大野賢範院長の独自取材記事

やちよ中央エキ総合歯科・やちよ中央キッズデンタル

(八千代市／八千代中央駅)

最終更新日：2025/10/06

東葉高速線・八千代中央駅にある「やちよ中央エキ総合歯科・やちよ中央キッズデンタル」。大野賢範院長はもともと入れ歯治療を専門的に学び、訪問診療や嚥下摂食療法に詳しい一方、小児歯科にも長じているというオールマイティーな歯科医師だ。「休みなくいろいろなことに挑戦してきたから、他の先生より多くのことを経験してきたかもしれません」と振り返る。2024年の開業と同時に院長に就任し、子育て世代や働き世代も多い八千代エリアで日々診療に携わっている。加えて、法人グループとしての後進の指導にも注力。働く仲間を増やし、より多くの患者のニーズに応えていきたいと意欲的だ。ざっくばらんな語り口も楽しく、気さくな笑顔で「何でも相談してほしい」と訴える大野院長に、同院の特徴やめざすところについて詳しく聞いた。

（取材日2025年9月19日）

入れ歯からインプラント治療、小児歯科と幅広く対応
患者自身に状況を把握してもらい、治療への意識を共有
クリニックの成長をめざし、後進の教育にも取り組む

入れ歯からインプラント治療、小児歯科と幅広く対応

まず、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い診療に対応する歯科クリニックです。キッズデンタルのスペースが独立しているわけではありませんが、お子さんを意識した待合室や診療室、大人の方を意識した待合室や診療室にざっくりと分かれている感じです。院内はバリアフリーで車いすやベビーカーでもスムーズに移動していただけます。診療面では、特色ある治療がドンと一つあるというのではなく、幅広く、しかも一つ一つ丁寧に、原因や状態、今後の見通しをお伝えしていくのが特徴です。例えば、根管治療ならばマイクロスコープで精度の高い治療を、噛み合わせならば光学スキャナーを使って状態を診て、「噛み合わせでここに負担がかかるから虫歯になりやすいので、噛み合わせから治療していきましょう」とご提案していくという感じです。木を見て森を見ずという言葉がありますが、そうではなく必ず全体を見て治療を始めることを意識しています。

どのような患者さんが多く来られますか。

一般歯科から小児歯科、インプラント治療、口腔外科まで、幅広い患者さんが来られますが、僕の専門が入れ歯治療なので、入れ歯の患者さんは比較的多いかもしれません。入れ歯に関しては、保険診療から金属床、ノンクラスプデンチャー、インプラントを使った入れ歯などから適したものをご提案することができます。ただこのエリアは、ファミリー層や働き世代の方が多く、総入れ歯という患者さんは多くはありません。歯を1本なくして、そこからどうしていこうかと、入れ歯かインプラントかブリッジか、どういう選択が良いのかと悩まれている方が目立つ気がしますね。

先生は、入れ歯がご専門なのですね。

もともと父が歯科医師で入れ歯治療が好きだったということもありますが、それよりも、歯を作っていくのが楽しそうだと感じて入れ歯の分野に進んだという感じです。医局で総入れ歯を一から自分で作ったり、また都内の歯科医院に勤務して訪問診療を経験したり、沖縄の歯科医院で入れ歯を学んだりしたこともあります。その後こちらに入職して、系列のクリニックで診療に携わり、当院の開業時に院長に就任しました。当院では入れ歯治療も手がけていますが、日本小児歯科学会小児歯科専門医の指導を受けて小児歯科も担当していますし、法人グループで注力するインプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正の研鑽も積み、幅広く対応しています。

