徳善 紀彦 院長の独自取材記事
オリーブ歯科クリニック
(東温市/田窪駅)
最終更新日:2024/07/31

伊予鉄バス牛渕駅口停留所の目の前に位置する「オリーブ歯科クリニック」。どの世代も通いやすい歯科医院をめざし、徳善紀彦院長が2024年6月に開業したばかりのクリニックだ。愛媛大学医学部附属病院で、親知らずの抜歯やインプラント治療など口腔外科を専門に研鑽を重ねてきた徳善院長は、同院では一般歯科から口腔外科までの幅広い歯科医療を提供する。また0歳児からの小児歯科にも対応し、キッズルームの設置はもちろん、椅子に座ることが難しい子どものためにベッドを設置したこども診察室を設けている。「歯科医院のハードルを下げたい」と語る徳善院長に、クリニックの特徴や歯科医師としての思いなど幅広く聞いた。
(取材日2024年6月10日)
幅広い世代の患者が通いやすいクリニックをめざして
開業されたばかりですが、どのようなクリニックにしていきたいですか。

世代や疾患に関係なく、幅広い患者さんに安心して来てもらえるようなクリニックにしたいです。その思いは、クリニック名やロゴマークにも込めています。平和という花言葉を持つオリーブを使用しているのですが、口の中を平和に保って、健康な生活を送っていただきたいという願いからです。またロゴマークのオリーブの木には、さまざまな色をした複数の実がなっていて、幅広い人たちに集まってほしいという思いを込めています。特に、子どもがたくさん来てくれるクリニックにしたいですね。子どもは歯科医院が苦手なことが多いので、「ここなら嫌がらずに行ってくれる」と言われるようになりたいです。そのために、子どもと親御さんにくつろいで過ごしてもらうためのスペースを一番広くしました。また、0歳から3歳児の幼児を対象にした、子ども診察室も備えています。ベッドを設置しているので、治療用の椅子に座ることが難しいお子さまも大丈夫ですよ。
先生も現在子育て中ですよね。
3歳と1歳の子どもがいます。当院の小児歯科は、歯が生えてすぐの0歳児からが対象なので、来院されるお子さんと変わらないくらいですね。初めての歯医者さんというお子さんでも、落ち着いて診療を受けられるように配慮しています。具体的にはその子にあったハードルを細かく設定して、できたことを一つ一つ褒めるようにしています。そして、通いやすい環境づくりも大切にしています。歯科医院に通う本当のメリットを子どもは理解できませんので、あそこは遊べる場所、嫌なことはされない場所だと感じてもらえればいいかなと思っています。また親御さんも、泣いてしまったらどうしようと不安や心配に思われている方も多いでしょうから、少しでも行きやすい場所にしてあげたいと思っています。子育てをしているとただでさえ時間に追われることが多いので、できる限りハードルを低くしたいですね。
大人の診療の際に心がけていることは何ですか。

話しやすい雰囲気をつくるようにしています。歯科医院に行くと、こんな感じですよといろいろと説明されて治療に入ると思うのですが、当院ではまずお口の中の写真を撮らせていただき、ここに歯石がついてますね、ここは虫歯になってますねと写真を見ながら一緒に現状を確認します。それで、こういう治療がいいと思うんですけれど、どうでしょうかと提案をして、納得していただいてから治療を行います。患者さんと一緒に治療を考えていくようなイメージですね。僕から一方的に話すだけではなく、疑問点がないか確認するなど丁寧なカウンセリングを心がけています。
歯科治療への意欲で歯科医院に対するハードルを下げる
先生のご専門は口腔外科ですよね。

