後藤 昌弘 院長、後藤 愛実 副院長の独自取材記事
後藤オンコロジークリニック
(高槻市/高槻市駅)
最終更新日:2024/10/15

2024年6月に開業した「後藤オンコロジークリニック」。高槻市駅から徒歩2分のビルの2階にあり、後藤昌弘院長と後藤愛実副院長が二人三脚で患者と向き合っている。オンコロジーとは腫瘍学のことで、診断、治療、研究などのがんに関する分野を指す。昌弘院長は、大阪医科大学医学部を卒業後、国立がん研究センター中央病院などで勤務、大阪医科薬科大学病院の特務教授なども務めてきた医学博士。愛実副院長は、大阪医科薬科大学病院薬剤部薬剤師長などを務めた経歴を持つ薬学博士で、どちらもがん治療のスペシャリストだ。患者の価値観や人生観に寄り添ったきめ細かなサポートを提供する2人に、診療への思いを聞いた。
(取材日2024年7月18日)
より身近により親身に外来でのがん医療を提供
開業のきっかけをお聞かせください。

【昌弘院長】大学病院で長年がんの診療に携わる中で、一人ひとりの患者さんやご家族ともっと話せる時間を持ちたいと考えるようになりました。大学病院やがん拠点病院では、一人の医師が年間に数多くの診療を担当し、治療の途中で主治医が変わることもあります。そこで、自分の理想である「一人の医師が患者さんと喜怒哀楽をともにしながら、最期まできちんと送り出す医療」を実践したいと考え、開業を決意しました。
【愛実副院長】がん専門薬剤師としてキャリアを積んできましたが、今後について改めて考えた時、やはり患者さんの側にずっといたいという思いが強かったんです。がん医療はチーム医療ですので、開業にあたり薬剤師の存在は必要不可欠だと考え、院長についていくことに決めました。
腫瘍内科に加え、一般的な内科や消化器内科も診ていただけるのですね。
【昌弘院長】当クリニックでは、がん患者さん一人ひとりと向き合い、地域と連携しながら、最期まで一貫してサポートできる体制を整えています。具体的には、上部・下部内視鏡やエックス線検査によるがんの早期発見、生活の質を重視した治療の提案、抗がん剤治療、緩和ケアなどです。幅広いがんに対応し、水・木曜には乳腺外科の医師による診療も実施しています。ご希望により在宅診療にも対応し、万が一急変した場合は365日24時間対応が可能です。患者さんには納得した上で治療を受けてほしいので、セカンドオピニオンも受けつけています。もちろん、がん以外の疾患にも対応しますので、風邪、腹痛、胃の不調など、一般的な内科・消化器内科の診療や健診の相談も気軽にしていただきたいですね。当院では、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医による苦痛の少ない胃・大腸カメラも随時行っています。
患者さんにとってのメリットを教えてください。

【愛実副院長】大学病院やがん拠点病院と同等の治療を、よりきめ細かなサポートとともに受けていただけるとところです。診療や治療の待ち時間が少なく、主治医が最期まで変わることなくご自宅での看取りまで一貫して行うこともメリットですね。
【昌弘院長】近年、働きながらがんの治療をする「仕事と治療の両立」が重要視され、それぞれの患者さんに合わせて治療プランを組み立てていく必要があります。また、命の長さが限られている方もいらっしゃるため、抗がん剤治療一つとっても、スピーディーに実施できるよう努めています。大きな病院だと、治療前の採血検査に1時間、結果が出るのに1時間といったように1日がかりですが、当院では、受診後すぐに採血、15分後に診察、30分後には点滴が始められますので、時間を有効に使っていただけます。日中働いて夕方からの採血、治療も可能です。
抗がん剤治療や緩和ケア、在宅診療にも対応
設備面でのこだわりをお聞かせください。

