高田 佑真 院長の独自取材記事
ゆま整形外科リハビリクリニック
(西宮市/西宮駅)
最終更新日:2024/07/12
2024年6月に開業した「ゆま整形外科リハビリクリニック」。阪神本線西宮駅から北へ徒歩約7分にある同院は、JR神戸線のさくら夙川駅や西宮駅からも歩いて12分ほど。1階には大型スーパーが入り、地域住民にとって生活エリアの中心といえるアクセスの良い場所にある。院長を務めるのは、県立西宮病院などの病院で幅広く整形外科診療について研鑽を積んだ高田佑真先生。「人生100年時代をアクティブに生きるお手伝いをする」をコンセプトに、リハビリテーションによる機能回復や維持をめざし、体全体にまで目を向けた総合的な診療で患者を支えることに努める。「患者さんにとって身近な存在となって、地域の健康寿命延伸に寄与していきたい」と話す高田院長に同院のこだわりや診療時の心がけなど、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2024年6月26日)
人生100年時代を見据えた治療を提案
ご開業おめでとうございます。広々とした院内ですね。
ありがとうございます。当院のコンセプトは「人生100年時代をアクティブに生きる」です。患者さんの人生に寄り添いサポートを行うためには、通院のしやすさは重要です。当院は複数路線からアクセスが良く、お買い物や他院への通院のついでに、気軽に立ち寄っていただけます。車いすやつえが必要な方も安心してお越しいただけるよう、リハビリ室をはじめ、クリニックの広さはこだわったポイントの一つです。けん引器やエアロバイク、電気治療器といったリハビリ機器のほか、大型のミラーを設置し、アクティブな方の運動指導やスポーツの動作確認などもしっかりとできる広さを確保しています。
ご開業の経緯や、今までのご経験を教えてください。
最初は形成外科の医師をしていました。初期研修の後、形成外科か整形外科かのどちらに進むか迷い、京都大学医学部附属病院の形成外科に進みました。ですが、「よりダイナミックな治療もしてみたい」という思いが強くなり、神戸大学医学部整形外科に入局しました。形成外科と整形外科の両方の診療経験は、機能面だけではなく整容面にも気をつけて治療を行うこと、また骨から皮膚まで、総合的に治療するという当院の治療方針に生かされています。大学病院以外にも、各地の基幹病院で整形外科診療の各分野について幅広く学びました。ただ「手術が必要となる前に、前もって手を打つことができるのではないか」という思いが強くなり、そのことを患者さんたちと共有し、地域貢献したいという思いから開業するに至りました。
そこから「人生100年時代をアクティブに生きるお手伝いをする」というコンセプトが生まれたのですね。
そうなんです。肩や腰が痛くなる原因にはケガや事故、スポーツ障害など多様にありますが、大半の方は生活の中で痛みが大きくなってくることが多く、その主な原因は加齢によるものです。手術という方法もありますが、検査・入院・リハビリと、ご高齢の方なら2~3ヵ月ほど不便な生活を強いられることになり、必ずしも元どおりの生活に戻れるというわけでもありません。また日本は超高齢社会で、平均寿命は男女ともに高いものの、健康寿命との差はおよそ10年あるといわれています。その差をできるだけ縮めて健康寿命を延ばし、健やかに長生きすることは誰しもの願いだと思います。当院では「いつもどおりの生活をいつもどおり過ごす」ことを目標に、どんな方でもすぐに始められる体づくりのお手伝いも行っています。
取り入れやすいアドバイスで、運動機能維持に努める
「いつもどおりの生活をいつもどおり過ごす」ために、どのような診療をされているのでしょうか?
お薬を出して痛みへの処方はもちろん、診療では再発防止のアドバイスをしています。例えば腰が痛くて動けない人には、座ったままできる体幹トレーニングを指導します。また忙しい働き世代の場合、「1駅手前で降りることが難しいなら、1ブロック遠回りして歩きましょう」と、日常生活の中で取り入れやすい運動や習慣を提案します。「それならできるかな」「やってみようかな」と思えるきっかけづくりがまずは大事ですね。また近年注目される骨粗しょう症による骨折も、直接の原因は家庭内の転倒によることがほとんどです。ご家庭の様子をしっかりお伺いし、「トイレと廊下に手すりがあったら安心ですね」とか、「階段に滑り止めをつけられますか」とか、一歩踏み込んだご提案もしていきます。
診察時に心がけていることは?
