クリニックで受けられる
睡眠時無呼吸症候群の検査と治療
まつなか歯科クリニック
(北九州市八幡西区/黒崎駅)
最終更新日:2024/10/11


- 保険診療
就寝中、呼吸が止まって睡眠が浅くなる、あるいは覚醒を繰り返してしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS)。夜中によく目が覚める、日中に眠くなる、という人は睡眠時無呼吸症候群になっているかもしれない。そのまま放置してしまうと、さまざまな病気のリスクが高まり、日常生活へ悪影響を及ぼすことも。基本的に、睡眠時無呼吸症候群は医科で治療を受けるが、医科歯科連携によって歯科医院で受けられる治療に取り組んでいるのが「まつなか歯科クリニック」の松中健院長だ。歯科医院で受ける睡眠時無呼吸症候群の治療とはどのようなものなのか、そして、どのようなメリットがあるのか、松中院長に話を聞いた。
(取材日2024年9月25日)
目次
医科歯科連携のもと、歯科医院で受けられる睡眠時無呼吸症候群のマウスピースを使用した治療とは
- Q睡眠時無呼吸症候群について教えてください。
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A
▲睡眠時無呼吸症候群の治療ができる歯科医院は少ないと語る院長
睡眠時無呼吸症候群は、寝ているときに呼吸が止まって睡眠が浅くなり、覚醒を繰り返してしまう状態のことをいいます。人はレム睡眠のときにその日覚えたことを定着させるのですが、深い睡眠までいかず途中で覚醒してしまう状態を繰り返してしまうと、記憶させることが難しくなってしまったり、夢をあまり見なくなったりすることも。高血圧や糖尿病など他の病態との因果関係もあるといわれており、日常生活に大きな影響を及ぼす病気です。男性では体格のいい人や50代以上が体重の増加などでかかりやすく、女性でも年齢が上がってくると、ホルモンバランスの影響でかかりやすいといわれています。
- Q放置してしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか?
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A
▲歯科での睡眠時無呼吸症候群の治療を推進していきたいという
睡眠中、呼吸が止まることによって肺に酸素が取り込めず、脳が酸欠状態に陥ります。 すると自律神経が休まらず、疲労回復ができなくなってしまいます。日常生活においては、睡眠が不足すると眠気や倦怠感で仕事に集中できなかったり、運転時の事故を招いたりするなど、自分自身のみならず、周りの人たちにも大きな損害を与えかねません。 また睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などのさまざまな循環器病や糖尿病を合併するリスクが高まり、最悪の場合突然死を引き起こすことも。この病気は自分では気づきにくい病気ですから、周りの人にいびきや無呼吸を指摘されたら早めにクリニックに相談されることをお勧めします。
- Q睡眠時無呼吸症候群は歯科でも治療ができるのですね。
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A
▲歯科治療時に、気道が確保できているかどうかをチェックできる
内科や耳鼻咽喉科ではCPAP療法で治療を行っていますが、歯科でもマウスピースを活用した治療が可能です。当院でも、医科で確定診断を受けた患者さんに対して保険診療でのマウスピース治療を行っています。マウスピースで、下顎を上顎よりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生防止を図る治療方法です。この方法は鼻にマスクをして空気を送るCPAP療法に比べて体への負担が少ないため、軽度から中度の睡眠時無呼吸症候群の治療に広く用いられています。また、CPAP療法とマウスピースを併用して治療することも改善に有用だといわれています。
- Q睡眠時無呼吸症候群の簡易検査にも対応されているとか。
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A
▲簡易スクリーニング検査に対応している
睡眠時無呼吸症候群の可能性がないかどうか探る上で簡易的なスクリーニング検査に対応しています。スクリーニング検査は、指輪状のリングをつけて1日寝て、呼吸状態をモニタリングするものです。実際に受けてみると、自分はどれぐらいの時間寝ているのか、どのくらいの睡眠の深さなのかがわかります。診療中、いびきをかいている人にはこちらからアプローチしますが、そうでなくても興味のある人は受けてみてください。自分の睡眠のレベルを知るという意味でもお勧めです。