富山 潔 院長の独自取材記事
白楽とみやま歯科クリニック
(横浜市神奈川区/白楽駅)
最終更新日:2024/06/21

2024年5月に「白楽とみやま歯科クリニック」を開業した富山潔院長。神奈川歯科大学の保存修復学分野に長年在籍し、研究や教育、そして大学病院での治療に取り組んできた歯科医師だ。大学で培った専門性や新しい診療技術を地域に還元したいと開業したという。診療面では、できるだけ削らずに治すことをめざす虫歯治療や根管治療、歯周病治療といった、歯を守り長持ちさせるための治療に注力する。バイオフィルムについての研究経験を生かして、唾液検査などの専門的な検査や抗菌剤、歯磨材の研究を活用した予防歯科にも取り組む。長らく歯学教育に携わってきたこともあり、専門的な内容もわかりやすく説明してくれるのも親しみやすい。そんな富山院長に話を聞いた。
(取材日2024年5月25日)
高い専門性と大学病院での診療経験を生かして開業
クリニックの特徴を教えてください。

私は、神奈川歯科大学の保存修復科に在籍して、歯を健やかに保ち、できるだけ保存するための歯科診療を研究し、大学病院での治療も行ってきました。その経験を生かし、歯を削る量を少なく抑え、歯を長持ちさせるための治療に注力しています。虫歯が重症化した場合もむやみに歯を抜くことはせず、極力ご自身の歯を残せるような治療計画をご提案します。またオランダ留学で学んだ口腔内疾患の予防についての理論に基づき、高齢になっても健康な歯を残すための治療をご提供していきます。歯質の切削量を最低限に留め、痛みの少ない治療の実践にも努めています。感染症対策については、新型コロナウイルス感染症の流行下で大学病院に勤務していた経験を生かして、高いレベルの感染症対策、安全医療対策の実践を追求していますので、安心していただければと思います。
この地で開業された経緯は?
30年にわたり、大学病院での臨床を経験、新しい治療につながる研究にも取り組み、技術も習得してきましたので、父が入院し、私の開業が不可欠となったところで、こうした大学レベルの知識や診療技術を社会に還元して、地域医療に貢献できればと考えるようになりました。住まいのある茅ヶ崎での開業も考えましたが、良い場所が見つからない中で、この建物と出会いました。駅から近く便利な立地、お子さんから高齢の方まで幅広い世代の方が住まわれており、神奈川大学が近くて学生も多い。高齢の方にも来院してきていただきたくて、1階の診察室を探していて、その点もクリアすることができました。年齢が偏らずに、すべての年齢層の方に貢献できる、私にとって理想的な所だと考えて開業に至りました。
開業の際、こだわったところを教えてください。

歯科というと閉鎖的なイメージがあるので、温かみのある入りやすい開放的な雰囲気にしたいと考えました。留学したオランダは、住宅の窓も大きくてとてもオープンな雰囲気が印象的で、それに影響されているかもしれませんね。設備の面では、精密治療を行うために有用なマイクロスコープや歯科用CTを導入しました。また、今後は予防や治療後の管理にも注力していきたいので、虫歯や歯周病のリスクを診断するための唾液検査システムや、虫歯の進行状況を数値化する光学式う蝕検出装置を導入しました。
虫歯・歯周病などに高いレベルで幅広く対応
診療面の特徴を教えてください。

多様なニーズに応えて、歯を保存するための幅広い治療を行います。例えばマイクロスコープを使用した根管治療など歯内療法も手がけます。歯周病では軽度から、重症の場合、歯周病で失われた歯槽骨の歯周外科手術の際に、歯周組織の再生を促すことをめざす歯周外科治療も実施しており、歯周外科の指導組織で学び、実践しています。さらに、歯の美しさを守ることも重視し、ホワイトニングも行います。インプラントは専門の先生に来ていただき、菌付着が少ないといわれているシステムを採用する計画です。また、虫歯も歯周病も、治療後のメンテナンスが重要ですから、治療後も患者さんのお口の中に責任を持って診ていくこと、治療後の状態が維持できるようにアドバイスしていくことに力を入れています。
先生のご経歴についても教えてください。
大学では保存修復学教室に所属して、研究や教育、臨床に携わってきました。もともと医療関係の仕事に進みたいと考えて、歯科はその中の選択肢の一つだったのですが、実際に歯科医学を学び、研究が臨床を作り出していくことや、研究なしでは新しい治療は生まれないということを知り、のめりこんでいきました。一般的には研究は研究、臨床は臨床というイメージがありますが、研究にも臨床にも携わってきた私は、研究と臨床には垣根はないと思っています。臨床の問題点が研究の新しいテーマとなり、その研究が臨床に生かされる。研究の知識は、必ず臨床にも生きていると思うのです。私は研究と臨床のはざまにいて、どちらにも取り組んできたのが特徴であり、メリットでもあると思っています。
オランダ留学では、どのような研究に取り組んだのですか。

