むし歯の再発を防ぎ、歯を残すために行う
歯の根の治療、根管治療
リノデンタルオフィス金沢
(金沢市/金沢駅)
最終更新日:2025/07/29


- 保険診療
むし歯(う蝕)が進行した場合に必要になる根管治療。「歯の根っこの治療が必要」と言われてもどんなものか想像がつきにくいもの。実際に何度も歯科クリニックに通い治療を受けた経験のある人も多いだろう。しかし、そもそも根管治療とは何のために行い、どんなことをしているのか、具体的にはわからないといった声も聞く。そこで、根管治療に力を入れる金沢市にある「リノデンタルオフィス金沢」村上芳敬(よしたか)院長に取材した。村上院長は、インプラント治療や審美面に配慮した治療にも豊富な経験を持つが、治療のいわば「基礎工事」でもある根管治療にも注力しているという。気になる根管治療の目的や流れについて、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年4月25日)
目次
むし歯の再発を防ぎ、歯を残すための根管治療。目的や流れを理解する
- Q 根管治療が必要になるのはどんな場合ですか?
-
A
▲村上院長は根管治療の豊富な知識や技術、経験を持つ
むし歯(う蝕)が進行すると、歯の内部に細菌が広がってしまいます。歯の中には神経や血管などが集まっている「歯髄(しずい)」と呼ばれる組織があり、ここが細菌に感染すると強い痛みを伴います。このまま放置するとさらに感染が広がり、歯を抜かなければならなくなるため、歯髄を取り除くための治療を行うことが必要になってしまします。これが根管治療です。根管治療が必要な進行したむし歯の場合、患者さん自身が感じる症状としては、歯茎が腫れる、噛むと響くように痛む、持続的な鈍痛があるなどが挙げられます。歯のエックス線撮影で、歯の根元に膿がたまって炎症が起こる根尖病巣が見つかった場合も根管治療が必要になります。
- Q根管治療では、どのようなことをするのですか?
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A
▲根管治療をする上で欠かせない歯科用マイクロスコープ
まず根管治療では、根管の中にある神経や血管の除去を図り、薬剤を入れてしっかり洗浄・消毒をしていきます。感染部分が取りきれたら、かぶせ物や詰め物の治療を行います。治療期間中に根管内に細菌が入らないよう、当院では仮蓋を2重にして細菌の侵入を防ぎます。患者さんからすると目に見えないところの治療であり、時間もかかるので、「何をやっているのかな」と不安に思われる方も多いと思います。ですので、治療の流れや目的を患者さんに詳しくご説明して、納得していただきながら治療することを心がけています。
- Q根管治療は痛みを伴いますか?
-
A
▲患者に寄り添い、痛みの少ない治療を心がける
治療の際に、痛みが出そうな時は麻酔をします。基本的に痛みを感じることはありませんが、治療後は、それまで痛みを感じなかった部分に痛みが出ることがあります。実は、根管治療をきちんとやればやるほど痛みが出ることがあるので、それは患者さんにも知っておいていただきたいと思います。当院では、治療前に「治療後に痛みが出ることもある」としっかり説明しますから、ほとんどの方が不安を感じず納得して治療ができているように感じます。「先生が治療してくれたのだから痛くても大丈夫」と患者さんに安心して任せていただけるような関係性を築きたいですね。
- Q根管治療の流れや所要時間について教えてください。
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A
▲多角的な診断・治療を行う
エックス線検査などで歯やお口全体の診査診断を行い、根管治療が必要そうな歯が見つかれば、患者さんとよく話し合い納得いただいてから、治療を始めます。治療回数や治療期間は症状によって異なりますが、当院では1回の治療にある程度時間をかけて、しっかり歯の中を洗浄して治療を進めるので10回以上行うことはありません。6、7回治療しても膿が止まらなかったり、症状が消えなかったりする場合は、あまり治療を長引かせるとかえって状況が悪くなることもあるので、次の選択肢である抜歯をご提案します。歯をどうしても残したい場合は患者さんの希望を優先しますので、不安なことがありましたら気軽に相談していただきたいですね。
- Q根管治療後に注意することはありますか?
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A
▲緑が彩りを添える待合室
噛んだ時に痛む場合、少し噛む力を弱めたほうが良いのですが、自然に噛む力を調整される方が多いのであまり気にする必要はないでしょう。ただし、歯髄を取り除いて歯の構造が筒状になっているため、歯が破折しやすくなっている状態であることは、ご認識いただきたいですね。大切なことは、治療後も定期検診とメンテナンスに通っていただくこと。当院では、治療中から、治療とは別にメンテナンス予約を取っていただき、お口全体の健康維持に努めています。