静 隆介 院長の独自取材記事
苗穂ゆあ歯科
(札幌市中央区/苗穂駅)
最終更新日:2025/04/28

苗穂駅から徒歩4分の位置にある「苗穂ゆあ歯科」。かわいらしい医院名は、院長を務める静隆介先生の2人の子どもの名前が由来だ。高校時代は甲子園をめざして野球漬けの日々を送り、現在も歯科医師会の野球部に所属しているという、根っからのスポーツマン。そんな静院長の話しぶりは、のんびりと穏やかだ。「できるだけ歯を抜かずに残す」ことを治療方針に掲げ、患者一人ひとりの背景や生活を考慮した上で、適切な治療法を提案しているという。患者の多様なニーズに応えるべく、診療内容は、虫歯や歯周病の治療から、根管治療、小児矯正、予防歯科、顎関節症まで多岐にわたる。「不安なことがあれば何でも気軽に質問してほしい」と語る静院長に、開業までの経緯や診療内容などについて話を聞いた。
(取材日2025年4月10日)
家族皆で通える、穏やかな雰囲気のホームドクター
ご出身は群馬県だそうですね。北海道で開業するまでの経緯を教えてください。

はい。父や叔父が歯科医師、母や叔母は歯科衛生士で、歯科技工士の親戚もいるという家庭で育ちました。幼い頃、自宅と隣り合わせの歯科医院で父や母が働く姿を見るうちに、歯科医師になりたいという気持ちが自然と生まれたように思います。高校卒業後、叔父の出身校でもある北海道医療大学歯学部に進学しました。僕はずっと野球をやっていたので、野球が強い大学だったというのも理由の一つです。大学卒業後は大学病院で5年ほど勤務し、その後、札幌市内の歯科医院で院長を4年間務めました。そして、2023年1月に当院を開業しました。群馬県で父の歯科医院を継ぐという選択肢もありましたが、すでに北海道で歯科医院や歯科医師とのつながりを築けていたこと、また、石狩市出身の妻の意見もあり、この地で開業するという道を選びました。
苗穂エリアを選んだのはなぜでしょうか?
もともと小さなお子さんから高齢の方まで、家族皆で通える歯科医院にしたいと考えていたので、ファミリー層の多い住宅街を中心に物件を探していました。苗穂エリアは、再開発が進む中で新築マンションが多く建設されており、人口や世帯数も増加しています。自宅から近いということもあり、ご縁をいただいて、この地で開業する運びとなりました。開業して1年ちょっとですが、お子さん連れのファミリー層、特に20代~30代の若い世代の患者さんが多いですね。また、忙しく働いていらっしゃる現役世代の方も多くいらしていただいています。
内装でこだわったところはありますか。

家族皆で通える歯科医院ということで、リラックスできるアットホームな雰囲気をめざしました。シンプルな木目調を中心に、リラックスできる色ということで、緑色と青色をアクセントに使っています。3つの診療室は、プライバシーに配慮した完全個室ですから、お悩みや治療、費用のことなども気兼ねなくご相談していただけます。また、スペースを広めに取っているので、車いすの方もそのまま入っていただけますし、お子さんと一緒に保護者の方もご利用いただけます。院内は土足可で、キッズスペースやおむつの交換台も備えているので、小さなお子さん連れでも通いやすいと思います。また、感染症対策としては、厳格な世界的基準を満たしたクラスB滅菌器での徹底的な器具の滅菌をはじめ、超音波洗浄、空気清浄機、口腔外バキュームなどを導入し、安心して診療を受けていただける環境づくりをめざしています。
対話を重視し、治療から予防まで一貫して提供
診療内容について教えてください。

