です。特に不妊治療など、何度も通わなければならないケースでは、通いやすい場所のクリニックを選ぶことが大切だと思います。
産婦人科医として臨床経験を積まれてきたそうですが、産婦人科医をめざした理由を教えていただけますか?
産婦人科医をめざしたのは助産師の仕事をしていた母の影響が大きいですね。子どもの頃から、母の仕事の話を聞いていて、大人になったら母のような仕事をしたいと思っていました。大変なこともたくさんありますが、とてもやりがいのある仕事だと感じたからです。医学部に進学して、さらに産婦人科に深く関心を持つようになりました。女性ならではの悩みに寄り添えることも、産婦人科を選んだ理由の一つです。
どのような患者さんが多く来院していますか?
まだ開業して間もないのですが、幅広い年代の女性が来院されています。若い世代の方は、生理不順や生理痛などのお悩みをお持ちの方が多いですね。不妊症の治療のために通われている方も多いです。40代以降の方は、更年期障害でお悩みの方が多くいらっしゃっています。当院では、産科経験豊富な助産師や看護師による母乳相談も行っているので、授乳方法などに悩まれて相談に来られる方もいらっしゃいますよ。
早期発見・早期治療が大切
思春期相談も行っていると伺いました。
以前、小学生のお子さんを持つ女性から「子どもの生理痛がひどくて、病院で診てもらいたいと思ったけれど、産婦人科に行っても大丈夫なのか、小児科に行くべきなのか悩んでしまった」というお話を聞いたことがありました。そのような悩みをお持ちの方に、お子さんと一緒に気軽に相談できる場を提供したいという思いから、思春期相談を始めました。若い頃から、自身の体や健康のことにしっかり意識を向けることは、健康を維持することにもつながるので、そのようなきっかけにしていただけるといいなと思っています。
生理痛についても相談できるんですね。
もちろんです。「生理痛くらい我慢すればいい」と思う方もいらっしゃるようですが、ホルモン治療で改善が図れるケースも多いので、我慢しないでほしいなと思います。それに、ひどい生理痛は子宮内膜症の主な症状の一つです。子宮内膜症は早期に発見して治療することで、子宮や卵巣の温存をめざせる可能性が高まります。
早期発見は大切なことなんですね。
産婦人科に限ったことではありませんが、早期発見・早期治療はとても大切です。症状が軽いうちに発見できれば、治療にかかる期間も短くて済むことが望めますし、より体への負担の少ない方法で治療できる見込みが高くなります。早期発見のためには、定期的に検診を受けることを心がけていただければと思います。当院では、子宮がん検診や女性の総合検診、ブライダルチェックなどの各種検診も行っているので、積極的に受けていただきたいです。
女性アスリートのサポートにも力を入れていると伺いました。
女性アスリートの方の中には、生理がこなくなってしまったという方が少なくありません。厳しいトレーニングを優先するために、生理がこなくても仕方がないと考えて放置してしまう方もいらっしゃるようです。しかし、無月経の状態を放置すると、新しい骨を作るために欠かせないエストロゲンの分泌が不足して骨密度が低下するため、疲労骨折などを引き起こすこともあります。充実した選手生活を送るためにも、無月経や生理不順の状態を放置せずに早めに治療を受けてほしいと思っています。
女性のデリケートな悩みに寄り添うことを大切に
患者さんと向き合うときに心がけていることを教えてください。
生理痛などで産婦人科を受診したときに「よくあることだから問題ない」「たいしたことはない」などと言われたけれど、やっぱり不安で他の病院を受診したという患者さんもいらっしゃるでしょう。たしかに問題ない場合もあるのですが、ご本人は悩んだ末に受診されているので、私は「こういう状態になったら、すぐに来てください」などと具体的な例を挙げてお話しするようにしています。方針を示すことで安心して毎日を過ごしていただけるのではないかと思うからです。
安心して過ごせるって大切ですよね。
そうですね。毎日を安心して過ごしていただけるよう、女性のデリケートな悩みに寄り添っていきたいと思っています。当クリニックでは、アフターピル(緊急避妊薬)の処方にも対応しています。望まない妊娠をしないためにも、不安な日々を過ごさないためにも、必要なときは早めに来院してほしいと思います。緊急避妊のために来院された女性の中には、泣き出してしまう方もいらっしゃいます。とてもつらい思いをされたのだと思うので、言葉をかけるのではなく、少しでも気持ちが落ち着くように、そっと背中をさするようにしています。
お忙しい毎日だと思いますが、お休みの日はどのように過ごされていますか?
休みの日はゴルフに行くことがあります。ゴルフは2年ほど前から始めたのですが、なかなか上達しなくて、仲間からは「伸びしろしかない」と言われることもあります(笑)。練習する時間を作るのが難しい状況ですが、自分のペースで楽しみながら続けたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
「生理痛くらいで産婦人科を受診してもいいのだろうか」「生理が少し遅れただけで受診するのは大げさではないだろうか」などと迷われる方もいらっしゃるようですが、少しでも気になることがあれば気軽に受診してください。「更年期でイライラする」「閉経してから体調が悪い」など、更年期特有の症状にも対応しておりますので、更年期でお悩みの方もお気軽に来院していただければと思います。当院は、院長の私をはじめ、看護師やスタッフも全員女性です。経験豊富なスタッフがデリケートな女性の体と心の悩みに寄り添った治療やケアを行っておりますので、安心して来院してください。HPVワクチンの公費接種にも対応しておりますので、ご希望の方は公費で接種できる期間内にぜひ来院いただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは女性の総合検診/2万5000円~、ブライダルチェック/2万5000円~、アフターピル/8000円~