塚田 洋樹 院長、三島 就子 先生の独自取材記事
あんどこどもクリニック イオンモール多摩平の森
(日野市/豊田駅)
最終更新日:2024/06/25

豊田駅北口から徒歩3分の大型ショッピングモールの中にある「あんどこどもクリニックイオンモール多摩平の森」。施設のシンボルでもある「湧き水の広場」に面し、カフェのようにたたずんでいる。迎えてくれたのは院長の塚田洋樹先生と、「母性内科」を専門とする三島就子先生。2人とも穏やかな笑顔が印象的だ。ロゴマークにもなっている象のイラストが院内のあちらこちらに描かれているので、喜ぶ子どもも多いだろう。病院に連れて行こうとすると嫌がる子どもも、ここなら楽しく通えそうだ。子どもたちはもちろん、産前産後の母親の健康も内科的なアプローチから支えることを目標としている同院。アースカラーで彩られた心地良い院内で、塚田院長と三島先生に診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2023年6月3日)
年中無休で子どもと母親の健康を守るクリニック
クリニック名もロゴマークもかわいらしいですね。

【塚田院長】ありがとうございます。クリニック名の「あんど」には、皆さんの「第3の家族」として一緒に子育てしたい、誰もが安堵できる場所にしたいという思いを込めています。ロゴマークの中心にある「&」はクリニックを、その周りに配置した象はスタッフを表現しているんですよ。子どもを集団で育てる象がふりまいた水で虹がかかり、植物が育ち、地域が豊かになっていく様子を描きました。これは当院の目標でもあります。
クリニックの特色を教えてください。
【塚田院長】当院は休診日を設けずに、年中無休で診療しているところが一番の特色です。小さなお子さんは急な発熱も多いので「いつでもかかれる」ことを大切にしています。一般診療と予防接種・健診は出入り口は別にして、隔離室も設けるなど感染症対策にも配慮してあるので、安心して受診していただけるでしょう。風邪の場合は親子同時に受診していただけることや、毎週月曜日には「母性内科」の診療日を設けているのも当院の特徴だといえます。
「母性内科」とはどのようなものなのでしょうか。

【三島先生】「母性内科」とは、妊婦のための内科のことです。妊娠を希望する方や妊娠中の方、授乳中の方などを対象としています。妊娠中には内科的なトラブルもいろいろと発生しがちです。例えば、妊婦健診では尿たんぱく陽性の結果が出る方が少なくありません。それに対して「母性内科」では、妊娠以外の要因はないのか、すぐに治療すべきなのかなどを調べていきます。妊娠中や授乳中に頭痛や風邪に苦しんでいても、「絶対に薬は飲まない」と頑張っている方は少なくないでしょう。当院では、妊娠中や授乳中でも服用可能な薬はありますので、ぜひ相談してほしいです。
妊娠中や授乳中でも服用可能な薬があるのですね。
【三島先生】ええ。出産も子育ても修行ではありません。服用可能な薬を適切に利用することで、無理なく健やかに過ごせると考えています。そして「子どもは1人で十分」という考えにならず、2人目、3人目につながっていくのではないでしょうか。「我慢しないで。まずはお母さんが元気になりましょう」と伝えることも、私たち医師の大切な仕事です。お母さんが健康でいることが、一番お子さんのためにもなりますからね。
母親の健康を「母性内科」でしっかりサポート
三島先生が「母性内科」を専門にしたきっかけは何ですか。

