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伊藤 真吾 院長の独自取材記事

いとしん整形外科

(堺市東区/初芝駅)

最終更新日:2025/08/07

伊藤真吾院長 いとしん整形外科 main

初芝駅前の真新しいクリニックビルで、青と白の爽やかな空間が印象的な「いとしん整形外科」。伊藤真吾院長は「診察は診察室のみにあらず」という信念のもと、待合室から患者の名前を呼びに行き、その立ち上がり方や歩き方から診察を始める。長年救急科医として培った観察眼と、整形外科医としての専門性を併せ持つ異色の経歴。「困ったら何でもいいと思うんです。とりあえず来てください」と語る姿には、かつて憧れた医療漫画の主人公のように何でも診られる医師への思いが込められている。開業から1年余り、リハビリテーションの需要が想像以上に高まり、スタッフも当初の倍以上に増員。救急と整形外科を融合させた新しい地域医療のかたちについて話を聞いた。

(取材日2025年7月12日)

救急科医を土台とした整形外科医が実現する幅広い診療

救急科を標榜する整形外科クリニックというのは珍しいですね。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科1

コロナ禍で発熱の外来の募集があり行ったクリニックで、非常勤として働いていた馬場先生と出会ったんです。その後、馬場先生から「救急に長けた医者をそろえたい」と声をかけていただいて。正直、救急をどう開業の中で生かせるのか気になりました。でも、このクリニックビル自体が救急科をコンセプトにしており、各科が連携して病院のような機能を持つという構想を聞いて、これは面白いと思いましたね。実際に開業してみると、「困ったらどこに行けばいいかわからない」という患者さんが意外と多くて。やけどや子どもの頭部打撲など、皮膚科か内科か外科か悩むような症状でも、まず診させていただいて、必要があれば適切な専門科に紹介する。そういう医療の総合窓口としての役割を果たせているのは、救急科医としての経験が生きていると感じます。

医師をめざしたきっかけや救急科医から整形外科医になった経緯を教えてください。

小学5年生の時にある医療漫画の連載が始まって、それを読んで「すごいな」と思ったのが始まりです。何でもできる医師の物語で、「この科しか診れません」というよりすべて診たいという思いがありました。救急病院の密着番組なども見て、重症な方が元気に帰るというのに憧れたんです。ただ、救急をやる中で、やはり専門的な知識は必要だと痛感しました。交通事故や頭やおなかのけがだけでなく、手足のけがもよくあります。また、僕自身が水泳やバスケットボールをしていて整形外科の先生にお世話になった経験もあり、スポーツ絡みなら整形外科だなと。救急科医として過ごすのかなと思っていたところへ開業の話をいただき、救急の経験を生かしながら整形外科医として地域に貢献できる今の形は、まさに理想的だと思っています。

クリニックビル全体での連携システムについて詳しく教えてください。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科2

当院にはエックス線も含めて画像診断機器が一切ないんです。それらはすべて連携する1階の「ばば脳神経外科・救急科・健診クリニック」に集約されていて、画像撮影が必要な際はばば脳神経外科・救急科・健診クリニックで行います。各クリニックがそれぞれ機器を買う必要がないので、運営コストも抑えられます。患者さんにとっても大きなメリットがあって、通常なら「MRIを撮りたいので大きい病院に予約して、何月何日に行ってください」となるところが、その日のうちに撮影して結果を聞ける。しかも、検査場所での費用も発生せず、患者さんのファイルを渡して受け取るだけ。内科、脳外科、整形外科がそれぞれの専門性を持ちながら、「入院施設がないだけの病院」のように機能している。これは全国的にも珍しいシステムだと思います。

一人ひとりに適したリハビリに注力

特に力を入れているリハビリの特徴を教えてください。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科3

当院では理学療法士、作業療法士が患者さんに一対一でついてリハビリをします。運動習慣のない方も多いので、短期間のリハビリでも目に見えて効果が出てくることが望めます。開業時は理学療法士と作業療法士合わせて4人でスタートしましたが、需要が予想以上に高く、今では非常勤を含め10人以上に増員しました。それでも、本来なら週2回来ていただきたい方に週1回しかご案内できないこともあるんです。朝礼では理学療法士と画像を見ながら「この患者さんはこういう状態です」と情報共有し、リハビリスタッフからも積極的に質問が来る。この連携があるからこそ、一人ひとりに適したリハビリを提供できています。

しびれ専門の外来ではどのような診療を行っているのでしょうか?

