森本 真史 院長の独自取材記事
尼崎塚口もりもと循環器内科・内科
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2026/02/17
「尼崎塚口もりもと循環器内科・内科」で院長を務める森本真史(しんじ)先生は、大学病院や総合病院で約30年にわたり循環器診療に携わってきた。重症患者を多く診てきた経験から、病気が進行する前段階での関わりの重要性を感じ、地域のかかりつけ医として開院した。診療では患者の不安に丁寧に向き合い、必要な検査を適切なタイミングで行いながら、安心して日常を送れるよう支援している。また、生活習慣病の管理や心臓リハビリテーションにも注力し、通院負担軽減のため送迎や往診を取り入れ、無理なく通い続けられる診療体制を整えている。森本院長が考える診療の在り方や同院ならではの取り組みについて、詳しく聞いた。
(取材日2025年12月29日)
「安心して帰っていただくこと」を大切にした診療
開院の経緯を教えてください。

大学病院をはじめ、複数の病院で循環器診療に携わり、直近では近畿中央病院で約14年間勤務していました。その病院が市立伊丹病院との合併を迎えることになり、自身の進路について考える時期が訪れました。病棟勤務を続けるのか、病棟以外の選択肢を含めて新たな道を選ぶのか、さまざまな可能性を検討していた中で、本院の循環器内科が分院として当院を開設する構想を知りました。入院医療では、すでに状態が悪化した患者さんを診ることが多い一方、本院では重症化する前の段階で関わり、疾患を予防することや悪化を防ぐことに力を入れている点に惹かれました。そうした考え方への共感と病院の環境が変わるタイミングが重なり、この地域のかかりつけ医として開院することを決めました。
ご自身の経歴についてもお聞かせください。
医師を志した背景に、循環器内科医として病院勤務をしていた父の存在があります。夜中に呼び出される姿を見て育ち、当時は漠然と「偉い人」という認識でしたが、大人になるにつれ尊敬の気持ちが強くなり、自分も同じ道を歩むのかなと考えるようになりました。学生時代は知識を学ぶことが中心でしたが、実際に医師となり、学んだ知識や技術を臨床の現場で実践する中で、この仕事の面白さややりがいを感じるようになりました。大学病院で長く勤務し、途中、和歌山への出向も経験しました。一人の医師として判断し患者さんと向き合った経験は、その後の診療の礎になっています。その後、近畿中央病院で約14年間勤務し、循環器診療を通じて多くの経験を積みました。心臓リハビリにも関わり、退院後の生活を支える医療の重要性を実感したことが、現在の診療につながっています。
診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんに安心して帰っていただくことです。患者さんは、何かしらの不安や心配を抱えていることが多いです。まずはお話をしっかりと伺い、何に不安を感じているのかを知ることを重視しています。その上で、安心につながるためにはどのような検査や対応が必要か考え、患者さんと共有するようにしています。例えば、「胸が痛い」と訴えられた場合、なるべくその場で検査を行い、結果を踏まえて現在の状態を説明しています。検査を通じて不安が解消され、診察そのものが患者さんの安心につながるのではないかと考えています。こうした考え方は、開業してから得られたことの一つです。紹介を受ける立場から、地域で最初に診る立場になったことで、患者さんの不安に寄り添うことができるようになり、開業医としてのやりがいを感じています。
心臓リハビリを含めた循環器診療と通いやすい体制
力を入れている治療について教えてください。

