全国のドクター14,012人の想いを取材
クリニック・病院 156,422件の情報を掲載(2025年9月10日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市神奈川区
  4. 白楽駅
  5. 白楽とみやま歯科クリニック
  6. 富山 潔 院長

富山 潔 院長の独自取材記事

白楽とみやま歯科クリニック

(横浜市神奈川区/白楽駅)

最終更新日:2025/08/12

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック main

神奈川歯科大学に長年在籍し、保存修復学を専門に研究や臨床、教育に取り組んできた富山潔先生。培った専門性や治療技術を地域に還元したいと、2024年5月に開業したのが「白楽とみやま歯科クリニック」だ。昔ながらの商店街が残り、学生が行き来する活気のある町での診療について、富山院長は「開業から1年を経て、地域の皆さんとの関わりが深くなってきたことをうれしく感じています」と笑顔で話す。長く良好な口腔状態を維持するために、できる限り歯を削らず治すことを方針とし、多様な治療に取り組む富山院長に、めざす歯科医療や今後の展望などについて聞いた。

(取材日2025年7月1日)

多様な選択肢を用意し、できる限り歯を残す治療を実践

まずはクリニックの特徴を教えてください。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック1

科学的根拠に基づく診療を実践しているのが最大の特徴です。私の専門は保存修復学で、歯を健やかに保ち、できるだけ保存するための歯科診療を研究しながら、大学病院での治療も行ってきました。歯科保存の基本は、歯をできるだけ削らずに治療するミニマルインターベンションの考え方。そこで当院では、むし歯や歯周病が進行してしまった場合にも、すぐに抜歯を選択するのではなく、できるだけご自身の歯を残すための治療計画をご提案しています。そのために、保険診療を軸としながらも、マイクロスコープを駆使した根管治療や歯周外科治療、リングリテーナーを用いたコンポジットレジン修復など、自由診療も取り入れ、豊富な治療の選択肢をご用意しているのが特徴です。また、オランダ留学を通して学んだ口内疾病予防の理論の実践として、予防・管理にも積極的に取り組んでいます。

保険診療と自由診療はどのように使い分けていらっしゃるのでしょうか。

保険診療だけではできることが限られるのも事実です。例えば、むし歯や歯周病を重症化させてしまい「もう抜くしかない」と考えていらっしゃる方に対し、「こんな治療法もありますよ」と自由診療をご提案するようなスタンスです。押しつけるのではなく、あくまで選択肢として用意して差し上げることが大事だと思うのです。一人ひとりの状態に合わせて、「少しでも健康な歯を残すためにできることは何だろう」と考えることからスタートし、必要な治療をお選びいただくようにしています。

歯周病治療にも力を入れていらっしゃいますね。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック2

歯を支える骨と組織に関わる歯周病治療は、歯を残すための土台として欠かせない治療です。ですから、歯周病治療には力を入れています。まずは歯茎の状態を改善するために、保険診療でできる歯周基本治療を基本とするタイプと歯周組織再生療法を保険診療内の患者さんと自由診療内の患者さん、それぞれにあわせて治療し、垂直性に失われた骨の再生療法を行うタイプがあります。専門的な口腔ケアの指導や歯周病の人がかかりやすい根面う蝕の治療も行っています。歯周病は自然治癒することはないので、ぜひ早い段階から適切な治療を受けていただきたいですね。

長年の研究成果を、独自の予防・管理プログラムに活用

バイオフィルムの研究にも注力してこられたとか。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック3

私は、オランダのアムステルダム大学歯科アカデミックセンター(ACTA)に留学し、カリオロジーという分野でバイオフィルムの研究をしてきました。口腔内には800種もの細菌が存在し、互いに影響を及ぼし合いながら免疫などをつかさどっているとされています。これらの細菌は歯面や粘膜に付着してバイオフィルムとなると、病原性が上昇するといわれています。つまり、バイオフィルムをいかにコントロールするかが鍵となるのです。近年では、菌全体を除去するのではなく、良い菌は残すべきという観点での研究も進んできています。また、従来胃酸で死滅するとされてきた口内細菌も、一部生存することもわかってきました。口腔内でも腸内でも、良い菌と悪い菌が共生していて、何かのきっかけに悪い方向へと向かってしまいます。悪い菌は減らして良い菌は残すことを目標として、バランスの取れた口腔環境を作ることが大切なのです。

