鮒田 啓太 院長の独自取材記事
鮒田矯正歯科
(福岡市東区/西鉄香椎駅)
最終更新日:2024/11/25
2024年6月、西鉄香椎駅の目の前に開業した「鮒田矯正歯科」。子どもから高齢者まで、幅広い世代の矯正に特化した専門クリニックだ。鮒田啓太院長は九州大学大学院で矯正歯科を専門とし、数多くの難症例に対応してきたキャリアの持ち主。「見た目も大事だが噛み合わせも大事。患者さんのためだけを考えて、本当に歯列矯正が必要な人に治療を提供していきたい」と話す。鮒田亜実副院長は歯科口腔外科が専門で、抜歯や子どもの虫歯治療に対応。それぞれの専門性を生かしながら一人ひとりの患者と本音で向き合い、10~20年後も後悔のない矯正をめざす。今回は鮒田院長に診療にかける思いを聞いた。
(取材日2024年7月1日)
2024年6月開業。患者のための誠実な矯正を
シンプルで居心地の良い院内ですね。
ありがとうございます。クリニックの内装デザインは副院長の妻が考えてくれました。好みのメタリック素材を看板や受付カウンター、チェアなど随所に取り入れて、ちょっとおしゃれな感じに仕上げたかったようですよ。ロゴマークをデザインしたのも妻。海の波がぐるっと円になっていて、私もとても気に入っています。診療ユニットは完全個室1台、半個室が1台あり、あと2台追加できるスペースを確保しています。矯正治療前の精密な診断のために必要なセファロ(頭部エックス線規格写真)や歯科用CT、マウスピース型装置を用いた矯正のための口腔内スキャナーなども備えました。これから地域の皆さんと本音でお付き合いしながら、歯並びや噛み合わせを改善するためのお手伝いをしていけたらと思っています。
歯科医師をめざしたきっかけ、開業の経緯を聞かせてください。
両親ともに小学校教諭だったこともあり、将来は教師になりたいと思っていました。ですが鹿児島大学医学部に進学していた兄に強く勧められて医歯薬系を受験してみたら、同大学の歯学部に合格して歯科医師の道へ。卒業後は九州大学大学院で歯科矯正学を専攻し、博士号を取得しました。そのまま大学院に残って助教として学生たちの指導にあたり、夢だった教師にもなれたようで充実していましたが、もっと自分のやり方で、患者さんのためだけを考えた治療を貫きたいという思いが強くなり、開業を決めました。この場所を選んだ一番の理由は、海が近いこと。私はサーフィンが好きで海に入ってから出勤することもありますし、もともとこの辺りに住んでいたので仲間もたくさんいて、大好きな街です。
なぜ矯正歯科を専門とされたのですか?
面白かったんです。同じような噛み合わせの状態の患者さんでもアプローチは一人ひとり違うので、どれだけ症例を積み重ねても飽きない、ずっと考え続けられるところにやりがいを感じました。私の場合は、虫歯を削って型を採って埋めることを図るような一般的な歯科治療より、より良い歯並びと噛み合わせをつくっていくための矯正のほうが性格的にも向いていたように思います。矯正は、その治療期間とその後の保定時期も含めると患者さんとのお付き合いが非常に長く、徐々に患者さんと仲良くなっていく感じもすごく好きです。患者さんと歯科医師というより、親戚同士、友達同士のような関係性をつくっていけたらうれしいですね。
21時まで診療の日も。誰もが通いやすい体制を構築
院長の診療ポリシーを聞かせてください。
10年後20年後のことまで考えて、本当に歯列矯正が必要な方に提供していきたいと思っています。最近はお子さんの歯並びを心配される親御さんがとても多いので、まず適切な情報を誠実にお伝えしたい。早く治療を始めたほうが良い方にはそう言いますし、矯正の必要はないと診断すれば「私の息子だったらしない」と率直に言います。それは大人に対しても同じです。そういううそのないコミュニケーションの中で信頼関係を築いていきたいですね。矯正には表側と舌側のワイヤー矯正やマウスピース型装置を用いた矯正、部分矯正、アンカースクリュー、子どもの場合は咬合誘導装置や床矯正も含めてさまざまな手段があり、当院ではそのすべてに対応しています。その方の歯並び・噛み合わせの状態を見て、もちろん治療の選択肢は提示しますが、「私はこの方法が良いと思う」とはっきりとお伝えします。
特にワイヤー矯正がお得意だとか。
大学病院では表側のワイヤー矯正を数多く手がけてきたので、自信はあります。そもそも大学病院に紹介されてくる患者さんというのは、例えば顎が大きくずれている方や、骨が薄くて少し歯を動かすことを図っただけで歯茎が下がるような方、無理な矯正によって歯の根が非常に短くなっている方の矯正のやり直しなど難しいケースばかりで、その中で9年間、研鑽を積めたことは私の大きな財産です。ワイヤー矯正のメリットは、何か予定外のことが起きたとしても、その場でワイヤーを調整してすぐに対処できること。舌側のワイヤー矯正やマウスピース型装置を用いた矯正についても今後さらに技術を磨き、すべての矯正方法を品質にこだわった上で提供できるよう精進していきます。
診療時間が変則的ですが、どのような狙いがあるのでしょうか?
