沼崎 令子 院長の独自取材記事
メディカルパークダイレクトタワー横浜
(横浜市神奈川区/横浜駅)
最終更新日:2024/07/04

横浜駅きた西口直結の新しい複合施設「ヨコハマフロントタワー」のクリニックモールに、2024年5月に開業した「メディカルパークダイレクトタワー横浜」。沼崎令子院長は、長年、横浜市立大学医学部産婦人科に所属し、大学病院や県立がんセンター、横浜南共済病院などで婦人科腫瘍治療や、分娩などの周産期医療、婦人科良性疾患手術、女性ヘルスケアなどにも幅広く携わってきた医師だ。その経験と知識を生かし、多くの女性が抱える症状や悩みを解決し、地域に還元したいと院長に就任したという。洗練された雰囲気の院内には、女性が受診しやすく気軽に相談できるクリニックにしたいとの沼崎院長の思いが、隅々まで行き届いている。そこで、沼崎院長に、同院の特徴や院長就任までの経緯、地域医療への思いなどを聞いた。
(取材日2024年6月14日)
駅からダイレクトに受診。便利な産婦人科クリニック
まず、こちらのクリニックの概要を教えてください。

近隣の大学病院や中核病院、法人グループとのネットワークを生かしながら、産婦人科領域の幅広い悩みや症状に対応するクリニックです。子宮がん検診や、HPV検査、コルポスコピーなどの精密検査、妊婦健診、流産の手術、不妊治療などにも対応し、手術と分娩以外はだいたいのことができるかなと思っています。スタッフは全員女性で、土曜日も夕方6時まで診療しているのも特徴です。私自身、病院に勤務していた頃、平日にクリニックを受診するのは無理でしたから、多忙な方も来ていただきやすいようにと考えました。また、診察室や内診室は広いスペースを確保してありますので、ベビーカーでお子さん連れの方や、体の不自由な方や高齢で車いす利用の方、付き添いの方も安心して来ていだだけると思っています。流産の手術後の方や、貧血で具合の悪い方、つわりの患者さんなどに休んでいただくためのリカバリールームも用意しています。
同じグループのクリニックとの連携体制が整っているそうですね。
そうです。当院が所属しているグループには、高度な不妊治療や内視鏡手術、無痛分娩を含めた分娩を行うクリニックなどが多数ありますから、それぞれの得意な分野を生かして連携を行います。不妊治療については、当院では一般的な血液検査、子宮鏡検査、フーナーテスト、タイミング療法や人工授精に対応します。体外受精については横浜駅東口にある「メディカルパークベイフロント横浜」にご紹介することになります。妊婦健診は30週まで当院で行います。また、ここは小規模な病院のように各診療科がそろうクリニックモールで、検査設備の共同使用などの連携体制も整っています。ですから、整形外科クリニックにある骨密度検査機器を利用して、骨粗しょう症の治療や予防にも力を入れていきたいと考えています。
がんなどが見つかった場合の連携についてはいかがですか?

近くの横浜市立大学附属市民総合医療センターや神奈川県立がんセンターをはじめ、周辺の大学病院や中核病院の産婦人科の先生方とは面識がありますので、手術などが必要な場合は、患者さんの希望や症状に適した施設をご紹介することができます。一方で、初期のがんや前がん病変とされる子宮頸部異形成の経過観察、術後のフォローアップの患者さんの逆紹介も受ける予定です。大きな病院には患者さんが集中しがちですから、当院で私が診ることのできる患者さんを引き受けて、地域医療に貢献したいと考えています。
病気だけでなく「人」を診る方針で女性の健康を支える
ところで、先生のプロフィールを教えてください。

