下剤が苦手な人も受けやすいように配慮した
大腸内視鏡検査の流れ
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック
(中央区/人形町駅)
最終更新日:2024/07/05


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健康診断や人間ドックは定期的に受けていても、大腸内視鏡検査は受けていないという人も多いだろう。大腸内視鏡検査の大きなハードルの一つに「検査前の大量の下剤内服」がある、と話すのは、「日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック」の石岡充彬院長。「身近に消化器内科のクリニックがあって検査の重要性を理解していても、私の母は大腸内視鏡検査に長年抵抗を示していました。その経験から、一般の方が抵抗感を示すのも無理はないと感じます。だからこそ、下剤によって検査を諦める人をゼロにしたい」こう語る石岡院長に、同院で行う「2リットルの下剤を飲まない大腸内視鏡検査」の概要と流れを解説してもらった。
(取材日2024年6月7日/情報更新日2024年7月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査時になぜ下剤を飲まないといけないのでしょうか?
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A
例えば、プールの中に落とした一円玉を見つける作業を想像してください。プールに張った水が澄んだ真水の場合と、濁った泥水の場合ではどちらが見つけやすいでしょうか。大腸内視鏡検査に先立って下剤の服用が求められるのも、これと同じです。大腸の内壁に生じた小さな大腸ポリープや大腸がんを探すにあたり、腸内をきれいにして視界を確保することで、病変の発見率向上が望めます。高性能な検査機器を導入したり、観察の技術を磨いたりすることは医師にできることですが、腸内をきれいに整えることだけは、患者さまの協力なしでは難しいことです。前日からの食事制限と下剤服用により、患者さまにご協力いただく必要があるのです。
- Q下剤の服用に関する取り組みについて教えてください。
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A
下剤にもさまざまな種類があり、必要量や味がそれぞれ異なります。特定の下剤の味が苦手な方や、一度に大量の水分を取ると苦しく感じる方など、患者さまによって負担に思う部分が違いますから、複数の種類を用意して、それぞれの希望に合わせてお選びいただくようにします。また、自宅で下剤服用から腸内洗浄までを完了してから来院いただく形に加え、下剤服用から腸内洗浄までを院内で行っていただく形も選択可能で、下剤服用後の移動が不安という方にも配慮します。さらに、どうしても下剤が飲めないという方には、内視鏡的下剤注入法もあります。内視鏡で消化管内に直接下剤を注入するので、服用の負担なく検査を受けていただけるでしょう。
- Q下剤に関してこれほど工夫されている理由を教えてください。
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A
私も私の父も消化器内視鏡を専門とする医師ですが、実は母は下剤の味が本当に苦手で、長年検査に抵抗を示し続けていました。身近に専門の医師が複数おり、検査の重要性を理解していても検査を諦めてしまう人がいる。そこで、母のような人でも検査が受けられるよう、下剤について工夫を凝らすことは、内視鏡専門の医師としての使命とも思いました。眠っている間に下剤を消化管内に注入されるため、下剤を飲まずに起きたらトイレに通うだけ。排便回数や時間も少なくて済みます。70歳以上で初回の方や、腸閉塞の既往のある方など、この方法が向かない方もいますが、従来法で受けてみたがつらかったという方の2回目以降の検査には特にお勧めです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察・カウンセリング
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症状の有無や既往症を聞くことに加え、下剤服用が可能かどうかやどこで下剤を飲みたいかといった検査への希望をヒアリングされる。また、内視鏡的下剤注入法を希望する場合は、リスクなく検査が可能かも診察時に確認される。検査の日程を決めて予約を取り、食事の注意事項や検査同意書について説明を受ける。なお、検査や診察は、24時間ウェブ予約が可能となっている。
- 2下剤の服用
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前日は丸1日の食事内容制限があり、食物繊維が豊富なものは避ける必要がある。夜21時までに夕食を済ませ、事前指示があった場合は錠剤タイプの下剤を服用。翌朝、自宅または院内で検査の約4時間前から液体タイプの下剤を2時間ほどをかけて飲みきる。下剤注入法の場合は、麻酔下で内視鏡により直接下剤を注入される。便意が生じたら便が透明の水状になるまで5〜8回程度トイレに通い、腸内のものを出しきったら、準備が完了。
- 3大腸内視鏡検査
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検査着に着替え、スリット入りのパンツを着用。検査台で左側を下に横になった状態で鎮静剤の投与を受ける。鎮静剤の種類や量はさまざまなものが用意されており、「眠っているうちに終わりたい」、「一緒に検査画面を確認したい」など希望に合わせて調整可能だ。検査自体は15分以内で終了することがほとんど。大腸ポリープが見つかれば同時に切除することも可能だという。
- 4リカバリールームで休憩
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検査が終了したらリカバリールームに寝たまま移動し、体力が回復するまで30分〜1時間程度休憩する。なお、鎮静剤を用いた検査を受ける場合は、当日は自動車やバイク、自転車などの運転は避ける必要があるので注意が必要だ。
- 5検査結果の説明
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休憩後、着替えて身だしなみを整え、診察室に移動して医師による検査結果の説明を受ける。検査時の画像を一緒に見ながら確認する。大腸ポリープの切除を受けた場合や、組織検査を行った場合は検査に数日を要するため、最終の診断結果が出るタイミングで後日再度説明を受ける必要がある。ただし、この説明は来院に限らず、郵送やオンラインでの対応も可能となっている。
自由診療費用の目安
自由診療とは大腸内視鏡検査(単体)/2万4800円~