高村 慎太郎 院長の独自取材記事
守谷こっこ内科・循環器内科クリニック
(守谷市/新守谷駅)
最終更新日:2024/08/07

守谷の大型ショッピングモールの中にある「守谷こっこ内科・循環器内科クリニック」。幹線道路沿いにあり大型駐車場も完備し、車でも通院しやすい。7月1日に開院したばかりの真新しい院内で、優しい笑顔で迎えてくれるのは高村慎太郎院長だ。大学病院などで循環器内科の研鑽を積んできたスペシャリストで、心疾患を強みとしながら幅広い内科診療を行っている。発熱症状に特化した外来にも力を入れていて、日曜や祝日にも診療を行っている。そんな高村院長に、日々の診療で大切にしていることや、これから積極的に取り組んでいきたいという「心臓リハビリテーション」について、詳しく話を聞いた。
(取材日2024年7月26日)
心疾患を専門としながら発熱など幅広い内科症状に対応
まず、これまでのご経歴からお聞かせいただけますか?

初期研修先の水戸済生会総合病院でカテーテル手術を見て「これがやりたい」と循環器内科を志すようになりました。行った治療の結果が、患者さんの様子を通してダイレクトにわかるところがとても印象的でしたね。2015年からは帝京大学医学部附属病院で一般的な循環器内科の経験を積みながら博士号も取得。外来では心筋梗塞や狭心症を中心に幅広く診療にあたり、病棟では重症患者の管理も経験しました。心肺停止状態になり救急で運び込まれた患者さんへ人工心肺を導入しながらのカテーテル手術を行ったり、大動脈弁狭窄症へのカテーテル治療やペースメーカーの植え込みを行ったり、先端医療の経験をしっかりと積んできたのは私の強みです。ぜひ、守谷の方々に還元できればと思っています。
なぜ、守谷に開業しようと思ったのでしょうか。
私は茨城生まれで、高校を卒業するまでは笠間市に住んでいました。いずれは茨城で開業したいと考えていましたが、おおたかの森病院に勤務する機会を得て、隣町の守谷に注目するようになったんです。守谷は茨城の中でも人口が多く、これからますます発展していくに違いないと感じています。自分と同世代の子育てファミリーが多い点も魅力的でした。また、新型コロナウイルスの感染拡大にも背中を後押しされたように思います。発熱症状の受診やワクチン接種で3、4時間も待ったのに診てもらえなかった……といった声を聞く度に「私だったらこうする」と、診療を効率化する方法を考えるようになったんです。自分の目が届くクリニックというフレームの中で、患者さんにとって利便性が高いシステムを構築してみたいと、開業に至りました。
こちらのクリニックの特色を教えてください。

当院は循環器内科を強みとしながら内科全般に幅広く対応するクリニックです。例えば、発熱症状があっても予約なしで当日の受診も可能なので、お困りのときは遠慮なく来てください。もちろん、一般外来の患者さんと接触しないよう感染症対策もしっかりと行っています。お車でお越しの方は原則、車内待機としていますが、郊外型ショッピングモールの一角にあるクリニックなので大型駐車場もすぐ目の前です。一般外来でも、待合室ではなく買い物をしながらでも順番を待てるシステムを採用しました。また、CT、心電図、心臓エコー、血液検査など、予約不要で当日すぐに結果が出る各種検査を充実させることにもこだわっています。子育てや仕事で忙しい方も多いですからね。今のところ、学校の検診で心電図に異常があったお子さんの相談などが多いです。そして、何よりも力を入れていきたいと考えているのが心臓リハビリです。
わかりやすく丁寧な説明で患者に心から寄り添う
心臓リハビリとはどのようなものなのでしょうか。

