佐々木 雄一 院長の独自取材記事
ささきクリニック
(鹿児島市/騎射場駅)
最終更新日:2024/09/13

鹿児島市電1系統「騎射場」で下車、徒歩3分の場所にある「ささきクリニック」。明るく清潔感のある院内には、幅広い世代の患者が通いやすく居心地の良い雰囲気が漂っている。優しい口調が印象的な院長の佐々木雄一先生は、循環器内科医として大学病院や急性期病院で研鑽を積んできたその道のスペシャリストだ。一般内科や循環器内科はもちろん、緩和ケアに携わっていた経験もあることから、患者の慢性的なつらい痛みのコントロールも行っているという。「地域の皆さんにとっての一番のかかりつけ医でありたいです」と話してくれた佐々木院長に、同クリニックの特色や診療方針、予防医療の重要性などについて幅広く聞いた。
(取材日2024年8月22日)
急性期病院や緩和ケアで培った経験を生かした診療
このエリアに開業したきっかけから伺えますでしょうか。

もともと医療法人さつき会の別のクリニックがこの近くにあったことと、私自身が働きだしてからこのエリアに長く住んでおり、愛着のある場所だったことが選んだきっかけです。近隣は長年この土地に住んでらっしゃる方や学生さんなど、さまざまな方が入り混じって暮らしているので、とても活気があります。慣れ親しんだエリアで診断から治療後のフォローまで一貫して行い、患者さんが安心して通院できるクリニックを作りたいという思いで開業しました。
開業前はどういった医療機関で研鑽を積まれてきたのでしょうか。
鹿児島大学医学部を卒業した後は、内科医、循環器内科医として鹿児島大学病院や鹿児島市の急性期病院で研鑽を積んでまいりました。その後、大学に戻ってからは研究に注力し、直近の4年は大学病院の緩和ケアを担う医師として、がんや心不全の患者さんを診てきました。これまでの経験を生かし、循環器専門の医師として、高血圧症や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の予防や治療、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、閉塞性動脈硬化症などの心血管疾患など、幅広く診ていけたらと思っています。また、発熱、痛風、骨粗しょう症などの内科領域や緩和ケア領域に関するあらゆる相談にも応じていますので、気になる症状がある方はぜひご相談ください。
開業の際に、院内の内装や設備面でこだわったところはありますか。

心電図、レントゲン、心エコー検査、血管エコー検査、ABI、ホルター心電図など、大きな病院の循環器の外来でできる検査を当クリニックでも受けていただけるようにしたのがこだわったポイントでしょうか。手の指や鼻にセンサーを装着し、睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べることができる簡易睡眠時無呼吸検査や、骨粗しょう症を診断するために行う骨密度検査、息切れがする、呼吸が苦しいといった症状や肺疾患、特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)の早期発見に重要な肺機能検査にも対応しています。とりわけ骨粗しょう症については、動脈硬化の原因にもなりますので早期発見に努めています。これまでに通っていたクリニックでなかなか検査ができなかったという方は、ぜひ一度当クリニックで検査を受けていただけたらと思っています。
生活習慣病に着目し、予防や早期発見・治療に努める
クリニックにはどういった患者さんが多くいらっしゃいますか。

風邪をひいた、熱が出たというような感冒症状から、健康診断で数値が引っかかってしまったと二次健診に来る方も多いですね。年齢層としては大学生くらいの若い方から近くに県庁があることもあって働き盛りの方や高齢の方など幅広くいらしていただいていると思います。私自身が急性期病院にいたことや周りに循環器内科のクリニックが少ないこともあり、今後の健康管理をお願いしたいといってお越しいただく方もいます。風邪、発熱、インフルエンザ、急性胃腸炎などの急性の症状はもちろんですが、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、痛風、花粉症のような慢性疾患もしっかりと診察させていただいております。
クリニックのコンセプトとして掲げていることはありますか。
「地域の皆さんにとっての一番のかかりつけ医」であることをコンセプトに掲げています。不安な症状があってもどこに相談していいかわからないという方も意外と多くいらっしゃいます。動悸がする、胸が痛いといった症状が出た際、何科に相談していいかわからないというような場合、当クリニックでなら速やかな検査や、診断が可能です。一般内科から循環器内科まで患者さんにとって身近な場所で診ることができ、診断の結果、高度な治療や手術が必要となった場合には専門の医療機関にご紹介することも可能です。開業してそう時間もたっていないため、大きな病気が見つかるような方はまだいらっしゃらないかもしれませんが、専門医療が必要じゃないか常に確認するようにしています。
予防医療の重要性について教えてください。