オランダのアムステルダム大学歯科アカデミックセンターに留学し、カリオロジーという分野で、バイオフィルムの研究をしていました。口腔内には、約700種の菌がいてバイオフィルムを構成しています。人間と同じようにコミュニティーを形成して、お互いに影響を及ぼし合いながら、免疫などをつかさどっているのです。バイオフィルムについてある程度のメカニズムは判明していますが、病気を起こす悪玉の菌が増加するメカニズムなど、まだ解明できていない部分も多く、世界の研究者がスクラムを組んで研究しており、私も加わらせてもらっています。私は必要最低限の歯質切削での虫歯治療、精密な根管治療や、重度の歯周病治療の技術も習得していますが、そういった高度な治療が必要とならないようにすることが、めざすところです。そもそも病気を起こさせないようにするために、バイオフィルムがどうして病気を起こしていくのかを解明したいと考えています。
個々の患者のニーズに応え、地域医療への貢献もめざす
診療の際に心がけていることは何ですか?

まずは、患者さんが来院された目的、主訴が一番大切ですから、それの解決を重視しています。その上で、お口の中のどこに問題があるのか、客観的な立場からの問題点をきちんと示すことを心がけています。というのも、歯周病はサイレントディジーズといわれていますし、虫歯も初期の頃は自覚症状がないことが多く、お口の中には、患者さん本人が気づかれていない問題が多いのです。痛くなって歯科に来られた時には、進行した状態になっており、大がかりな治療が必要になることも。ですから、痛みのない段階で来院していただければ、できるだけ削らない治療をめざすことができ、歯を長持ちさせることにつながるということを理解いただきたいと思っています。また、歯科は苦手というようなイメージを持たれている方も多いので、気軽に受診していただけるように明るく話しやすい雰囲気も心がけています。
今後の展望について聞かせてください。
私の憧れの歯科医師の一人が、山形県の熊谷崇先生です。予防歯科によって地域の虫歯を減らすことに貢献されています。私も、患者さん一人ひとりのニーズに応えつつ、この地域で開業することで地域医療に貢献して、結果を出したいと思っています。例えば、虫歯を減らす、歯周病を健康なレベルまで改善して維持することができたなど、何か結果を出して社会の役に立ちたいのです。日々の診療に追われながら、社会貢献というのはなかなか難しいところだとは思うのですが、日々の診療をコツコツと積み重ねつつ、私に何ができるのか、今、模索しているところです。
最後に読者へメッセージをお願いします。

高齢になっても健康を保つためには、定期的に歯科検診を受け、正しいセルフケアの実践、治療が必要な場合はできるだけ歯を守ることをめざす治療を受けることが重要です。まずは気軽に来ていただける歯科医院をめざしていますので、なんでもご相談いただければと思います。私は大学に身を置いて尊敬する3代の日本の教授とオランダの教授から教わって世界的な知見を研究してきましたから、歯の健康について、根拠に基づいた適切なアドバイスができると僭越ながら思います。また治療に取り入れるために、常に学び続け、知識を更新して新しい治療技術も習得してきました。常に技術と知識をアップデートしていきますので、今まで培ってきた専門家としての知識と診療技術を提供して、地域の皆さんの歯とお口の健康を守っていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/ホームホワイトニング:4万1500円~、オフィスホワイトニング:3万1500円~、唾液検査/4532円、セラミック治療/13万2000円~