小さな初期症状も放置せず
循環器疾患が重症化するリスクを回避
守谷こっこ内科・循環器内科クリニック
(守谷市/新守谷駅)
最終更新日:2024/08/07


- 保険診療
息切れや胸の圧迫感があったり、「脈が飛んでいるかもしれない」と感じたり、心臓のちょっとした心配事というのは案外珍しいものではない。一方で、症状が軽いほど、消えれば忘れてしまう人も多いだろう。しかし、「できれば自覚症状がある前から心臓の健康を気遣ってほしい」と注意を呼びかけるのが「守谷こっこ内科・循環器内科クリニック」の高村慎太郎先生だ。大学病院では動脈硬化が引き起こすさまざまな心疾患の重症例を診てきたからこそ、早期発見・早期治療の重要性を訴えたいという強い思いを持つ。重大な循環器疾患に至らないようにするには、どのような点に注意すべきかなど、詳しく解説してもらった。
(取材日2024年7月26日)
目次
命に関わることさえある循環器疾患。予防するには早めの検査と治療が鍵
- Q循環器疾患にはどのようなものがありますか?
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A
▲循環器疾患が進行すると心筋梗塞を引き起こすことも
例えば、よく知られている循環器疾患の一つに狭心症があります。心筋に酸素と血液を送っている冠動脈の動脈硬化が進み、「階段を登ると息切れする」といった症状が特徴的です。放置していると心筋が壊死する心筋梗塞に至るケースもあり見過ごせません。また、心臓から十分な血液を送り出せなくなる心不全も、始めは疲れやすい程度ですが、治療を怠ればだんだんと進行し、やがて入院が必要になってしまいます。そのほか、大動脈瘤、大動脈解離、下肢閉塞性動脈硬化症という足の血管が狭窄する病気など、一口に循環器疾患と言っても多種多様です。
- Q循環器疾患が疑われる初期症状はありますか?
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A
▲健康診断で数値の異常を指摘されたら早めに検査を受けよう
息切れ、胸の圧迫感、足のむくみなどの初期症状が代表的ですが、自覚してクリニックを受診する人も少なくありません。しかし、重症化を避けたいならば症状が出る前に予防していきたいところです。心疾患は心臓につながる血管に異常が生じることで引き起こされます。動脈硬化の原因となる高血圧症、脂質異常症、糖尿病などを健康診断で指摘されたら、心臓の検査も受けるようにしましょう。特に悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール値は、異常を毎年指摘されているのに「昨年も平気だったから」と問題視しない人もいます。ところが、年々累積するほど動脈硬化のリスクも高くなるので、決して放置しないようにしてください。
- Q心臓の検査をせずに治療を後回しにするリスクを教えてください。
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A
▲重篤な疾患の早期発見・早期治療をめざす
検査や治療を先送りにしていると、時には命に関わるリスクもあります。狭心症からの心筋梗塞、急性心不全などは亡くなってしまう方もいる病気です。とはいえ、何かしらの循環器疾患があったとしても、早期発見・早期治療できれば、命はもちろん、生活の質を守ることにもつながります。気になるならば、できるだけ早く心臓に関する検査体制が整っている循環器内科を受診するようにしましょう。当院では、心エコー、心電図、運動負荷心電図などを予約なしで受けられるようにしています。狭心症かどうかの診断も検査当日にお伝えできるので、忙しい方もぜひご活用ください。
- Q循環器内科を受診すべきタイミングはありますか?
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A
▲わかりやすく丁寧な説明を心がけている
検診で血圧・LDLコレステロール値・血糖値に異常があったときはもちろん、軽い息切れなども、「普段と何かが違う」という違和感があったら遠慮なく受診してほしいと思います。ご高齢の方だけではなく若い方でも動悸が心配ならば、一度相談してみるのもよいでしょう。心臓の検査をした結果、なんでもないことがわかり、それだけで動悸症状が緩和することも期待できます。一方、動悸には心房細動による不整脈など、治療が必要な病気が隠れていることもあるので注意しなければいけません。どんなに気をつけていても循環器疾患の初期症状を自覚するのは難しいので、スマホのヘルスケアアプリで見守るのも一つの方法です。
- Q循環器疾患の経過観察はどのように行いますか?
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A
▲オーダーメイドの心臓リハビリテーションを提案している
循環器疾患の種類や、どの程度の症状なのかによって経過観察のための通院頻度は異なります。例えば、胸に水がたまるほど進行している心不全の場合であれば、服薬治療を行って症状緩和を図ります。症状が安定できたら、その後は心臓リハビリテーションに週に1度通っていただきながら経過観察していきます。また、中等度までの弁膜症ならば半年ごとに心エコーをして、重症化の兆しがあればすぐに高度医療機関につなげなければいけません。いずれにせよ、症状が落ち着いたからといって放置するのではなく、再発予防のためにも経過観察を続けることはとても大事です。