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白鳥 由実子 院長の独自取材記事

イースト血液内科クリニック

(江東区/亀戸駅)

最終更新日:2025/05/19

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック main

大学病院などの血液内科で経験を積んできた白鳥由実子院長が、「血液内科の総合窓口」をめざして開業した「イースト血液内科クリニック」。院内で血液検査ができるのが特長で、健康診断で異常を指摘された患者や血液疾患の患者の体調変化などに専門性を生かして対応している。体内でダイナミックに働く血液細胞の働きに魅せられた白鳥院長は、出産を経て在宅診療も経験する中で、「医療だけでは解決できない問題は信頼関係が糸口になる。信頼関係をつないで患者さんの訴えを深いところから理解したい」との思いを胸に、患者一人ひとりと誠実に向き合っている。インタビューでは医師を志したきっかけや血液内科の現状、クリニックの展望などについて話を聞いた。

(取材日2024年10月22日)

院内で血液検査をし、迅速にフィードバック

血液内科のクリニックは珍しいですね。まずは開業の経緯を教えてください。

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック1

2020年に2人目の子どもが生まれたのが開業を考え始めたきっかけでした。病院の血液内科での診療は入院も外来も急変がありますので、2人の育児をしながらこれまでどおりの診療ステータスを維持する自信が持てませんでした。1人目の出産後はいったん復職しましたが、2人目が生まれた後は退職して訪問診療の医師に転身しました。その中でもやはり血液内科の診療に携わりたいという気持ちを捨てきれず、外来診療をできるかを模索し始めました。

亀戸駅近くの便利な立地ですね。この場所を選んだのはどうしてですか?

血液内科は全国的に少ないと思います。東京都は人口に対して少ないと感じていました。せっかく血液内科として開業するのであれば地域への貢献度も高い場所で開業をしたいと思い、場所選びをしました。その中で注目をしたのが、江東区のエリアです。まずは地域のことを知りたいと訪問診療から始め、遠方から来る人も想定し、駅近で交通網の充実している亀戸で開業することになりました。隣駅に東京都立墨東病院の血液内科があるのですが、そこに患者さんが集中していて、ドクターの数が相対的に少ないという印象です。クリニックでは、病院の機能のすべてを担うことはできませんが、患者さんを通して地域の血液内科診療の一助を担いたいと思います。

院内で血液検査ができるのも特長ですね。どのような検査ができるのでしょうか?

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック2

まずは血球計数といって、血液細胞の数を調べる機器があります。それは早くて10分で結果が出ます。その他、生化学の分析機器があり、鉄欠乏性貧血の診断でも欠かせない鉄とフェリチンなどは約40分で結果が出ます。血液細胞の異常が疑われる場合にも、すぐに臨床検査技師が目で確認できるように顕微鏡もあります。血液内科は症状などで診断がつきにくく、数値で判断する部分が大きいのです。クリニックで病院とできるだけ近い診療レベルを維持するには、診察に血液検査による評価を持ち合わせる体制が必要だと思い、導入しました。当院には、血液についても専門的に学んだ経験を持つ臨床検査技師が常駐しています。骨髄検査がクリニックでできることも当院の特徴だと思います。「病院で受ける検査」、「痛い検査」という印象をお持ちの方もいらっしゃいますが、局所麻酔を使用した痛くない工夫はもちろんですが、怖くない雰囲気作りは心がけています。

ロゴマークもとてもかわいらしいですね。

好中球(ニュートロフィル)をモチーフにした「ノイトロちゃん」です。好中球は白血球の中の半分以上を占める細胞で、細菌を駆除するために重要な役割を持ちます。血液疾患の治療において、好中球が回復につながった場合の喜びと安堵はひとしおです。病院勤務の時代から、好中球の回復が患者さんの希望や前向きな気持ちにつながると感じており、好中球が皆さんの血液を守るというイメージで作ってもらったものです。

血液の不安や慢性的な体調不良にも対応

血液の病気は、大きな病院で治療をするイメージがあります。血液内科とは、どのような診療科でしょうか?

