近藤敬介院長の独自取材記事

こんどう歯科

(半田市／青山駅)

最終更新日：2025/05/15

2024年5月、半田市花園町の戸建てが立ち並ぶ住宅街に開業した「こんどう歯科」。2階建ての真っ白な外観が目を引く。院内は木目調と白でまとめられたナチュラルな空間で、5室ある診療室すべてが、プライバシーに配慮した個室仕様となっている。中には親子で入れる広さのファミリールームもあり、落書きのできるホワイトボードや子ども用の椅子も置かれている。一般歯科から予防歯科、審美歯科、小児歯科、口腔外科まで幅広い診療を行う同院。「関わる人の人生を豊かにする」という理念を掲げ、人と人とのつながりを大切にしたいと考える近藤敬介院長。近藤院長がこの理念に込めた想いや、理念に沿った取り組みについて話を聞いた。

（取材日2025年4月10日）

子育てにも良い環境を気に入り、開業
関わる人の人生を豊かにする歯科医療
アドバイザーとして患者の治療選択を助ける役割

子育てにも良い環境を気に入り、開業

開業して1年ですね。これまでの経歴や開業した経緯についてお話しください。

名古屋市の愛知学院大学歯学部を卒業後は、出身地の豊田市にあるトヨタ記念病院で2年間、麻酔科や整形外科、循環器科などの医科と連携した歯科診療を経験しました。親知らずの抜歯や外傷、骨折などの口腔外科治療など、一般歯科では学べない症例も多かったですね。その後、小児歯科医院や一般の歯科医院で経験を積み、2024年に半田市で開業しました。のんびりとして子育てにも良い環境であることも、この地を選んだきっかけです。患者さまは近隣の方が多いですが、優しくて穏やかな方が多い印象ですね。小学校も近くにあり、ファミリーで来院されているご家族も多いです。私は糖尿病の患者さまの歯科治療も行っており、近隣の医科のクリニックさまとも連携をしながら治療しています。

院内も新しくてきれいですね。クリニックづくりではどんな点にこだわりましたか？

治療室はすべて個室で5室ありますが、そのうちの2室は親子で入れるファミリールームにしました。待合室にキッズスペースをつくる余裕がなかったので、ファミリールームの一角でお子さんが遊べるようにしてあります。いずれは、託児サービスも開始したいと考えています。院内動線も工夫しました。患者さまとスタッフの院内動線を分けている歯科医院様は多いと思いますが、当院ではあえて廊下を広くして分けないようにしています。というのも、メンテナンスの患者さまは、廊下でお会いできればごあいさつもできてコミュニケーションも取れます。他には、待合室にモニターを置き、口腔ケアやかぶせ物の種類などの情報提供をしています。かぶせ物などは複数種類あって、患者さまは説明時に覚えきれないことも多いですよね。なので、当院で作成したリーフレットもお渡ししています。

幅広い診療をされていますが、特に注力している治療はありますか？

まずは予防歯科ですね。近年は虫歯も減り、トラブルのある患者さまは少ないです。虫歯のない患者様は、自分の歯がどんなにすごいのかを理解されていない方も多いので、画像の見方を説明しながら、トラブルがあるとお金と時間を費やしてしまうことなども話し、「今の状態を生涯維持するためにもホームケアが一番大事なんですよ」と、お伝えしています。患者さまが自分の歯磨きで手が届かない部分を私たちがケアをし、その両輪で健康な歯を維持していきたいですね。また、根管治療は、患者さま要因が排除されて、歯科医師の技術が試される治療なので、やりがいを感じています。歯科用CTやライトつきマイクロスコープなど先端機器を活用して、質の高い治療を提供しています。昔治療した歯を再治療するなど、困っていることがあればご相談ください。