そうです。愛媛大学医学部附属病院で親知らずの抜歯やインプラント手術など、外科的処置を担当していました。当院でもどちらも対応できるようにしています。大学病院に行くとなれば、曜日や時間などが限定されるため、ハードルが高いと感じられる方が多いと思います。当院では、予約をしていただく必要はありますが、土曜日にも治療を受けることができます。また、舌がんの治療も長くやってきましたので、悪性なのか口内炎なのか、見たり触ったりして診断に結びつけられます。お口の中のがんになる確率はとても低いのですが、なってしまうと生活の質の大きな低下につながります。いきなり大学病院に行くには二の足を踏んでしまう方は、まずはクリニックで期間を決めて経過観察をしてから大学病院に行くのが良いかなと思いますよ。
歯科医院に苦手意識を持つ人は多いので、通いやすいクリニックを持つことが大切ですね。
例えば、歯科医院に対して恐怖症がある人の場合、初日に治療ができなくてもいいと思っています。初回でここまで治療できたから次回からはもう来ないというよりは、少しずつでも通ってもらって、できることを増やしていくほうが、長い目で見るとメリットが大きいと思います。一回の歯科治療で介入できるのは点だけです。それを少しずつ増やして線にすることで、健康な歯を保つことにつながると思います。歯科治療だけでなくどんなことでもそうだと思いますが、一回で終わらせることは難しくて、続けてもらうことが大切です。怖い思いをして歯科医院に行くのが嫌になった人でも、当院に来てちょっとずつできることが増えて、定期的に通院できるようになった、という流れをつくりたいですね。
定期的な通院への意欲のために工夫されていることはありますか。

意欲を高められるような体験をしてもらうのが必要だと思っています。大学病院で働いていた時に、歯科治療に恐怖心がある方の入れ歯治療を全身麻酔で行いました。治療後、患者さんに歯科治療に対するモチベーションが生まれたようで、だんだんと検診に通うことに前向きな気持ちが芽生え、少しずつ歯科治療への抵抗が低くなったと教えてくれました。そんな前向きな気持ちにつなげるためにも、治療の過程の写真を撮って患者さんにお見せしています。
他に印象に残っている患者さんとのエピソードがあれば教えてください。
2012年から3年間、愛媛県立子ども療育センターで非常勤の歯科医師をしていたのですが、そこで診ていたお子さんが愛媛大学医学部附属病院の小児科にも通っていたんですね。当時、僕はまだ大学病院では外来診療を担当していなかったので、「外来診療ができるようになったら教えてね」と言われていて。その後、子ども療育センターを辞めて、大学病院で外来診療をするようになり、たまたま廊下でその子とすれ違ったんです。外来に携わっていることを伝えたら、小児科の先生から紹介状をもらって僕のところへ来てくれるようになりました。開業した現在も、住んでいるところからは遠いのに来院してくれています。
地域住民の健康を口の中から支えていく
休日はどのように過ごされていますか。

今はゴルフをすることが多いのですが、以前はランニングをしていて、毎朝走ってから大学病院に出勤していました。去年は、愛媛マラソンや徳島マラソンなど3つのフルマラソンに出場しました。タイムは、3時間40分を切るくらいです。あとは、結婚して子どもが産まれるまでは、週3くらいでバドミントンをやっていました。大学時代から続けていたのですが、練習時間と子どもがご飯を食べる時間がちょうどかぶるので、行かなくなりましたね。
今後の展望をお聞かせください。
地域医療に貢献できればと思っています。この場所での開業を決めたのも、何もできない研修医の頃から愛媛大学医学部附属病院で少しずつ少しずつ成長させてもらったので、地域に恩返しをしたいという思いからなんです。開業したばかりですが、地域の方の集まりで講演をしてほしいと依頼をいただき、今打ち合わせをしているところです。あとは、保育園の検診もやりたいですし、歯科衛生士学校の学生さんの教育実習先にも立候補をしています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

当院は、歯科医院に抵抗がある人も気軽に通えるようなクリニックをめざしています。体の健康診断と同じような感覚で、歯が悪くなる前に歯科医院に通っていただければと思います。治療は一般歯科から親知らずの抜歯、インプラントにも対応をしています。恐怖心のある方には、笑気麻酔を用いることもできますし、自由診療にはなりますが、静脈内鎮静法にも対応をしています。「困った時は、とりあえずあそこに行けばなんとかなる」と思ってもらえる存在になりたいと思っています。気になることがあれば、治療はせずに相談だけでも大丈夫ですので、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/38万円~、麻酔(静脈内鎮静法)/3万8000円~