成長の力で歯並びの土台を育てる
口腔筋機能療法主体の小児矯正
くりさき歯科
(福岡市早良区/室見駅)
最終更新日:2026/03/03
- 自由診療
顎の成長を利用し、上下の顎のバランスや歯が並ぶスペースを整える「小児矯正」。顎の骨が成長する小児のうちにしかできない矯正だが、その影響は成人後の口腔内にも及ぶという。小児矯正を行うにあたって重要となるのが、舌や口腔筋をトレーニングする口腔筋機能療法(MFT)だと語るのは「くりさき歯科」の操崎永士院長。「まずは口呼吸や口唇閉鎖不全症、いわゆるお口ぽかんの改善を図り、歯並びが悪くなる根本原因を治すことが大切です」。舌や唇、頬など口周りの筋肉を鍛え、正しい位置と機能を取り戻すための口腔筋機能療法。その基本となるのは、毎日の家庭での練習だ。管理栄養士、理学療法士、耳鼻咽喉科との連携も視野に入れている同院の口腔筋機能療法や小児矯正の診療ステップをレポートした。
(取材日2026年1月28日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q小児矯正のメリットについて教えてください。
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A
歯並びが悪くなる原因の多くは、成長の過程で口腔機能が正しく発達していないことにあるため、口腔筋を鍛える口腔筋機能療法に取り組むことが重要です。その上で、永久歯がきれいに並ぶための土台づくりとして、小児矯正を推奨しています。顎の成長を正しく促すことで、歯が並びきらない状態の顎を大きくするので、もし成人矯正が必要になった場合でも、抜歯が必要とする大がかりな矯正を避けられることが望めます。成長の力を利用する矯正は、小児の時期にしかできません。歯列に問題のある方は舌や口周りの筋機能が不十分なことが多く、大人になってからの改善は難しいため、小児の時期から筋機能と歯列の両面にアプローチしていきましょう。
- Q口腔筋機能療法はどういう状態の時に必要ですか?
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A
まず口腔筋機能療法ですが、本来、顎は口をしっかり閉じ、舌を上顎につけることで正しく広がっていきます。これができない状態が続くと、口腔内は次第に狭くなってしまいます。3~4歳頃の乳歯列は、本来歯と歯の間に隙間がある状態が理想です。この時期に隙間なくきれいに歯が並んでいる場合、顎の発育が不十分な可能性があります。そのまま乳歯の約2倍の大きさの永久歯に生え替わると、歯が並ぶスペースが足りず、歯並びが乱れてしまいます。そのため、まずは口腔筋機能療法で唇と舌の筋肉を鍛え、乳歯列期から混合歯列期に、プラスチック製の床矯正装置やマウスピース型装置を用いた矯正を段階的に取り入れていきます。
- Q口腔筋機能療法や小児矯正を始めるタイミングや適した年齢は?
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A
乳歯が抜け、永久歯への生え替わりが始まる頃、歯と歯の間に隙間がないことに気づいて「歯並びが悪くなるかも」と心配して、相談に来られる方が多いですね。嚥下する力の弱さ、いびきによる成長阻害、口呼吸による脳の血流量の低下など、口腔筋機能は全身の発育にも影響を及ぼしますから、口腔筋機能療法を始めるなら、5~6歳を目安に受診することをお勧めします。マウスピース型装置を用いた矯正は、10歳を過ぎた頃からお話しすることが多く、この年齢であれば口腔筋のトレーニングと併せて行うのが良いと思います。本来は小さい頃から歯科医院に通い、歯科医師が成長を管理し、必要性を感じた段階で小児矯正を始めるかたちが理想的です。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1相談と問診
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初回の無料カウンセリングを活用し、子どもの歯並びや噛み合わせについて相談する。問診へ進む場合、まず歯科医師が口腔内の状態を確認。その後、口呼吸の有無や気になる癖、食べ物の好き嫌い、食べる速度、食事の内容や様子などについて質問を受ける。アレルギーや鼻炎の有無など治療に関わること、噛みにくい、飲み込みにくいといった日常生活で気になる点があれば、些細なことでも伝えておくことが大切だ。
- 2精密検査の実施
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精密検査では、口を開けた際の舌の可動域などを確認し、機能や動き方を評価。口腔内・顔貌の写真撮影、口腔内スキャン、エックス線写真撮影も行われる。さらに動画撮影を通して、話し方や発音、飲み込み方、姿勢など、日常の癖や機能面についても細かくチェック。歯科用CTによる検査では気道を撮影・解析、自宅で子どもの睡眠時の動画を撮影し、呼吸や発達に関わる要因を総合的に判断する。院内で行う検査の所要時間は約1時間。
- 3矯正計画の立案と説明
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精密検査の結果を踏まえ、1~2週間かけて治療計画が立案され、装置を使用するかどうかやトレーニング計画、期間や費用についての説明を受ける。矯正を受ける子ども本人の理解も大切になるため、スライドを見ながら、矯正を受ける理由やめざすゴールもわかりやすく示される。口腔筋機能療法のトレーニングに関しては、毎回同じ保護者の付き添いが原則となるため、あらかじめスケジュールを確認しておくことも大切。
- 4口腔筋機能療法をスタート
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口腔筋機能療法ではトレーニングで癖と習慣を変えていくため、始めの3ヵ月は週に1回通院。期間中は、朝昼晩の3回、1回20分程度のトレーニングを行う。それによって神経と筋肉の動きをつなげていくイメージ。その後は、1年間月に1回の通院となる。拡大装置を用いた床矯正の期間は4ヵ月。装着はほぼ24時間で、2週間に1回の調整が必要になる。マウスピース型装置を用いた矯正を含め、保護者のサポートが重要。
- 5矯正後のメンテナンス
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顎や歯列は成長とともに変化するため、矯正後の観察、管理が大切。小児矯正で整えた歯並びや噛み合わせを安定させるための保定・メンテナンス期間の目安は、第二大臼歯が生えてくるまで。成長が緩やかな場合には、中学1~2年生頃まで及ぶことも。口腔筋機能療法を行い、子どものうちに癖や生活習慣を整えることが、将来の健康にもつながる。
自由診療費用の目安
自由診療とは床矯正/22万円、マウスピース型装置を用いた小児矯正/55万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