関わる人の人生を豊かにする歯科医療

クリニックの理念を教えてください。

「関わる人の人生を豊かにする」というのが当院の理念です。患者さまや当院スタッフはもちろんですが、歯科材料の業者さまや職員の家族、地域の方などすべての人から「関わって良かった」と、思ってもらえるようなクリニックをめざしてこの理念を考えました。周囲の人を大切にすることで、自分が困った時にも助けてもらえると思っています。「豊かにする」といっても人それぞれ価値観も違いますが、その人の成長やその人にとってプラスになることを提供することが大事だと思います。スタッフについても、この先に他院や他業種に転職するかもしれませんが、たとえそうなったとしても、当院での学びが次のステップになるようにと考えて指導しています。

スタッフさんにはどんなことを伝えているのですか？

自分と患者さまと当院、この3つの視点で考えてほしいと伝えています。仕事で悩んだ時は、3つの視点から考えて問題を解決できるようになってほしいのです。私は、クリニックの成長も個人の成長がないと成り立たないと考えているので、スタッフのスキルアップ勉強会も積極的に支援しています。毎月のミーティングでは、私の価値観や仕事観などを伝えたり問題を共有したりしていますが、これは成長にはとても大切なこと。共通意識を持って取り組もうとすることは必ず未来に返ってきますから、ミーティングは、将来への投資と考えています。問題解決や目標設定ができる人材に成長しますし、目標設定ができるということは逆算して自分にとって今何が必要かを考えられるようになります。

スタッフ教育についても信念をお持ちなのですね。

技術的なことはもちろんですが、それ以外のヒューマンスキルや問題解決能力などについても伝えていきたいですね。スタッフもそうですが、患者さまとクリニックの相性も大事だと思っています。例えば、当院ではスタッフ採用に関しても、見学をしてもらってそこで私の考え方を伝えてから改めて面接を希望するかどうかを確認します。患者さまに対しても、どういう理由でどんな治療が必要なのか、現状を丁寧にご説明した後、患者さまの希望を聞いています。一方的に治療を押しつけてしまうと、信頼を失ってしまうと考えています。患者さまが自信を持って決めることを助けるのも、私たちの仕事の一つだと思っています。当院の考え方に共感していただける患者さまの人生を豊かにするお手伝いをしていきたいです。

アドバイザーとして患者の治療選択を助ける役割

患者さまに対してどんなことに重点を置いて診療されていますか？

治療の見通しをはじめ、治療回数や麻酔をするのかしないのかなど、細かく説明をしています。初診の説明では、検査画像や数値をお見せするだけでなく、アニメ動画も交えてわかりやすさにもこだわっていますし、カウンセリングルームもありますので、個室で落ち着いてご相談することもできます。私が考えるスタンスは、提案した治療内容などを患者さまがご自分で決められるようにするためのアドバイザー的な役割です。抜歯を例にすると、歯を抜くというのは患者さまにとって喪失感が大きく、決断しづらいものですが、きちんと説明して患者さま自身が納得できれば決断もできます。ですから、そこは時間を割いてでも患者さまが理解し、納得できるまで説明をします。期待を持たせることはしませんが、突き放すこともしません。専門家としての立場からどうすることが適切なのかを論理的にお話ししています。

今後取り入れたい治療はありますか？

小児のMFT（口腔周囲筋機能療法）も提供していきたいので、現在、勉強中です。呼吸の仕方や食べ方、飲み方などを指導することによって、成長期のお子さんの口腔周囲筋が鍛えられ、顎の成長を良い方向に導くことを目的としています。小児矯正が必要になる前にMFTで改善を図れればいいですね。いずれ矯正が必要になっても、MFTをしたことによって矯正期間の短縮化につながればいいなと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

先ほどもお話ししたように、めざしているのは「来て良かった」と思ってもらえるような診療です。この理念と患者さまが求めていることが違ってしまうと良い結果になりませんから、患者さまに共感して来ていただけるよう、私たちスタッフもしっかりとご相談に応じられるよう努めています。まずはお悩みを解決するため、詳しい検査をし、診断してから丁寧にご説明していきますので、ぜひご相談ください。