【昌弘院長】検査機器について、適切な診断のためにAIサポート機器を導入し、エックス線検査や内視鏡検査の結果をAIと医師がダブルチェックする体制を整えています。
【愛実副院長】化学療法のための薬剤調製システムを整え、外来での抗がん剤治療に対応しています。治療中患者さんにリラックスしていただくために、リクライニングチェアやマッサージチェアを設置しました。副作用での脱毛に対する頭皮冷却装置をアピアランスケアのために導入しています。院内はトイレもバリアフリーで、人工肛門を造設した方への設備も用意しています。
緩和ケアなどソフト面はいかがでしょう。
【昌弘院長】がんと診断されると、漠然とした不安を感じるものですし、不安が身体的な痛みを増長する場合もあります。ですから、患者さんには将来起こるであろうことをあらかじめお伝えし、心づもりをしていただくようにしています。その上で、「今はまだ症状が出ていないのだから、やりたいことをやりながら治療を並行してやっていこう」と、前向きな気持ちになってもらえるようケアしています。ご本人とご家族が後悔しないで済むように、話し合う時間をつくり、アドバンス・ケア・プランニングに力を入れております。患者さんの人生設計に関わる重要な決め事も診察時に直接相談をいただくことが可能です。いつでも気軽に相談できる形でサポートしていきたいですね。
チーム医療について教えてください。

【愛実副院長】チーム医療ではさまざまな分野のスペシャリストが連携を取って、患者さんの治療やケアを行うことが大切です。当院には、がん薬物療法が専門である院長をはじめ、看護師、薬剤師、さらにソーシャルワーカーの経験がある社会福祉士も在籍しています。また、当院の看護師は、化学療法を専門に行う施設や病棟での勤務経験を持ち、がんの患者さんの対応に熟練しています。これらのメンバーで、チームで患者さんに関わっていけたらと思います。また、ケアマネジャーさんや訪問看護師さんとも連携し、患者さんを支えていきたいですね。
気軽に相談できるクリニックをめざして
診療ではどのようなことを心がけていますか。

【昌弘院長】患者さんには自分の家族に接するような気持ちで接し、つらさや心情に寄り添いながら治療にあたるようにしています。患者さんの悩みを少しでも減らして、前向きに歩んでもらえる人を増やしたいですね。できれば皆さんに良くなっていただきたいのですが、それが困難な場合にも「ベストを尽くしたので悔いはない」と思ってもらえるような診療を提供したいと思います。
【愛実副院長】一般的に医師の前では本音を言えずに、つらくても「大丈夫です」とおっしゃる患者さんが多かったように思います。ですから「思いをうまく伝えられないなら、私が代わりに伝えますよ」というスタンスで、時間をかけてお話をお聞きしています。聞き役に徹して思いを全部吐き出してもらい、うまく医師との間に入って調整できたらと思っています。
お互い尊敬しているのはどんなところですか。
【昌弘院長】とにかく患者さんに優しいところですね。常に患者さんファースト。患者さんのことを考えたコメントがどんどん飛び出してくるので、毎日朝から晩まで患者さんのことを考えているんだなと思います。
【愛実副院長】院長は日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医で腫瘍内科医の抗がん剤治療に対する知識量が私たち薬剤師は不要なのではと思うほど非常に豊富です。そういった面でも刺激を受けていますし、患者さんに真摯に向き合う姿勢も尊敬しています。
読者へのメッセージをお願いします。

【昌弘院長】がんの治療は、早期発見・早期治療が大切です。体重が減った、違和感やだるさがあるなどいつもと違う兆候がある場合は、早めの受診をお勧めします。また、生活習慣病があるとがんのリスクも懸念されますので、そのような方にも来ていただきたいですね。大きな病院で治療しており今の治療が正しいか知りたい、主治医の先生が忙しそうで聞きたいことが聞きづらい、といった場合もお話をお聞きします。「コンビニくらい気軽に相談に来れる腫瘍内科」をめざしていますので、ご本人でもご家族でも、不安なことがあればお気軽にお越しください。
【愛実副院長】当院のハードルは決して高くありません。一般的な風邪などの症状の方も、ぜひ受診していただきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは頭皮冷却療法/5500円~