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック3

白血球系統のがんや病気のイメージが強いと思いますが、実際は血液細胞の異常全般を扱います。栄養不足や免疫的な原因による貧血、血小板の減少などもあり、悪性以外の病気も広く含んでいます。悪性疾患の場合、病院の血液内科での治療が多いのですが、病院へ通う場合、院内を回るのにも時間がかかり、待ち時間も長いので、病院勤務時代から患者さんの負担を懸念していました。もう少し楽に受診してもらえたらいいなと思い、当クリニックをつくりました。

クリニックではどのようなニーズが多いのでしょうか?

実際に開業してみて、「大きな病院に行くほどではないが血液が心配だ」と、不安を抱えている人が意外と多いと感じています。例えば、健康診断で白血球が少しだけ多いという結果が出た場合、いきなり病院を受診するのはハードルが高いと思います。そういった患者さんの相談に乗れるのはクリニックならではだと思います。また、鉄欠乏による貧血も診療方針があいまいなまま治療を中断されている方が多いですね。女性は特に貧血のせいで自分の体調に自信を持てない方もいらっしゃいます。当院では当日に検査結果をフィードバックし、今後の道筋をお示しできます。院内で血液検査をやっているという特性があるので、血液異常の所見に限らず、慢性的に続く体調不良など、内科的な症状で検査を希望される方も多いと感じています。当院では、輸血の対応もしており輸血のために病院に通われている患者さんのお役にも立てると思います。

医師をめざしたきっかけを教えてください。

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック4

中学生の頃、救急現場のドキュメンタリーをよく見ていました。その中で普通に過ごしていた人が急な体調不良で救急車で運ばれ、そのまま亡くなってしまうという話を見て衝撃を受けたのがきっかけです。自分の家族や周りの人がそういうことになったらどうしよう、何か力になれる医師になりたいと思うようになりました。三重大学の医学部に進み、当時専門分野は内科か精神科と考えていましたが、内科の中でも血液内科の魅力に引き寄せられました。血液細胞は流動的でつかみどころがありません。種類が多様にあり、それぞれが機能を持っていて体内でダイナミックに働いているところに惹かれました。

信頼関係をつなぎ、気軽に相談できる場に

東京大学医学部附属病院や日本赤十字社医療センターでの勤務を経て、在宅医療の現場も経験されました。

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック5

在宅医療は医療よりも患者さんとの向き合い方が、診療にかける力の半分以上を占めていると感じました。診察室での向き合い方とは異なり、普段の生活状況や家族背景などを踏まえて患者さんを診察するのは非常に勉強になりました。もともと相手の望むことをサポートするのが基本の診療スタンスでしたが、在宅医療を経験して、より患者さんの生き方を支援するという視点が開けたような気がしています。医療だけでは解決できない問題は信頼関係が糸口になると思うので、まずは一対一で信頼関係をつないで、患者さんの訴えを深いところから理解していきたいと思っています。

子育て中でもあると伺っていますが、休日はどのように過ごされていますか?

6歳の男の子と4歳の女の子がいて、普段はあまり遊んであげられないので休日はひたすら子どものやりたい遊びに付き合っています。半年前に長男と一緒に空手を始めました。子どもにやりなさいと言うのではなく、一緒に頑張ろうというスタンスでいられるのがいいですね。また、ウクレレを約20年弾いています。先日も、同じ江東区の先生にお誘いいただき、商業施設での演奏会にて演奏してきました。患者さんと一緒に演奏なども将来的にできたら面白いと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

白鳥由実子院長 イースト血液内科クリニック6

「こんなことで受診していいのかな」と迷われる方もいらっしゃいますが、なんとなく体調の心配がある方はお気軽にご相談いただけたらと思います。できるだけ患者さんの不安をくみ取りたいと思っているのですが、なかなかすべてというわけにはいかないので、気になったところはぜひご質問いただき、できる限り納得いくまでお話しできればと思っています。少しでも気持ちが楽になって帰っていただけたら、こちらもうれしいです。今後は病院からの患者さんも増えたらいいなと思っています。病状が安定している患者さんは病院から当院に移っていただき、もう少し楽に血液内科の診療を受けられるようになったらいいですね。血液について心配な方もそうでない方も、気軽に相談できる場所としてやっていきたいと思います。

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