患者自身に状況を把握してもらい、治療への意識を共有

治療面には、どのような特徴があるのでしょうか。

まず、初診時に光学スキャナーを使って、患者さん自身に実際にお口の中を見てもらい、どんな状態なのかを認識してもらいます。そこから「どういう治療をしていきましょうか」とお話をしていきます。また、治療中「大丈夫ですか」「これはわかりますか」などとよく話しかけます。うるさいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが（笑）、患者さん自身に状況を把握していただくために意識的に行っています。また、患者さんが「何を求められているか」を聞き出すこと、求められていないことはしないことも意識しています。全身的な疾患や、訪問診療に切り替えたほうが良い場合などは適切な施設などに紹介して、適切な処置に結びつけていくことも意識しています。訪問診療を経験して摂食嚥下療法も手がけてきたので、飲み込みが弱い方や通院が困難な場合は、患者さんのために早めに訪問診療への移行をご提案するようにしています。

患者さんと接する上で、どのようなことを心がけられていますか。

診療にあたっては、患者さんを不安がらせないこと、できるだけ気軽にフランクな感じで接してもらえるようにすることを心がけています。そのほうが気軽にお悩みをご相談いただける関係性を構築できますからね。あとは、できるだけ痛みを少なくすることです。電動麻酔器や表面麻酔も使いますが、手動の注射器の場合も、とにかく痛みが少ないように心がけ、どうしても避けられない時は「ごめんなさい、ちょっと痛いですよ」とお声がけしてから行っています。また「今、歯を削っています」などと、状況をなるべく言葉で伝えて安心していただくようにしています。

院長として、クリニックにどのような思いがありますか。

スタッフには、とにかく笑顔を忘れないでほしいということを伝えています。患者さんにとって、クリニックというのは基本的に楽しいところではないですから、笑顔がないのはつらいと思うのです。別に患者さんを笑わすというのではなく、なるべく不安な気持ちを感じさせないようにしたいと思っています。院長になって、患者さんのことだけでなく、スタッフや他の歯科医師のことも考える必要があるので苦労もありますが、患者さんが信頼してくださるというか、話を聞いてもらいやすくなったかなということは感じています。

クリニックの成長をめざし、後進の教育にも取り組む

ところで、本当に毎日お忙しそうですね。

こちらが休みの日もなんだかんだと動いていて、ほぼ仕事が趣味のようなところがあります（笑）。仕事が終わって、一人で帰る時の車の中がほっとする時間、一番落ち着く時間かもしれませんね。いろいろなことに挑戦してみたいと休みなく働いてきたので、同世代の先生たちより多くの診療を経験してきたかな、いろんなことを知ることができたかなと思います。でも、まだ経験できていないことも多いですし、さらにステップアップしたいので、これからも勉強していかなければならないかなと思っています。

では、今後の展望をお聞かせください。

まだ開業して2年目で、マンパワーが不足しているところもあり、待ち時間が生じるなど患者さんに申し訳ないなと思っています。もっと歯科医師やスタッフを増やして、より多くの患者さんに満足していただけるようにしたいですね。今、診療ユニットが5台ありますが、全部で10台分のキャパシティーはあるんですよ。新しい仲間を増やしてスペースを活用していきたいですね。また法人グループでは研修医を受け入れています。当院は教育施設ではありませんので、初期研修が終わった若い先生たちがさらに研鑽を積める場にしたいと考えています。入れ歯治療の勉強会も行いたいですし、若い先生たちの知識や技術も吸収したいと思います。多様な専門性や個性のある歯科医師やスタッフに加わってもらって、クリニックとしてもより成長していきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

さまざまなニーズのある患者さんに「来て良かった」「ありがとうね」と言っていただけるようなクリニックをめざしたいです。歯やお口の中の悩みや不安があれば、セカンドオピニオンでも、話だけでも聞きたいという方にも来ていただきたいなと思います。何事も包み隠さず正直にお話ししたいので、「この歯はどういうふうにしていけば良いのか」「どういう治療ができるのか」など、何でも聞いていただきたいですね。保険診療でできる範囲なのかどうか、また、どうしても保険診療では限界があって、その中でどこまでできるか、あるいはここは自由診療を選択するほうが良いかもしれないというような、誠実なご提案を心がけていますので、入れ歯をはじめ、どんな治療についてでも、お悩みのある方はぜひご相談いただきたいと思います。