循環器の病気を未然に防ぐための診療です。その中心になるのが、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の管理です。これらは日々の生活と深く関わるため、できるだけ身近な存在として継続的に診ていきたいと考えています。心筋梗塞などで入院された方については、退院後の再発予防を意識しながら経過を見守り、その一環として心臓リハビリも取り入れています。また、睡眠時無呼吸症候群など、循環器疾患の背景となる要因にも目を向け、必要な検査や生活指導を行っています。最初から薬に頼るのではなく、食事や運動による治療が軌道に乗れば薬を減らすことも一つの目標です。そのため、薬の副作用や付き合い方について理解を深めていただけるよう、院内で患者さん向けのセミナーも定期開催しています。
心臓リハビリや訪問診療、送迎体制など、御院ならではの特徴について教えてください。
患者さんのお話を伺っていると、「通院がつらくなった」という声を聞くことが少なくありません。立地や交通手段、駐車場の問題など、医療以外の理由で受診を諦めざるを得ない状況を何とかしたいと考え、送迎車の運用を始めました。小型の送迎車で、午後を中心に対応しています。それでも来院が難しい場合、限定的ではありますが往診も行っています。また、当院のもう一つの特徴が心臓リハビリです。勤務医時代に立ち上げに関わり、実際に取り組む中で、継続するほど心肺機能の改善が見込めると思いました。お薬だけでなく、運動を含めた取り組みが大切だと感じ、開院後も導入しています。送迎と組み合わせることで、無理なく続けられる方も多く、今では他院から紹介をいただくこともあり、患者さん同士が励まし合いながら取り組める環境が整いつつあります。
先生が強みとする治療や検査を教えてください。

勤務医時代は、カテーテル検査などの専門的な治療にも携わりましたが、現在は設備の関係もあり、特定の治療に特化するというより、循環器領域を全般的に診られることが強みだと考えています。全体像を把握した上で、早期に対応が必要な所見を見逃さないようにすることを大切にしています。心臓超音波検査や頸動脈エコーについても、可能な限り診察当日に実施し、後日に予約を取っていただく必要がないよう心がけていますね。重大な所見を見落とさないためにも、循環器疾患全般を幅広く診る姿勢を大切にしています。また、長年取り組んできた心臓リハビリも得意分野の一つです。
循環器診療を支える設備とチーム体制
こだわりの設備について教えてください。

心臓エコーは、比較的新しい機器を導入しており、心臓の動きや状態をより丁寧に確認できるようにしています。また、心臓リハビリでは、運動中の心電図や血圧を確認する機器を用いて進めています。タブレット端末と連動する機器を用いることで、運動の強度やペースを状況に応じて調整しやすく、患者さんの状態を見ながら無理のない範囲で継続できる体制を整えています。他にも外来診療では、スタッフ間の情報共有を円滑にするため、イヤホンつきマイクを活用しています。離れた場所にいてもリアルタイムで連携が取れるため、診療や検査の流れが滞りにくく、結果として待ち時間の軽減にもつながっていると感じています。
患者さんと向き合う際に心がけていることはありますか?
心がけているのは、患者さんに威圧感を与えないことです。しっかりお話を聞くことを大切にしています。一方的に説明するのではなく、患者さんの言葉に共感しながら対話し、しっかりと結果を説明するよう意識していますね。ただ、丁寧さを大切にする一方で、診察が長引きすぎないようにすることも重要です。その点はスタッフがよく理解してくれていて、検査前後の動きや指示にもすばやく対応してくれます。医師1人ではなく、スタッフ全員で患者さんを支えている感覚です。看護師だけでなく、医療事務のスタッフも患者さんの誘導や声かけを行い、自然と連携が取れています。忙しくても笑顔で接する雰囲気があり、そうしたチームの姿勢が患者さんにとって安心感につながっていればうれしいです。
最後に、今後の目標をお聞かせください。

これまで大切にしてきた診療の姿勢を、このまま継続していくことです。ありがたいことに、少しずつ当院の考え方が患者さんに伝わり、通ってくださる方も増えてきました。だからこそ、信頼関係を大切にしながら、無理なく、失速することなく続けていきたいと思っています。診療においては、今後もできるだけ患者さんの不安を取り除けるよう努めていきたいです。そのためには、スタッフとより一層連携し、診療体制や院内の動線なども工夫しながら、スムーズに受診していただける環境を整えていく必要があります。待ち時間が長くならないよう、患者さんが増えた場合でも対応できる方法を常に考え続けたいです。これからも、来院された方に少しでも安心して、笑顔で帰っていただけるようなクリニックでありたいと思っています。

