骨折を予防し人生100年時代を豊かに生きる
そのための方法とは
ゆま整形外科リハビリクリニック
(西宮市/西宮駅)
最終更新日:2024/07/12


- 保険診療
寝たきりや要介護の原因につながることもある骨折。超高齢社会の日本では、その数は増え続けているそうだ。主な原因は脆弱性骨折によるもので、ちょっとした転倒で手をついたり、尻もちをついたりするだけで骨折するだけでなく、痛みを伴わないこともあるため、患者本人も骨折したことに気づかないこともあるという。西宮市にある「ゆま整形外科リハビリクリニック」はそういった骨折予防に力を入れている整形外科クリニックの一つ。脆弱性骨折の原因となる骨粗しょう症予防に力を入れ、DXAによる精密な骨密度検査で、その人に合った骨粗しょう症の治療を行うことはもちろん、そもそも骨折しないための予防についてさまざまな面からアプローチしている。今回は高田佑真院長に同院で行う骨折予防の取り組みについて詳しく聞いた。
(取材日2024年6月26日)
目次
骨折を予防し、高齢になっても変わらない生活をめざす。そのためのアプローチ方法について
- Qなぜ骨折予防に力を入れていらっしゃるのですか?
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A
▲「今のうちからできることを意識して始めてほしい」と話す院長
高齢者が骨折すれば、骨折部位によっては、救急搬送から緊急手術、入院、リハビリテーションまで、およそ3ヵ月もの治療が必要になる場合があります。突然の骨折によって生活が大きく変わってしまうこともあり、術後の状態によっては元の生活に戻ることが難しくなるケースも少なくありません。特に近年は高齢で一人暮らしをされている方も大勢いらっしゃいます。うまく歩けない、食事が作れないといった状態になれば、これまで暮らしてきたコミュニティーを離れ、老人ホームなどへの転居を余儀なくされることもあるでしょう。そこで当院では「いつもどおりの生活を、いつもどおり過ごす」ため、さまざまな方法で骨折予防に注力しているのです。
- Qどういったことが原因で骨折するのでしょうか?
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A
▲DXAによる精密な骨密度検査を採用している
多くの高齢者の骨折の背景には、加齢によって骨強度が低下する骨粗しょう症があります。ですが、骨粗しょう症だから骨が折れるわけではなく、そもそもの骨折のきっかけは転倒によることがほとんどです。骨粗しょう症を内服や注射で治療していくことはもちろん重要ですが、根本的な原因である転倒を防ぐこともまた大切です。転倒の原因には、脚力の低下だけでなく、バランス感覚の低下、視力の低下、内科的な疾患のケアが十分にできていないなど、意外なところに原因が隠れていることもあります。さまざまな要因ときっかけが重なってしまうことで転倒し、骨折を招いてしまう可能性があることをまずは知り、多様な側面から対策することが重要です。
- Q骨折を予防するために必要なこととはなんでしょうか?
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A
▲骨折しないための予防についてもアプローチしている
転倒しない体づくりのほか、歩行状態が悪い時には無理をせずに、つえなどの歩行補助具を使うことが挙げられます。見た目を気にして使わない人もいますが、リハビリをしっかりして足腰の状態が回復したら使用をやめればいいでしょう。また夜中のトイレで転倒するのはよくあること。廊下に手すりや人感センサーつきライトを設置する、家の中を片づいた状態にする、不眠症や排尿障害に適切に対処することも重要です。ほかに、高血圧のコントロールがうまくいってなかったり、視力の低下でふらつきやすくなることも。栄養不足やホルモンバランスの変化によって、骨が萎縮することもありますので、体の中からも外からもケアすることが重要です。
- Qこちらで行っている診療の特徴について教えてください。
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A
▲体全体に目を向けた治療や予防に力を入れている
当院ではリハビリに注力しています。加齢に伴う運動機能の回復・低下予防をめざしたリハビリはもちろん、足裏の感覚が悪くてうまくバランスが取れない方には、感覚を取り戻すことをめざすリハビリや、正しい歩き方や体重のかけ方、日常動作が楽になる生活上のアドバイスも積極的に行っています。また当クリニックは医療モール内にありますので、同じモール内の内科や眼科、脳神経外科、皮膚科などと連携し、骨・筋肉などのいわゆる運動器だけではなく、体全体に目を向けた治療や予防に力を入れています。病診連携だけでなく、診診連携で地域の患者さんを包括的にサポートし、地域の患者さんの健康寿命の延伸につながればと考えています。
- Q日々の生活で気をつけてほしいことやアドバイスはありますか?
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A
▲一人ひとりに寄り添った治療を心がけている
私たちは毎日立ったり、座ったり、食事したりと、何かしら運動をしています。生活のほとんどが運動といえるほど。それだけに、ちょっと膝や腰が痛いだけでも、大きく不便を感じるのではないでしょうか。痛くなったら無理せず、早めに整形外科クリニックを受診してほしいですね。早めに受診することで早期回復が期待できますし、骨粗しょう症予防など骨折対策についても適切なタイミングで治療介入やアドバイスができます。逆にタイミングを逃せば、治りが遅くなるばかりでなく、他の疾患が進行していて治療できなかったり、手術する体力がなくなってしまったり、といったことも。気軽に相談できる、地域のかかりつけ医を持つことも大切でしょう。