患者さんの生活背景を知ることでケガや病気の予防につなげられるも多いので、時間の許す範囲でしっかりとコミュニケーションをとるよう努めています。実感することはできませんが、私たちは毎日老化しています。その分、意識して毎日のように体を動かすことが大切です。「運動が大切なことは知っているけど、自分が何の病気で、なぜこの治療しているのかわからない」という患者さんは結構多いです。確かに、腰が悪いのに足首の運動をするなど、一見わかりにくいケースもあります。その場合、例えば「筋肉はつながっていて、足首の硬さが腰痛に影響しているんですよ」と模型を使って説明したり、検査したエックス線写真やMRIの画像を見ながら、骨や神経、筋肉の状態など患者さんの“今の体”を知ってもらい、わかりやすい説明ができるよう心を配っています。
「運動器の機能をいかに低下させないか」が重要なのですね。
そのとおりです。筋肉や骨、関節などを動かさないでいると、血の巡りが悪くなります。また筋肉や腱だけでなく、関節そのものが硬くなり、それが続くと運動機能が低下し、転倒しやすくなります。転倒して骨折すると、運動機能がさらに低下するという悪循環を引き起こします。また運動機能が低下すると、認知機能や内臓機能にも大きな影響を及ぼすといわれています。さらには外出する機会が減ったり、他者との関わりが減ったりして、社会性が落ちてしまう方もいらっしゃいます。地域の方には、いつまでも生き生きとした生活を送ってほしいですからね。ぜひ運動して機能維持に努めることで、心身ともに健康でいていただきたいですね。
リハビリに注力し、地域の健康寿命延伸をめざす
そのためには、リハビリも重要になってきますね。
はい。自分で運動できる方はいいのですが、慢性的な腰痛の人や骨粗しょう症の方などは、「痛みがあるのに運動していいのか」「どのように運動をしたらいいのかわからない」と悩む人もいるでしょう。そんな時に、頼りになるのがリハビリ療法です。運動機能の回復をめざすことはもちろん、加齢に伴う運動機能低下の予防も考慮して、理学療法士とともに個々に合わせたメニューを提案しています。1回20分ほどのリハビリであっても、20分前とちょっと違うなと実感していただけるようなものが提供できればいいですね。それがやる気となって、これまで運動を継続できなかった人も続けられればいいなと思っています。またご自宅でのエクササイズメニューの提案もしており、しっかりと実践していただければさらに効果が期待できます。
こちらのクリニックのスタッフさんについても教えてください。
当院には、男性・女性の理学療法士のほか、看護師や受付スタッフなどがいます。みんな明るく、患者さん思いの人が多いですね。介助が必要な患者さんが来たらさっと手伝ったり、患者さん一人ひとり積極的に声をかけたりと、自分で考えて行動できる人ばかりです。スタッフ間のコミュニケーションもしっかりと取れていて、「あの患者さんはこんなことに困っているみたい」「最近調子が良いそう」といった受付で聞いた情報も、私や理学療法士に伝えてくれます。院内はしっかり情報共有できていますので、お困りのことがあれば、気軽に話してもらえたらと思います。
読者の方へメッセージをお願いします。
変形性関節症、関節リウマチ、良性・悪性の腫瘍、頸椎症、腰痛症、椎間板ヘルニア・骨粗しょう症、スポーツ障害など、これまで幅広く整形外科疾患を診療をしてきました。一般的な整形外科クリニックでは断られるような疾患や外傷も当院では受け入れているケースも多いので、まずはご相談ください。また、ずっと慢性的な痛みがあったにもかかわらず通院を続けられなかったという人も、当院では優しく丁寧な説明を心がけ、患者さんが自分の体と向き合えるようしっかりとサポートしています。「ゆま整形外科に行って良かった」と少しでも思っていただけるよう、地域のかかりつけ医として患者さんに寄り添っていきますので、整形外科疾患に関わるお悩みがあればご相談にお越しください。