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稲井 雅光 院長の独自取材記事

いない皮ふ科形成外科クリニック

(高松市/林道駅)

最終更新日:2025/04/02

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック main

「いつになったら治療が終わるのか」と思いながら、ニキビや傷痕などの治療を続けている人は少なくないだろう。「いない皮ふ科形成外科クリニック」の稲井雅光(いない・まさてる)院長は、そんな患者に対して、最初にはっきりと治療のゴールを伝えてくれる医師だ。川崎医科大学の在学中から開業医を志し、複数の病院で高難易度の手術に携わってきた、皮膚科・形成外科のスペシャリスト。同院でも皮膚腫瘍などの日帰り手術に対応し、皮膚と呼ばれる領域の総合的な医療を提供している。気さくな人柄で、どんな質問にもフランクに答えてくれる稲井院長に、開業の経緯や診療のモットーなどを詳しく語ってもらった。

(取材日2025年2月18日)

豊富な手術経験を糧に、目標としていた開業を実現

皮膚科、そして形成外科を専門に選ばれた理由は?

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック1

小学校の頃に、父が高松市内で皮膚科のクリニックを開業したんです。開業医となった父の姿を見て育ったことから、岡山県の川崎医科大学附属高等学校へ進学。卒業後は、そのまま同大学の医学部に入学しました。いずれは父の後を継ぐつもりで皮膚科をめざしていましたが、複数の診療科を回る初期研修を機に、形成外科を選んでいます。形成外科は自分の手で直接、治療ができるところが楽しく、やりがいにつながると感じました。とはいえ、皮膚科と比べれば症例数が限られる、ニッチな診療科であることは間違いありません。母校の大学病院や、教授に送り出された三豊総合病院などで約10年間、研鑽を積みましたが、「地元で開業する時には、皮膚科の併科が必須」と考えて皮膚科に転科し、2年間修行を積みました。

大学病院と市中病院、両方の皮膚科で勤務されたそうですね。

そうですね。同じ皮膚科でも、大学病院の場合は指定難病や皮膚悪性リンパ腫のような、長期入院や集中治療が必要な疾患を扱います。市中病院とは扱う病気の種類が違いますから、転科から1年が過ぎた頃に教授に相談し、異動を願い出ました。その後は皮膚科の入院施設があり、手術件数も多い高松赤十字病院に勤務しながら開業の準備を開始。念願かなって、日帰り手術ができる皮膚科、形成外科、美容皮膚科のクリニックを開業したのは2024年のことです。県内で手術を行う皮膚科の医師は少ないため、粉瘤(アテローム)の除去手術などを他院からご紹介いただくことも多いです。

一番印象深いのは、どの病院に勤めていた頃ですか?

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック2

毎日のようにオンコールを担当し、多くの手術を経験した三豊総合病院時代です。それまで勤めていた大学病院では、診療中も先輩医師がついてくださり、処置などの度に確認が入ったり、アドバイスをもらったりしていました。ところが、総合病院では一人で患者さんを担当するのが当たり前。手術の執刀も最後まで任されるようになりましたので、プレッシャーは相当なものでした。形成外科は、実際に「見た」「聞いた」経験が物を言う診療科です。上司に「何ができるのか」と聞かれても、初めは「何もできません」としか答えられませんでしたが、何度もフィードバックをいただきながら経験を積んでいったことで、医師として独り立ちできたと感じています。あの頃の経験は、私の財産です。

治療の見通しを明確に伝え、患者と誠実に向き合う

クリニックの設計のこだわりを教えてください。

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック3

実は、大学病院時代の先輩医師のクリニックをモデルにさせていただきました。形成外科から皮膚科に転科し、実家が皮膚科のクリニックだったけれど、新しく開業したというところまでまったく同じ経歴を持つ先輩です。開業時にも、この先輩がドラッグストアの運営会社を紹介してくださったことで、ドラッグストアの敷地内に開業する運びとなりました。3つの診察室、手術室、施術室、パウダールームという間取りは、先輩のクリニックに習ったものです。患者さんが入られた3つの診察室を、私が順番に回って診察をしていくことで時間のロスを防いで、多くの患者さんを診察できる造りにしています。

患者さんは、どのような症状や疾患で受診されていますか?