「しびれ」というのはなかなか取れにくい症状で、お困りの方が多いんです。そこで、近くの病院でしびれを専門にされている先生に来ていただいて、専門家に診てもらう機会を作りました。専門家に診てもらうことで、患者さんも安心感を得られると思います。実際、しびれの外来の需要は高いと感じています。手術が必要な方は専門の病院で手術を行い、術後のリハビリは当院で行うという連携も取っています。患者さんにとって最善の治療を受けられる体制を整えることが、地域医療では大切だと考えています。

スポーツ整形の診療もされていますね。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科4

スポーツ整形にも対応しているので、野球やサッカーなどスポーツでお困りの方もよく来院されます。私自身長年スポーツをしてきた経験から、医師から「しばらく使わないでください」と言われても練習を休めない選手の気持ちもよくわかります。なので、少しでも痛みの緩和を図れるように機器なども備えています。また、骨粗しょう症の検査・治療にも力を入れています。特に60歳以上の女性は注意が必要です。今は骨粗しょう症に対するお薬もあるので、転倒による骨折で寝たきりになるリスクを下げることも期待できます。

患者の立場に立った診療で地域医療に貢献

「診察は診察室のみにあらず」という独特な診察スタイルについて教えてください。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科5

整形外科では特に、膝や腰が痛いと来られる方の場合、座ってからの診察だけではわからないことが多いんです。実際に歩いている姿、立ち上がる姿を見て初めて「ああ、こうなんだな」とあたりがつく。だから初診の方は特に、私が待合室まで名前を呼びに行きます。お名前を呼んだ時の反応、表情、待合室からの立ち上がり方、歩く姿、歩幅、速度。これらすべてが診断につながる重要な情報なんです。診察室で「ここでちょっと歩いてみて」と言われても距離が短いですし、患者さんも構えてしまう。自然な動きを観察することで、より精密な診断ができると考えています。これは救急科医時代に培った観察力が生きていますね。

診療で心がけていることや、患者さんとのコミュニケーションについて教えてください。

医療用語は極力使わないようにしています。例えば、私たちが携帯電話のお店で説明を受けても「何それ?」となるのと一緒で、患者さんがご存じないことはよくあります。使う時は必ず「こういう意味の」という注釈をつけます。また、できるだけ患者さんの顔を見ながらお話しするよう心がけています。よく「パソコンばかり見て自分を見てくれない」と言われる方もいますが、私はその分カルテを書くのが遅くなって残業になっても、患者さんとの対話を大切にしたいんです。高齢の方は特に、先生との会話を大事にされますし、一人暮らしの方も多いので、家に帰ってからの生活まで考えて診療しています。

読者へのメッセージをお願いします。

伊藤真吾院長 いとしん整形外科6

30〜40代の方々は、ご自身も忙しい中で親御さんの健康も気になる年代だと思います。親御さんが足腰の痛みで悩んでいたら、ぜひリハビリをお勧めください。薬や湿布だけでなく、体を動かすリハビリで改善が期待できることが多いんです。また、救急科も標榜していますので、「これってどこに行けばいいの?」と困った時は、とりあえずご相談ください。予約なしでも診察しますし、予約枠も設けています。土曜診療や平日19時まで診療していますので、お仕事帰りにも受診しやすいと思います。骨粗しょう症の検査も、症状がなくても一度は受けていただきたい。特に女性は必須です。MRIもCTも当日撮影可能で結果もすぐわかる。この利便性を生かして、地域の皆さんの健康を支えていきたいと思っています。

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