研究の成果を臨床での予防・管理にも活用されているそうですね。

歯周病治療では、近年「終了」という言葉はあまり使いません。歯周疾患は完治するものではなく、治療で状態が落ち着いた後もずっと管理していく必要があるとの考えからです。研究の進展により、めざすべき指標がわかり、予防・管理のゴールが見えてきました。そこで、これまでの研究の成果を反映させた、予防・管理プログラムを構築し、実践しています。昔からの「歯を磨きましょう」「フッ素を塗りましょう」といった方法だけでは難しかった、口腔内細菌叢の改善をめざすプログラムです。現在はこうした考え方と実践を浸透させる活動にも力を注いでいます。最近では、ホワイトニングは歯を白くすることが望めるだけでなく、口腔衛生環境の改善にもつながっていると報告されています。

研究と臨床は遠いもののように感じますが、関連しているのですね。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック4

私は、「研究は臨床に還元されるべき」と考えています。大きな目標を掲げて研究を進めることで、多領域での可能性が広がるのです。実際、私が携わっているバイオフィルムの研究者が、腸内細菌の研究者とコラボレートするなど、歯科以外の広い分野との連携が進んでいます。口腔内細菌が糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などの発症に関わっていることも示唆されており、口腔環境を整えることが、むし歯や歯周病の予防にとどまらない、全身の健康に大きな影響を及ぼすこともわかってきているのです。このような考え方が広まり、予防・管理の実践につながるよう、啓発を行っています。

患者の生活にまで入り込み寄り添う診療をめざして

スタッフさんの活躍についても教えてください。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック5

歯科衛生士や歯科助手といったスタッフも、大学病院などの現場を経験してきたベテランがそろっています。新型コロナウイルス流行下の病院で感染予防対策に奮闘してきたスタッフもおり、経験を発揮して安心して受診できるクリニックづくりに取り組んでくれています。クリニックはスタッフとみんなでつくりあげていくものというのが私の考え。何でも気軽に話しやすく、アイデアがあれば提案しやすい空気感を大切にしています。また、培ったネットワークを生かし、インプラント治療が必要となった際には専門の先生にお願いできる体制を取ることで、大学病院レベルの治療をめざしています。さらに、質の高い治療を提供できるよう、信頼できる歯科技工所に依頼しているのもポイントで、審美良好な金属のバネを使わない入れ歯にも対応しています。

開業から1周年を迎え、どのような思いを持っていますか。

地域の皆さんとの関わりが深まってきた実感があり、うれしく思っています。子どもの頃から、医師である祖父や父、弟、歯科医師の伯父らが、それぞれ地域医療に尽力する姿を見てきました。患者さん一人ひとりの生活にまで入り込んで寄り添うような診療スタイルで、地域の皆さんに慕われ、信頼されている姿にリスペクトを感じています。科学という観点はもちろん大切ですが、気持ちの面で手本となる医療者の生きざまを、身近で見られたことに感謝しています。私も伯父を見習い、心からの歯科診療でさらなる信頼をつかめるよう努力を続けていきたいと考えています。

今後の展望とメッセージをお願いします。

富山潔院長 白楽とみやま歯科クリニック6

保険診療と自由診療を患者さんのニーズに合わせて選択し、より良い治療を受けていただける体制を整えていきたいですね。お口の中の健康は、全身の健康につながります。健康寿命を伸ばすことを目標に、バイオフィルム研究に基づく予防・管理を含め、未来の歯科医療の新しい形をここから発信できたらうれしいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホワイトニング/ホームホワイトニング:4万1700円~、オフィスホワイトニング:3万1700円~、審美性に配慮した治療/ジルコニアセラミックを用いた補綴治療:16万6700円~、インプラント治療/80万円~、マイクロスコープを用いた根管治療/12万円~、リングリテーナーを用いたコンポジットレジン修復/1万8700円~、歯周外科治療(1歯)/7万円~、ノンクラスプデンチャー/14万1700円

Access