ニキビや水虫、しもやけ、とびひ、かゆみ、湿疹などですね。「虫刺されで腫れた」といった、ちょっとしたお悩みでも患者さんが来られるのは、核家族化などで身近な相談相手が減っているからかもしれません。あとは粉瘤(アテローム)や、皮膚腫瘍と捉えたほくろの除去手術も多いですし、ニキビ痕のご相談もあります。赤みがあるのはまだ炎症が残っている状態で、赤みはないけれど、肌に凹凸ができているのがニキビ痕の状態です。ニキビの発症には体質の差が大きく影響しますので、薬が肌に合わなかったり、治療に時間がかかったりもするでしょう。ですが、対処しなければ改善することもありません。痕を作らないように早めに受診して、ご自分に合った治療を続けてもらえればと思います。当院ではスキンケア用品などもご紹介していますが、患者さんのためになると感じたものだけを扱っていますので、気軽にご相談ください。

診療の際に、心がけていることは?

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック4

治療が可能な範囲や、治療期間などは最初に伝えます。そして、完治が困難だと判断した場合には、「この治療は難しい」とはっきり伝えるようにしています。突き放すように聞こえるかもしれませんが、患者さんに踏ん切りをつけさせてあげることも大切だと思うのです。例えば膝を激しく擦りむいた後に、皮膚がデコボコすることがありますよね。あれは、医学的には「瘢痕(はんこん)治癒」と呼ばれる状態なんです。つまり、治癒する過程の状態です。皮膚は出血するほど激しく損傷してしまったら、元の状態には戻りません。私たちにできるのは、傷痕をやわらかくする努力をしたり、メスを入れた傷痕を縫い直したりして、その痕が極力目立たないようにすることだけです。「他院で治療を受けたのに、症状が改善しない」と来院された場合でも、実際は問題がないケースがほとんどですので、不安を抱えた患者さんが安心できるように、しっかりと説明を行っています。

困った時に、いつでも頼ってもらえる存在でありたい

予備自衛官にも登録されていますよね。

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック5

私の母校は救急医療で知られる病院で、三豊総合病院時代にも救急の現場を多く見たことで、個人でも災害に貢献できることはないかと模索していました。偶然、自衛隊に所属している医師と話す機会があり、関心を持ったのが予備自衛官です。予備自衛官は、要請があれば災害現場へ出向き、専門分野以外の領域を含めた診察や治療を提供します。予備自衛官として任官した後は、毎年継続して召集訓練に参加しています。実際に派遣はされませんでしたが、能登半島地震の現場にも、行きますという返事をしていました。建築士や通訳者、納棺師、自動車整備士など、日頃は接点の少ない領域のスペシャリストの方々と交流できるのは楽しいですし、予備自衛官になってから視野が広がったと感じます。

趣味も多いとお聞きしました。

読書やゲームをする、音楽鑑賞にふける、映画や大河ドラマを見る……。やりたいことが多すぎて、若い頃は睡眠時間を削る日々でした。今でも新しいゲームが出たら、朝までプレーすることもありますね。音楽はロックやヘヴィメタルなどが好きで、CDも3000枚以上持っていますが、さすがに院内では流していません(笑)。音楽も歴史も好きだったので、学生時代は「医学部を卒業できなかったら、社会の先生になろう」と思っていました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

稲井雅光院長 いない皮ふ科形成外科クリニック6

できるだけ多くの診察に対応するため、診療体制は工夫しています。まず、休診日は日曜日と祝日のみです。土曜日も17時まで診療しています。水曜日はじっくりと取り組みたい手術などにあてつつ、ほとんどのスタッフを休ませることでスタッフの負担を軽減。さらに待ち時間対策として、順番待ちシステムを導入しました。診察の順番が近づいてから来院いただければ、患者さんの負担も減るのではないでしょうか。当院には大人の方だけでなく、子どもの患者さんも多くおみえです。子どもは年齢によって悩みや症状が変わっていくので、彼らが進学や就職で地元を離れるまでは、寄り添って成長を見守っていけたらと思っています。皮膚のお悩みやトラブルは、専門家にお任せください。当院は皆さんがお困りの時にはいつでも頼ってもらえるような、そんな存在をめざしています。

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