チーム医療で患者のQOL向上を図る
先進的なリハビリテーション
ZERO100クリニック
(北九州市小倉北区/旦過駅)
最終更新日:2025/05/21


- 保険診療
医師や看護師に加え、理学療法士や作業療法士などが一つのチームとなり、患者の心身機能の回復や維持をめざす医学的リハビリテーション。「ZERO100クリニック」では、けがからの社会復帰やスポーツ復帰、パーキンソン病など神経難病や重度障害へのアプローチ、高齢者には寝たきり生活にならないためのリハビリテーションなど、多種多様な手段で多くの人々をサポートしている。同院では、リハビリテーション用ロボット機器や反射機能の促進や関節の可動域を広げるためのトレーニング機器を採用。知識・技術ともに高いスキルを追求するスタッフたちも集結。そこで今回、クリニックの母体である九州医療スポーツ専門学校で講師として人材育成にも取り組む作業療法士の秋永洋平さんに、同院のリハビリテーションの特徴を解説してもらった。
(取材日2024年11月27日)
目次
理学療法士とメンタルケアも得意とする作業療法士が、専門性にこだわったリハビリテーションを提供
- Q在籍されるスタッフさんの専門性についてお聞かせください。
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A
▲「チーム医療」を実践していると話す作業療法士の秋永さん
当院には理学療法士と作業療法士が在籍しております。理学療法士は、医師の指導のもと日常動作の基本となる身体機能のリハビリテーションを実施。一方、作業療法士は、食事・洗顔・料理・書字といった主に手を使う日常で必要となる動作や、地域活動への参加、就学・就労といった社会的適応能力の維持・改善をめざすリハビリテーションを行うのが特徴です。もっと踏み込んでご説明すると、理学療法士は特に筋肉など体の構造に関する専門性を持ち、アスリートのけがや予防などに関するリハビリテーションも得意とします。また、作業療法士に関しては、体に加え心のケアも担当するのが理学療法士との違い。メンタルケアのスキルを持つのも特徴です。
- Q在籍される理学療法士の方の特徴について教えてください。
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A
▲患者一人ひとりに合わせたリハビリテーションを行う
骨折などの整形外科疾患における機能回復をめざすのに加え、神経筋機能の促進やスポーツなど競技場面における瞬発力やパワーの向上、けがや故障の予防・改善を目的に、関節の可動域を広げるためのトレーニング指導も行います。当院にはトレーナーとして海外にも帯同しているスタッフも在籍するなど、そのスキルはアスリートだけに限らず、お子さんから高齢者まで、年齢問わず、各世代に発揮できるものだと自負しています。特に高齢者の方は筋力の衰えなどから転倒など予期せぬアクシデントで寝たきりになるリスクが上昇。そうならないための予防、そして脳梗塞などの手術後に行うリハビリテーションなど、幅広く行っているのが特徴です。
- Q一方、作業療法士についてはいかがでしょう。
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A
▲学校の一部を改装した院内
脳疾患、うつ病のある方などに関しては、作業療法士が優先的に担当いたします。けがなどが原因で心の不調が起こる方も少なくありません。そういったメンタル面へのアプローチが必要な場合は、メンタルケアも得意とする作業療法士が担当しております。当院では、歩行機能の改善を目的にリハビリテーション用ロボット機器の「生体信号反応式運動機能改善装置」も導入しているのが特徴。このロボット機器を用いたリハビリテーションと、先ほどの理学療法士の特徴でお伝えした関節の可動域を広げるためのトレーニングは、理学療法士、作業療法士問わず、患者さんに提供するための知識と技術を持っています。安心していらしてください。
- Qリハビリテーションの中で特に注力されているものはありますか?
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A
▲生体信号反応式運動機能改善装置を用いたリハビリも提供
先ほどふれさせていただいた「生体信号反応式運動機能改善装置」によるリハビリテーションです。これは当院の大きな特徴で、対応しているクリニックは少ないと思うので、特に注力しています。ロボット型のスーツを装着して使用するものなのですが、例えば人が肘を曲げて腕を動かす場合、肘は上腕二頭筋を使って動きます。それは生体電位という脳からの指令で動いているんです。その生体電位を下肢に貼りつけたセンサーが感じ取り、下肢の動きをサポートしてくれるという装置です。それからもう一つ注力しているのが、神経と筋機能に着目した関節の可動域を広げるための機器を用いて行うトレーニング。この2つは特に力を入れて取り組んでいます。
- Q後進の育成にも力を入れているそうですね。
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A
▲併設する専門学校の卒業生も在籍
併設する専門学校の学生には、当院で実際に見て、感じて学んでもらいたいと考えています。当院には柔道整復学科で講師をしているスタッフもいますので、座学とは違う学びが可能となるでしょう。けがをした生徒が来院することもあります。けがをするのはつらいことですが、患者さんの気持ちもわかりますし、とても良い勉強になっていると思います。私自身、作業療法学科の教員もしておりますので、その学びに直結する可能性の高さと必要性を実感しています。各学科を含め、今後は実習の受け入れも行っていく予定です。連携しながら専門性の高い医療の提供と即戦力となる人材の育成に努めます。