「心臓が悪いといわれたが、どれくらい運動していいか不安」「ジムは敷居が高い」といった方々へ運動や生活指導を行い、社会復帰や再発予防をサポートするためのリハビリです。守谷市で実施しているクリニックはまだ少ないです。具体的には90分の枠を設定し、まず問診で体調を聞き取り血圧などを測り、問題がなければリハビリルームへ移動していただきます。リハビリルームには有酸素運動ができるマシンを設置し、心臓を専門とする理学療法士が2人常駐。看護師、医師とともにチーム体制で患者さん一人ひとりに応じてたプログラムを実施します。初回は心肺運動負荷テストという体力テストのようなものを行い、足腰が悪い方なども無理なく取り組めるオーダーメイドのプランをご提案しますのでご安心ください。
どのような人が心臓リハビリの対象になりますか?
これまで心臓の病気を経験したことのない方でも、心臓エコー検査や心肺運動負荷テストの結果、適用となるケースも少なくありません。「隠れ心不全」と呼ばれる自覚症状のない心不全予備軍の方も増えています。突然の心不全を予防するためにも、特にご高齢の方などは一度体験してほしいですね。もちろん、狭心症、心筋梗塞、心不全などの心疾患を経験したことがある方、冠動脈バイパス手術、心臓弁膜症の開心術、大動脈解離で人工血管置換術などを受けたことがある方も対象となります。一般的に術後の経過観察は3ヵ月に1度のペースで行いますが、それでは問題を見逃してしまう可能性もゼロではありません。心臓リハビリで週に1回程度通っていただきながら、足のむくみなどのわずかな変化もキャッチして、入院が必要な大事に至らないよう予防していきたいと思っています。
診療にあたって大事にしていることは何ですか?

わかりやすく丁寧に説明することです。例えば、検査一つとっても何も言わずにいきなり行うことはありません。なぜ、その検査が必要なのか、検査結果はどうだったのか、どのような治療法の選択肢があるのか、きちんとお話しするようにしています。「今、処方されている薬がどんなものなのか知りたい」という方や、これまで「こんな些細なことは先生に聞けない」と気兼ねしていた方なども、いらっしゃっています。私はご高齢の方にとっては孫世代に近い若輩者ではありますが、それだけ気軽に通っていただけるのではないでしょうか。また、子育て世代の方々とは当事者として分かち合える悩みも多いと思います。あらゆる世代のお困り事にしっかりと応えていきますので、気軽になんでもご相談ください。
心臓リハビリを中心とした地域密着型サービスに向けて
今後の展望についてお聞かせください。

心臓リハビリの参加者が増えたら、6人程度のグループで交流する機会をつくりたいと考えています。メンバー同士で1週間の生活を振り返り、共感したり発見したりする場にできたらと思っています。ご高齢の方はフレイル予防のためにも運動は欠かせませんが、特に心疾患を抱えている方などは医療者の目があったほうが安心です。このエリアでも一人暮らしのお年寄りが増えていますから、地域密着型のサービスとして定着させたいですね。一方、若い世代も利用しやすいよう工夫を重ねていきたいと思っています。例えば、ホームページから私のコミュニケーションアプリのアカウントにアクセスできるようにしているのもその一例です。今後も新しいデジタルツールなども取り入れていきたいですね。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
当院は年中無休で診察していますので、休めるのは月に2日といった状況ですが、できるだけ子どもと一緒に過ごすようにしています。実は、クリニック名も開業準備中に生まれた娘のニックネームが由来なのですが、これからもともに大きく成長していってほしいという願いも込めました。実は、4児を子育て中の弟もこの近くに住んでいて、急に子どもが熱を出して「どこにも診てもらえない」と困った経験を度々していたんです。自分も子育てするようになってその大変さを実感したからこそ、日曜も祝日もクリニックを開けることにしました。日曜は小児科を専門にしている先生もいますので、ご活用ください。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

心疾患はもちろん、急な発熱でお困りのときなども遠慮なくお立ち寄りください。より専門的な治療が必要と判断される場合は、おおたかの森病院や総合守谷第一病院などに迅速につなげることも得意です。患者さんの役に立てるよう最大限できることをしていきたいと思っています。そのために、常に最新のガイドラインをチェックし、新薬に関する勉強も日々怠りません。「30代の先生では心配」という方もいるかもしれませんが、最近まで数多くの難症例を扱う先進医療の現場にいたのは強みだと自負しています。人生100年時代、地域の皆さんの生涯にわたる元気で健康な生活を支えていくことが何よりの願いです。