鉄欠乏性貧血や白血病を逃さないための
血液内科での検査と治療
イースト血液内科クリニック
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2025/02/14


- 保険診療
会社の健康診断で、白血球や赤血球の異常値を指摘されたことはあるだろうか。再検査を受けるなら、血液内科も選択肢の一つとなる。亀戸駅からほど近い場所にある「イースト血液内科クリニック」の白鳥由実子院長は、検査結果を点ではなく線で評価することを心がけているという。過去の健診結果と、再検査の結果をトータルで見て経過を予測する。特に白血球の数値は変動しやすいので、隠れた異常が潜んでいないか慎重に見極める必要があるそうだ。血液検査は外部機関に委託するクリニックが多いが、同院では院内で行っている。専門の検査技師が常駐するため、詳しい検査ができるのだという。では、血液内科ならではの検査や治療とは一体どういうものなのか。白鳥院長に詳しく聞いた。
(取材日2025年1月9日)
目次
専門的な知見により些細な変化や状態を察知し、病気の早期発見・治療につなげる
- Q血液内科ではどのような疾患を診ますか?
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A
▲血液内科を専門とする医師の白鳥先生
血液疾患で最も知名度があるのは白血病でしょう。次に悪性リンパ腫、多発性骨髄腫と続き、これらが血液疾患の三大腫瘍といわれています。血液疾患というと、こうした悪性腫瘍のイメージが先行しがちですが、良性疾患も忘れてはいけません。良性疾患で多いのは鉄欠乏性貧血を中心とした貧血疾患です。鉄欠乏性貧血は月経の関係上、やはり女性に多く見られます。ただし、割合は少ないながら、男性も発症する可能性があるので注意が必要です。その他では、免疫異常に伴う良性疾患もあります。例えば、血小板が減ってしまう特発性血小板減少性紫斑病と呼ばれる難病や、自己免疫性溶血性貧血などです。
- Qどういった時に血液内科を受診すればいいでしょうか。
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A
▲院内で血液検査が可能
貧血症状を自覚している場合はもちろん、健康診断で血液の異常が認められた場合なども受診していただければと思います。白血球の数で異常値を指摘されたとか、赤血球や血小板が多い少ないといった健診結果が出た方は血液内科を受診するのがお勧めです。また、リンパ節が腫れて熱が続いている、寝汗をかくといった症状がある方も血液内科を受診するといいでしょう。インターネットに情報があふれている時代ですので、ご自身の症状から悪性リンパ腫ではないかと心配して受診する方もいらっしゃいます。検査を行えばわかることですので、心配な症状があればご相談ください。
- Q貧血の場合、どのような検査・治療を行うのですか?
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A
▲血液に詳しい検査技師が在籍
まずは検査によって貧血の原因を調べます。貧血と一口にいっても、その原因はさまざまです。血をつくる栄養素が不足している場合や、免疫反応によって赤血球が壊されている場合、赤血球をつくる機能そのものに異常がある貧血もあります。また、腎機能が悪くなったことで、造血が滞ることもあるのです。治療は貧血の原因に応じて行いますが、鉄欠乏性貧血の場合は鉄剤によって鉄の補充を図ります。鉄剤は副作用のリスクもあるので、いかに負担なく鉄を補充できるかがポイントでしょう。当院では患者さんに合わせて副作用が出にくい薬を用いたり、どうしても鉄剤が苦手な方には別の方法でのフォローを考えたりしています。
- Qこちらのクリニックで受けられる検査や治療を教えてください。
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A
▲輸血や、骨髄検査にも対応
当院では、血液検査を院内で実施しています。院内で検査することで、その日のうちに検査結果を確認することが可能です。また、血液に詳しい検査技師が在籍しているので、顕微鏡検査や迅速性を求められる検査にも対応できます。例えば、健診で血小板が少ないと指摘された人の中で、実際の血小板の数よりも少なく算定されてしまう場合があります。これは偽性血小板減少といって、検査用の薬剤に血小板が反応して固まり、少なく測定されてしまうことが原因です。当院では検査技師に15分ごとに血液の標本を確認してもらうので、偽性血小板減少の診断をしっかりと行えます。この他、痛みに配慮した骨髄検査や、輸血治療も当院で行っています。
- Q病院との連携もありますか?
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A
▲病院や在宅診療所とも連携し、通院負担を軽減
はい。複数の医療機関と提携しています。例えば、急性白血病などの血液腫瘍が疑われる状況の場合に、連携医療機関を迅速に紹介するといった対応をしています。反対に、総合病院から継続治療先として当院をご紹介いただくこともあります。総合病院はどこも患者さんが多くて待ち時間も長くなってしまうので、当院のようなクリニックであれば通院負担も軽減できると思います。また、通院が困難になった方には、在宅医療へおつなぎすることも可能です。血液疾患がある方で、訪問診療を希望する方は多くいらっしゃいます。私自身も同じ地域で訪問診療機関に勤務していた経験があるので、気兼ねなくご相談ください。