内視鏡検査と肝臓内科
2つの専門領域からがんの発見・予防を
山田駅前もりした内科クリニック
(吹田市/山田駅)
最終更新日:2025/05/12


- 保険診療
日本人が一生のうち、がんと診断される確率は2人に1人といわれる現在。中でも男女ともに大腸がん、胃がんの罹患率が高く、内視鏡での定期的な検査が今や当たり前になりつつある。また、ライフスタイルの変化によって脂肪肝や肝硬変が増加しており、肝臓疾患に関する専門的な検診も、病気の早期発見・治療、がん予防において必要不可欠な時代となっている。「山田駅前もりした内科クリニック」は、内科全般に対応しつつも内視鏡検査と肝臓内科という2つの専門性を発揮。森下直紀院長は日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、日本肝臓学会肝臓専門医の資格を持ち、大学病院や市民病院で消化器診療に携わってきた。その経験を生かし、町のクリニックでありながら高度な検査と治療を実践する院長に、同院ならではの特徴について話を聞いた。
(取材日2024年7月11日)
目次
専門家による苦痛の少ない内視鏡検査と高度な肝臓診療で、消化器がんや消化器疾患の早期発見・予防に注力
- Qこちらのクリニックの特徴を教えてください。
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A
▲内視鏡と肝臓内科、2つの専門性を併せ持つ森下院長
当院は町のクリニックとして内科全般と発熱症状に対応する外来など幅広い診療ニーズに対応しながら、内視鏡検査と肝臓内科という2つの専門領域から、がんをはじめさまざまな消化器疾患の早期発見・治療に力を入れています。大阪大学医学部附属病院や箕面市立病院などで消化器疾患の専門的な診療に携わってきた知識と経験を生かし、専門的な検査・治療を患者さんが通いやすい身近な場所で実践。内視鏡検査においては胃や大腸ポリープ、ピロリ菌感染症などを早期に発見してがんのリスクを抑えることをめざし、肝臓内科においてはB型・C型肝炎といったウイルス性疾患や脂肪肝や肝硬変などの肝機能の異常を診察し、適切な治療へつなげていきます。
- Q内視鏡検査ではどのような点を大切にしていますか?
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A
▲内視鏡検査では苦痛の少ない検査方法を追求している
胃カメラによる上部消化管内視鏡検査と大腸カメラによる下部消化管内視鏡検査の両方を実施しており、その中で大切にしているのが「苦痛が少なく安心して受診できる検査」という点です。鎮静剤を用いて負担を軽減することはもちろん、がんにつながるポリープの切除にも対応。また、胃カメラとは別に嘔吐反射や挿入の苦痛が少ない経鼻内視鏡も用意するほか、大腸内視鏡検査では前処理の段階から負担が少ない腸管洗浄液を採用し、空気を素早く吸収する炭酸ガス送気で検査後のおなかの張りや不快感を軽減するなど、さまざまな角度から工夫を実施。誰もが気軽に、安心して検査を受診できる環境づくりが、早期発見の第一歩だと考えています。
- Q肝臓内科での検査や治療について教えてください。
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A
▲専門のドクターの知見を生かして、正しい診断を心がけている
肝臓は自覚症状が現れにくく「沈黙の臓器」といわれています。しかし、人間ドックを受診した人の約3割が肝機能の障害や肝臓数値の異常を指摘されているというデータもあり、専門的な検査や治療が必要とされています。当院では日本肝臓学会肝臓専門医である私が診療にあたり、B型、C型肝炎や肝硬変、肝がんなどの専門的な治療を行っています。C型肝炎であれば副作用の少ない経口薬も登場していますし、検査においても一台で肝臓の硬度測定と超音波検査ができる高性能検査機器を備え、より迅速にがんリスクを評価。院内だけでなく状況に応じて他の医療機関との連携を図り、患者さん一人ひとりに合った適切な診療環境の提供を行っています。
- Q早期発見につなげるために取り組んでいることはありますか?
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A
▲同院では、正しい情報を患者に届けることにも注力している
検査に対する痛い、つらいといったマイナスイメージと同様、誤った認識や病気について「知らない」という状況も、受診を阻む要因の一つです。当院では消化器の専門クリニックとして、患者さんへの情報発信に力を入れています。例えば、ピロリ菌は一度除菌すれば安心と思っている人がおられますが、実は胃がんのリスクは残り続けています。また、C型肝炎ウイルスに感染すると多くの方が慢性化するといわれます。一度慢性化すると自然に治癒することはなく肝硬変にもつながります。こうした正しい情報を伝えることが患者さんの意識を高め、定期的な検査受診、ひいては早期発見・治療につながるはず。専門的なアドバイスも積極的に行っています。
- Q2つの専門的な医療を同時に受けられるのはありがたいですね。
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A
▲どんな些細な悩みでも、まずは相談に来てほしい、と話す森下院長
内視鏡検査も肝臓疾患の診療も、どちらも高い専門性が求められる分野です。近年では細分化され専門的なクリニックが増える中で、「この症状であればこのクリニック」「この検査であればこの病院」と、使い分ける患者さんもおられるでしょう。複数の専門性を持つ当院ではさまざまな診療ニーズに応えることができ、専門的かつ総合的な観点からのアドバイスができるという点が、患者さんに提供できる大きなメリットだと思っています。今後、地域の高齢化に伴って訪問診療や往診にも対応するなど、さらに診療の幅を広げていく予定です。さまざまな角度から病気の予防を促進し、地域の方々の健康づくりに貢献していきたいと考えています。