子どもの頃、医師が主人公の漫画を読んで、お医者さんになりたくて実際になったという感じです。医学部卒業後はとにかく手術をしたかったので外科系を志望していたのですが、初期研修で各科を回る中で、手術も多く、分娩も興味深いというところから産婦人科に惹かれ、横浜市立大学医学部の産婦人科に入局しました。その後は、大学の付属病院や横浜南共済病院、神奈川県立がんセンターなどに勤務。大学病院や神奈川県立がんセンターでは卵巣がんや子宮がんなど婦人科腫瘍治療分野を専門として治療に携わり、地域の中核病院では婦人科良性疾患手術、分娩など周産期医療、更年期障害や骨粗しょう症といった女性ヘルスケアまで幅広く経験してきました。
こちらの院長に就任されたきっかけは?
前職で、横浜南共済病院の産婦人科部長を8年務めていました。大きな病院では、管理職になると現場に出ることが減り、代わりに会議や事務的な仕事が増えます。せっかく30年間、産婦人科医師としてがんの治療から分娩まで幅広く取り組み、手術も嫌というほど執刀してきたので(笑)、その知識や経験を生かしたい、地域の幅広い世代の女性に還元したいと考えるようになってきたのです。また、私自身、ずっと仕事と子育てを両立してきたのですが、娘が医師となり独り立ちしたので、そろそろ後進に譲る時期かなという思いもありました。そこで2023年に法人グループに入職し、当院の開業に備えてきました。
診療の際、大切にされているのはどのようなことでしょうか。

まず、患者さんがよく理解してくださるように丁寧にわかりやすく話すということですね。診察室では、あまり診療時間を取れないこともあるので、わかりやすいパンフレットを自分で作成して、必要な患者さんにはお渡しするようにしています。また、がんの患者さんを多く診てきた中で、がんの治療だけではなく、更年期障害への対応や心理面のサポートなどが必要になることを経験しました。治療を始めるところから亡くなられるまで長くお付き合いすることも多いですし、がんの患者さんはとても悩まれることが多いですからね。その中で、病気だけを診るのではなく、その人を診ること、その人全体を診ることが必要だということを学び、それは今も常に心がけています。
専門的な診療にも対応するクリニックとして地域貢献を
産婦人科の専門家として、気になることがありますか?

婦人科はやはり敷居が高く、受診しにくいという方が多いことですね。高齢の方で不正出血があってもなかなか受診されず、来られた時にはがんがかなり進行していることもあります。年齢に関わらず、いつもと異なる下腹部の症状があれば婦人科を受診してほしい。婦人科領域の問題ではないかもしれませんが、女性の健康の窓口として、まずは婦人科を受診していただければと思います。あと、やはり検診を受けることは大切です。胃がんや大腸がんも同じですが、検診を受けず、症状が出てからでは、大きな病気になっていることもあります。特に子宮がんは検診で見つけやすいがんですので、毎年受けてください。当院では、子宮がん検診はもちろん、精密検査にも対応していますので、安心してお越しください。
今後の展望について聞かせてください。
クリニックに来られる患者さんは、がんのように命に関わることでなくても、何らかの悩みや症状を抱えて困られているわけですから、今までの経験を生かしつつ、よくお話を聞いて解決を図っていきたいと思っています。また、大学病院やがんセンターには多くの患者さんが集中して、一人の患者さんにあまり時間がかけられないことがあります。一方、一般の婦人科クリニックでは精密検査や不妊治療など専門的な対応が難しいことがあります。ですから、私の経験と、当グループや他の医療機関とのネットワークを生かして、なんでも幅広く相談でき、かつ専門的な対応も可能なクリニックとして、地域に貢献していきたいと考えています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院は、月経の悩みや子宮がん検診から、妊婦健診、不妊治療まで産婦人科の幅広い症状や悩みに対応するクリニックです。子宮がん検診で要精密検査になった場合の検査や経過観察は私の専門分野ですから、ぜひご相談ください。こうした前がん病変の経過観察や、子宮がんや卵巣がんの手術後のフォローアップ、骨粗しょう症診療などにも積極的に取り組んでいきたいと思っています。お子さんから高齢の方まで、女性特有の悩みや症状について心配なことがあれば、なんでも気軽にご相談ください。気軽に利用できる産婦人科クリニックとして活用していただいて、多くの女性の健康を支え、さまざまなライフステージをサポートしていきたいと考えています。横浜駅からすぐの場所にありますので、お忙しい方もお昼休みやお仕事帰りに寄っていただければと思います。