【三島先生】もともとは総合診療が専門でした。その時に、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病の他に、不妊治療がうまくいかず悩んでいる方も診ていたんです。そのような状況から「もっと妊娠についての知識を深めたい」と思っていたところ、出会ったのが「母性内科」という分野だったんです。国立成育医療研究センターで研鑽を積み、東京都立多摩総合医療センターで「母性内科」を立ち上げるなどしました。その後、「大きな病院に来る必要がある方以外にも、母性内科が必要な方もたくさんいるだろう」と考え、より患者さんの身近な場所で診療できる当院に勤務することにしたのです。
塚田院長のこれまでの歩みもお聞かせいただけますか。
【塚田院長】福島県立医科大学を卒業後は、実家に近い松本の病院に勤務していました。しかし、東日本大震災により福島が大変な状況に陥っているのを見て「お世話になったエリアに恩返しをしたい」と戻ることを決意。そうして星総合病院小児科医長や、公立相馬総合病院小児科科長などを務めました。一方、松本にいた時から「先天的な重い疾患を抱えるお子さんの定期通院のため、大変な苦労をしているご家族を助けたい」という思いも強く持っていました。そこで、在宅医療の経験を積むために松戸市のあおぞら診療所新松戸に移動したのです。子どもが重い持病を持つ親御さんたちの不安を和らげられるよう尽力した経験は、今でも役立っています。
診療にあたって大切にしていることをお聞かせください。

【塚田院長】たとえ風邪一つでも親にとっては心配なことには変わらないので、しっかりと寄り添うようにしています。風邪でも1週間くらい熱が続くこともあり、そんなときはやはり親御さんはとても不安ですよね。だからこそ、いつでも受診できるように年中無休にしています。患者さん本人もご家族も「診てもらって安心した」と思っていただけるようにしていきたいです。
【三島先生】お母さんたちに自ら「健康になろう」と思っていただけるようにすることを大事にしています。子育てに忙しくしていると、ついつい自分のケアはおろそかになってしまうものです。私も子育て中なので、その気持ちもよくわかります。でも「お子さんだけではなく自分自身も大事にしてください」という思いで診療にあたっています。
家族皆で足を運びたい頼れるホームドクターをめざして
今後の展望についてお聞かせください。

【塚田院長】365日いつでもかかれるクリニックとして、地域の方々に親しまれる場所になれたらと思っています。そのために、5人の非常勤の先生方との連携を強化していきたいです。また、私自身のライフワークとして福島の小児医療に微力ながら貢献し続けたいと考えています。現在もいわき市医療センターで月に1回は当直を担当し小児救急に携わっていますが、今後も続けていきたいです。
【三島先生】産休・育休中は職場から足が遠のき健康診断も受けなくなってしまいがちなので、当院で「お母さんのための健診」をできるようにしていきたいです。そして健診をきっかけに、もっと「母性内科」のことも知っていただけたらと思っています。現在、複数のクリニックで「母性内科」を担当させていただいていますが、今後とも普及に力を入れていきたいです。
お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか。
【塚田院長】いわき市医療センターに向かう日は新幹線ではなく在来線特急「ひたち」を利用するようにしています。2時間半くらいかかりますが、のんびりと海を眺めながら読書をするのが良い気分転換になっていますね。
【三島先生】2人の子どもたちの「ごっこ遊び」にとことん付き合うのが、ハードではありますがリフレッシュになっています。弟は今戦闘ヒーローに夢中で「戦いごっこ」にしきりと誘ってきますが、悪役はもっぱら私です。姉のほうは今は「眼科屋さんごっこ」が大好きで、私は視力検査を受ける役をしています(笑)。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【三島先生】「母性内科」では妊娠前と妊娠後、出産後すべてを診ています。困ったことがあっても「どこに相談したらいいかわからない」というときにもご利用ください。小児科をメインとしている当院ならば、産後の子育ての悩みなども相談しやすいと思っています。
【塚田院長】当院は大型ショッピングモールの中にあるので駐車場の心配もありません。日曜日などは遠慮せずに、ご家族皆で来てください。当院は診察室も広々としているので、ご家族皆で入っていただけるでしょう。アレルギーや肌荒れなども含め、どんなお悩みでもお子さんはまず小児科に相談するのがお勧めです。必要があれば専門的な医療機関につなげることもできるので、まずは気軽にお立ち寄りください。また小児科での経験が豊富な看護師もそろっているので、小さな悩みでも気兼ねなくお聞かせください。