どちらを受診すべき?
小児科と耳鼻咽喉科の違いとは
おおはた耳鼻咽喉科クリニック
(池田市/池田駅)
最終更新日:2024/06/28


- 保険診療
子どもの急な鼻水や咳といった風邪症状、耳鼻咽喉科と小児科のどちらを受診するか戸惑う保護者も多いのではないだろうか。「耳鼻咽喉科は、鼻づまり、鼻水、咳、喉や耳の痛みといった首から上の症状を受診の目安にされると良いでしょう」。そう話すのは、豊富な臨床経験を持つ耳鼻咽喉科の専門家で、子どもの耳・鼻・喉の問題解決にも情熱を注ぐ「おおはた耳鼻咽喉科クリニック」の大畠和也院長だ。風邪だと思っても実はアレルギーであることも少なくない。また、いびきも見逃せないサインだという。「子どものいびきで多いのが口蓋扁桃肥大やアデノイド増殖症。睡眠時無呼吸症候群の原因にもなり得ます」と、早期発見に注力しているのだそう。そんな異常の早期発見・早期改善にも努めている大畠院長にどんな症状の時に耳鼻咽喉科を活用すべきか聞いた。
(取材日2024年6月17日)
目次
子どもの風邪症状は耳鼻咽喉科と小児科のどちらを受診すべきか、そのポイントを解説
- Qどんな症状の時に耳鼻咽喉科を受診すべきでしょうか。
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A
▲耳鼻咽喉科と小児科、それぞれの特徴について話す院長
大きく分けると、耳鼻咽喉科は耳、鼻、喉に特化した診療科、一方小児科は子どもの全身を診ることに長けている診療科というふうに考えていただけるとわかりやすいかもしれませんね。耳鼻咽喉科は、耳・鼻・喉の処置や検査、例えば耳垢を取ってその奥をしっかり観察したり、鼻水の吸引や内視鏡検査の実施など、各部位に特化した診療が可能。耳・鼻・喉をより詳しく精査できる点が強みになります。医師のキャリアによっても診療範囲は異なると思いますので、耳鼻咽喉科と小児科がお互いの得意分野を生かし、専門分野以外の部分を補い合う連携体制が望ましいと言えるでしょう。当院でも小児科で勧められて来院されるケースが多々あります。
- Qどちらを受診するべきか迷う際の判断基準を教えてください。
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A
▲体のどの箇所に症状が現れているのかが、一つの判断基準となる
症状が耳・鼻・喉だけに特化していれば、耳鼻咽喉科を受診されると良いと思いますが、例えば鼻水と腹痛といった場合は全身の診療が可能な小児科を選択されることをお勧めします。首から上は耳鼻咽喉科、首から下の症状もある場合は小児科と考えると判断の目安になるかと思います。もちろん、当院に来られて、耳・鼻・喉以外にも疑わしい所見があれば、小児科に限らず適した機関をご紹介しますので、迷われる際は気にせず来院してください。中には親御さんが気づきにくい症状もありますし、そのままにしておくのが一番良くありませんので、どの診療科を受診すれば良いか知るための窓口としても当院をご利用いただければと思います。
- Q耳鼻咽喉科での処置はどのような症状の時に必要ですか?
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A
▲鼻炎や耳垢の詰まりなどの症状が見つかり、受診するケースが多い
一番多い処置は鼻水の吸引ですね。耳は耳垢を取ってその奥を観察したり、中耳炎が悪化した状態ですと、鼓膜に小さい穴を開けて膿を出す鼓膜切開という処置をするケースも。これは耳鼻咽喉科ならではの処置になりますね。学校検診で指摘を受けた子で圧倒的に多いのが鼻炎と耳垢の詰まり。鼻炎はアレルギー性鼻炎や花粉症も含めてですが、年々増えているように感じます。検診では副鼻腔炎はわかりにくいため、鼻炎の指摘を受け来院されたお子さんを詳しく検査すると副鼻腔炎であることがわかることも少なくありません。また耳垢は個人差が大きいのですが、溜まりやすいお子さんに関しては、3ヵ月から半年に一度のペースでの受診をお勧めします。
- Qお子さんの場合、どのように検査・診断を行うのでしょう。
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A
▲さまざまな検査・診断に柔軟に対応している同院
最近はアレルギーなどの知識をお持ちの親御さんが多くなったこともあり、アレルギー検査希望で来院される方も増えました。その場合は血液検査を実施。数値で判断いたします。ダニやスギ花粉に関しては対症療法に加え、舌下免疫療法といって、症状の原因となるアレルゲンを少しずつ体内に取り入れながらアレルギー反応を弱めていくことをめざす治療法をご提案することもできます。それ以外は基本的に視診、場合によっては鼻から細い内視鏡を入れて観察することで、診断につなげます。また副鼻腔炎や鼻骨骨折などの疑いがある方にはCT検査を行い診断を行う場合もあります。
- Qお子さんの疾患で気づきのポイントがあれば教えてください。
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A
▲子どもの様子に違和感を覚えた際には、早期受診を
いびきですね。意外とそのままにされやすいのですが、子どもがいびきをかく原因のほとんどは、口の奥にある口蓋扁桃肥大、もしくは鼻の奥にあるアデノイドが大きいことが原因なんですね。これは子ども特有の症状になるので、大人のいびきとはメカニズムが異なります。放っておくと睡眠時無呼吸症候群の原因にもなり得るため、お子さんのいびきが続くようでしたら、一度受診されてください。また、片方の耳だけ聞こえていない場合、もう片方の耳が聞こえている分、本人や周りの人も聞こえていないことに気づきにくく、早期発見が難しいので、それぞれの耳に呼びかけて反応を見るといったことも試していただきたいなと思います。