虫歯や歯周病などの一般歯科から、かぶせ物、義歯、根管治療、小児矯正、審美歯科、顎関節症まで、幅広く対応しています。そのほか、けが予防や重心の安定化のために用いるスポーツ用マウスガードのご相談にも対応しています。大学時代から、特定の分野に特化するのではなく、トータルに歯科診療をやっていきたいと考え、幅広く研鑽を積んできました。「この治療は、ほかの歯科医院に行かなければならない」というのは、患者さんの負担になります。そのような状況をできる限り減らすために幅広く診療し、当院で治療を完結できるように努めています。少しずつ診療内容を広げており、診療ユニットも増設しています。今後はインプラント治療も導入する予定です。治療方針としては「できるだけ歯を抜かない、自分の歯を残す」ことを重視しています。そのために根管治療に力を入れています。
根管治療について詳しく教えていただけますか。
根管というのは、歯髄という歯の内部にある神経の通り道のことです。虫歯が進行して、神経にまで達しているなどの場合は、神経を取り除いて根管を洗浄し、細菌や汚染物質を取り除かなければなりません。けれども、根管は1mm以下と非常に細く、複雑な構造をしているため、治療には技術が求められます。当院では、小さな根管や隠れている根管まで、より精密に確認することができる歯科用CTを導入しています。そして、根管の洗浄や拡大においてはニッケルチタンロータリーファイルという器具を用いています。従来のステンレス製ファイルに比べて、柔軟性があるため、複雑な形状の根管にも対応しやすいのが特徴です。また、電動式の器具に取りつけて使うことで、治療時間が短縮できるのも利点です。
診療の際に心がけていることを教えてください。

患者さんとのコミュニケーションを大切にしています。お悩みや希望をじっくり聞くことはもちろん、患者さんの生活や背景も考慮した上で、治療法や治療計画をご提案することが重要だと考えています。例えば、インプラント治療では、歯科医院での定期的なメンテナンスと毎日のセルフケアが治療後も欠かせません。手入れが十分にできていないと、インプラントの周囲に炎症を起こしてしまう恐れがあるからです。細かいセルフケアが難しい高齢の方などは、インプラント治療を受けても、現状を維持するのが困難なこともあります。ですから、患者さんの生活や背景も含めて、お話をよく聞いた上で、その人に合った治療法や治療計画をご提案するようにしています。また、患者さんがどんな治療を受けたのかわからないということがないように、その日の治療内容を説明しています。もし、わからないことや不安なことがあれば、遠慮なく質問してください。
歯科治療への苦手意識に配慮、通いやすさを追求
初めて歯医者さんに来るというお子さんも多いと思います。特に気をつけていることはありますか?

そうですね、歯科治療に対する苦手意識がつかないよう、まずは当院の雰囲気に慣れてもらうことを第一に考えています。緊急性の低い治療であれば無理に行わず、お子さん一人ひとりのペースに合わせて、様子を見ながら進めていきます。診療室には保護者の方と一緒に入ることができますし、診療台では動画配信サービスも見られるようになっています。また、治療後はカプセルトイで遊んでもらうなど、楽しんで通っていただけるような工夫をしています。
今後の展望や力を入れていきたい分野について教えてください。
「できるだけ歯を残す」ためには、やはり予防やメンテナンスが重要ですから、年代を問わず、予防歯科に注力していきたいと考えています。最終的には、予防歯科でいらっしゃる方がほとんど、という形が理想ですね。また、歯並びを整えることは、虫歯や歯周病のリスク軽減にもつながります。お子さんの矯正についてお悩みの方も多いと思いますが、当院ではマウスピース型装置を用いた矯正に対応しています。実は歯並びには、口周りの筋肉の適切な発達が重要なんです。風船をプーッと膨らませるときには口周りの筋肉を使いますよね。それと同じようなイメージで、口周りの筋肉を鍛えるため、就寝中と自宅にいる間に、それぞれ1時間ほどマウスピース型装置を装着するものです。半年~1年くらいかけて、不適切な歯並びや舌位置の予防や、口呼吸やお口がポカンと開く癖の改善をめざします。5歳~13歳頃まで対応しています。
最後に読者の方にメッセージをお願いします。

当院には、歯科治療が苦手という大人の方も多くいらっしゃいます。そのような方の場合、まずは不安を軽減することを重視し、丁寧な説明と声かけをしっかり行うことを心がけています。また、麻酔時の痛みを軽減するための工夫も行っています。無理をせず、できる範囲の治療から進めていますので、歯医者さんは怖いというイメージがある方も、どうぞお気軽にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/48万6000円~、小児矯正/3万3000円~、ホワイトニング/2万4000円~