特に生活習慣病などのような慢性疾患に関しては、予防および早期発見、早期治療が非常に重要です。循環器は生活習慣病と密接に関わっています。糖尿病、高血圧症、脂質異常症などは、自覚症状が出るまでに時間がかかることも多いです。健康診断などで異常が指摘された場合は決して放置せず、一緒に改善していきましょう。放置してしまうと知らない間に動脈硬化が進んでしまったり、数年後に後遺症が残りやすい心筋梗塞や脳梗塞に発展したりするケースもあります。慢性疾患について、薬を長く飲むことを懸念する方が多いですが、生活習慣の指導もさせていただくため、食事や運動で数値の改善がめざせることもあります。漫然と薬を飲んでいただくだけではなく、お薬以外の部分についてもきちんとコントロールを図り、適宜コミュニケーションを取りながら患者さん一人ひとりに合った提案をさせていただいております。
地域の患者に安心・信頼されるクリニックをめざす
先生が診療する上で大事にしていることはありますか。

とにかく患者さんの話をよく聞く、ということを大事にしています。よく言われる「病気だけではなくて人を診る」ということをモットーとし、初診は時間も長めに取っています。例えば、なかなか眠れない、ふとした時に気分が落ち込むといった相談についても話をしっかりと聞くことで糸口が見えてきたりすることもあります。加えて診察の最後には必ず、「他に困っていることはないですか」と伺うようにしています。帰り道で「あれも聞きたかったのに聞けなかった」ということがないよう、確認します。自分からは言い出せなくてもこちらが引き出すとお話ししてくださる方も多いでしょう。どういうタイプの方なのかは診察室に入ってきた時からしっかりと見るようにしていますよ。
クリニックの今後の展望について伺えますでしょうか。
これからも地域に根差したかかりつけクリニックとして、皆さんに相談しやすいと思っていただけるような医師でありたいと思っています。一人ひとりとしっかり向き合って、患者さんを長く最後まで診ていくという気持ちは変わりません。今後は地域に高齢の方がさらに増えていくと思いますので、引き続き訪問診療もしっかりと続けていきたいですね。今現在、ご要望があれば昼休みを利用して近隣エリアの方のご自宅に訪問しています。細かい検査が必要な方についてはやむを得ずご家族の方などの協力を得て、クリニックに連れてきていただくこともあるかと思いますが、なるべくご自宅での問診でお薬の調整ができるよう努めています。その点は緩和ケアに携わっていた時代に培った経験が生きていると実感しています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

こんな症状で相談してもいいのかと悩んでしまう方や、どこに相談していいかわからずにいるという方は、まずはお気軽に当クリニックまでご連絡いただければと思います。些細な症状でも幅広く相談できる、皆さんの駆け込み寺のようなクリニックでありたいと思っています。大きな病院にも引けを取らないような検査設備を整えていることも強みです。些細な症状から大きな病気が見つかることも少なくありません。これからの時代、予防医療がさらに重要視されます。予防から急性期の治療、慢性期の痛みのコントロールまで一貫して診られるクリニックとして、これからも皆さんを支えていくことに努めてまいります。循環器内科は心臓や血管を専門にしていますので、ドキドキする、息切れする、胸が痛いといったような胸の症状に異変を感じた際はぜひご相談ください。