通常の午前・午後診療の日もあれば、隔週で午前診療だけになったり、16~21時の夜間診療になったり、時には土・日・祝日も開けたりと、ちょっと複雑な診療体制です。矯正が始まると月1回程度は通院が必要ですから、休診日を固定してしまうとその日しか来られない方に無理をさせ続けることになりますし、お仕事帰りや部活帰りでも通いやすいように、さまざまなライフスタイルの方がどこかで合わせることができるようにと、すべての曜日が月1回は必ず開いている状態にしています。どの日時で予約が取れるかわかりにくい時は、お気軽にお問い合わせください。
外で会っても、気軽に声をかけ合えるような関係に
副院長は口腔外科のご出身ですね。どのように連携されていますか?
矯正の中で必要があれば当院で抜歯することが可能ですし、子どもの虫歯治療も副院長の得意分野です。大人で虫歯や歯周病があればそちらの治療が先になりますので、他のクリニックで治療を終わらせていただいてから当院での矯正をスタートします。私が信頼する歯科医院を紹介することもできますし、一般歯科の先生としっかり連携を取っていきますのでご安心ください。抜歯について少しご説明しますと、私ももちろん抜歯しなくて済むのであればしたくないのですが、7人席に無理やり8人を座らせるような矯正をすると、口元が盛り上がったような顔つきに変わったり、数年後には結局後戻りしてしまったりする可能性が考えられます。そうなるくらいなら抜歯してバランス良く並べることをめざしたほうが、長い目で見ると歯全体の寿命を延ばすことにつながるという立場です。抜歯の必要性は、CTを撮って骨の容量などを詳細に診査することで診断につなげます。
先ほど少し出ましたが、趣味はサーフィンだとか。魅力は何ですか?
まず、毎日波が違う。だから飽きません。今日はどんな波が来ているか海を見るまでわからないから、海に向かう間にワクワクしている時間も好きです。なんだかさっき、矯正が好きだと言った理由と似ていますね(笑)。サーフィンをする人同士のあのゆったりとしたメロウな雰囲気もとても好きで、ああいう穏やかな空気感のあるクリニックにしていけたらなと思っています。私は普段は奈多や三苫の海に入っているのですが、三男が生まれたばかりなので当分は難しいかな。子どもは上に小学生、幼稚園生もいて、全員男の子。もう少し大きくなったら一緒に連れていきたいですね。
今後の展望を聞かせてください。
患者さんと街や海で会ったら、気軽に声をかけ合えるような関係をつくっていきたいですね。地域に根差して誠実に矯正に取り組み、いつか、この辺りの歯並び・噛み合わせが悪い人はみんなあの先生に診てもらった、と言われるくらいの存在になれるよう頑張っていきます。歯並び・噛み合わせに不安がある方は、相談は無料ですので一度お気軽にお越しください。また、顎変形症という、歯のズレ・ねじれと上下の顎のズレが両方あることで不正咬合になる病気に対する、保険診療での矯正治療に取り組んでいるクリニックがこの辺りにはまだ少ないようなので、少し落ち着いたら設備を導入して取り組んでいきたいと思っています。顎の骨を切って動かす外科手術を行う大学病院と連携して当院が矯正治療を行い、顎変形症の患者さんが少しでも楽に通院・矯正できる一助になれたらうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正/66万円〜99万円
マウスピース型装置を用いた矯正/77万円〜99万円
部分矯正/33万円
咬合誘導・床矯正/33万円~
※個人個人の症状や症例によって価格は変動いたしますので、あくまで目安の価格となります。詳細の問い合わせは歯科医院までお電話をお願いいたします。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。