歯列矯正との関係も深い親知らずの抜歯
治療と抜歯後の注意点は
御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
(千代田区/御茶ノ水駅)
最終更新日:2025/02/14


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多くの人が経験する一般的な歯科治療の一つである親知らずの抜歯。術後の痛みや腫れなどに対する恐怖心から受診をためらう人も少なくないが、歯並びや噛み合わせへの影響、虫歯や歯周病、歯肉炎のリスクなどがある場合は、抜歯をすることで口腔内の健康を保つことが望める。また、歯列矯正を検討している場合、そのために抜歯が必要になることもあり、計画に応じてタイミングを検討する必要があるという。「患者さんとの信頼関係を構築してから必要に応じて抜歯を提案しています」という「御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科」の長谷川陽一院長に、親知らずの抜歯と矯正の関係や治療の流れ、注意点などについて聞いた。
(取材日2024年12月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qそもそも親知らずは、抜かないといけないのでしょうか?
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A
親知らずは、真っすぐ生えていて問題なく機能している抜く必要はありませんが、横向きや斜めに生えている場合や歯磨きが難しい場合、虫歯や歯周病になりやすい場合、歯茎に埋まっていて炎症や嚢胞(のうほう)のリスクがある場合は抜歯をお勧めしています。また、歯列矯正で歯並びを整えるために抜歯が必要になることもあります。ただし治療においては、診療過程の最初に抜く必要があるかどうかは検査をした上で、患者さんと相談しながら判断いたします。
- Q早く抜いたほうが良いなど、適切なタイミングはありますか?
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A
歯列矯正を考えている場合は、親知らずをいつ抜くかタイミングを考えることが重要です。親知らずの生え方を見ながら、計画に応じて抜歯のタイミングを検討する必要があります。また、年齢とともに虫歯や歯周病のリスクが上昇するため、歯磨きの難しい親知らずがある場合は、早めに抜歯を検討したほうがいいでしょう。他にも、親知らずの手前の歯が虫歯になると、場所的に治療が難しくなる可能性も考えられたり、親知らずが原因で頬の粘膜を噛んでしまうなどのトラブルが起こったりしかねません。それらを防ぐためにも、早めに親知らずを抜いたほうが良いといえるでしょう。
- Q抜歯後の痛みや腫れ、気をつけることについて教えてください。
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A
激しい運動は避け、基本的に安静にしていただきます。熱を持っていると腫れや痛みが強く感じられるので、腫れや痛みを感じる部分を軽く冷やすことをお勧めします。冷やしすぎると血の巡りが悪くなってしまうので注意しましょう。食事の際は刺激物を避け、抜歯した反対側の歯で噛むようにしてください。歯磨きは可能ですが、傷口には触れないように注意が必要です。近年、うがい薬も成分も向上してきています。うがい薬を使用し、口腔内を清潔に保つよう図ることが大切です。抜歯後、数日たっても痛みや腫れが続く場合はご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1カウンセリング
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問診で患者の既往歴、現病歴、アレルギーの有無、服用中の薬などを確認し、親知らずの生え方、周囲の歯肉の状態、口腔粘膜の状態など口腔内診査を行う。抜歯への恐怖心への配慮から、緊急性が高い場合を除き、一般の歯科診療で歯科医師と信頼関係が構築されてから、抜歯の提案がなされるケースが多いそうだ。
- 2歯科用CTによる検査
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パノラマエックス線検査装置やデンタルエックス線検査装置を使用し、親知らずの根の形や周囲の骨の状態、下顎管との位置関係などを確認。根っこが曲がっていたり、血管が近かったりとリスクが高い場合は、CT撮影を行い、親知らずの3次元的な位置関係や周囲の組織との関係をより詳細に把握する。
- 3麻酔をして抜歯
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表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔により抜歯する親知らず周辺や下顎、唇、舌の一部などの感覚をまひさせてから抜歯。麻酔注射の痛みの心配もほとんどないと考えて良い。抜歯は必要に応じて歯茎を切り開くための処置などを行う。時間は短いと数分、長いと30分から45分。顔をタオルなどで覆われた上で治療を受けるが、歯科医師がきちんと状況を報告してくれるので安心だ。
- 4ガーゼを噛んで止血
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抜歯後、歯を抜いた穴に血餅をつくるよう図り、止血を促すためにガーゼを詰めて噛む。歯肉を切開した場合は縫合糸で傷口を閉じる。ガーゼは30分から1時間程度噛み続け、その後は指示に従って交換または破棄する。唾を頻繁に吐き出すと、血餅が剥がれやすくなり、出血が止まりにくくなることがあるため注意が必要。
- 5消毒をして完了。歯肉を切開した場合は再診
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表面の出血が落ち着いてきたら患部を消毒し、完了。抗生剤や痛み止めが処方され、服用方法の説明を受ける。抜歯後の生活や歯磨きの方法などについても詳しく聞こう。抜歯のみの場合はその日に治療が完結するが、歯肉を切開した場合は1週間後に再び受診し、経過をチェックしてもらう。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/33万円~
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