大橋 美穂 院長の独自取材記事
千葉海浜幕張 消化器・内視鏡内科クリニック美浜院
(千葉市美浜区/海浜幕張駅)
最終更新日:2025/01/14

JR京葉線・海浜幕張駅前の商業施設内に2024年8月開院の「千葉海浜幕張 消化器・内視鏡内科クリニック美浜院」。大橋美穂院長は、海浜幕張エリアでも診療経験のある消化器内科医師だ。内視鏡検査や外来診療に携わる中で、働き世代や若い世代に胃腸の不調を訴える人が多いこと、また女性医師による内視鏡検査を受けたいというニーズが高いことを実感し、院長就任を決意したという。女性も安心して快適に検査を受けられる工夫で、大腸内視鏡検査の重要性を広めていきたいと意欲的な大橋院長に、診療への思いや新しいクリニックの特徴を聞いた。
(取材日2024年5月17日/情報更新日2024年8月1日)
女性医師による胃と大腸の内視鏡検査、消化器内科診療
内視鏡検査に力を入れているんですね。

そうです。当院は「胃がん・大腸がんで亡くなる人をゼロに」をモットーに、内視鏡検査によるがんの早期発見に尽力し、同時に働き世代に多い胃腸の不調、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)などの診療を行うクリニックです。特に、苦痛や恥ずかしさから受けづらいといわれる内視鏡検査に対するハードルを下げたいと考えています。というのも、日本では、欧米と比べて大腸がんの死亡率が高いとされ、女性ではがんによる死亡原因の第1位が大腸がんです。がん検診の便潜血検査で陽性診断が出ても医療機関を受診しない人が多いのが現状なので、大腸の内視鏡検査を受けやすくすることに尽力したいと思っています。
どのような内視鏡検査が受けられるのですか。
AI機能を搭載した内視鏡システムなど、本院の「市川すずき消化器・内視鏡クリニック」と遜色のない設備や診療体制で、胃と大腸の内視鏡検査を行います。痛みや不安の軽減のために鎮静剤を用いることも可能です。胃内視鏡検査は、口からカメラを入れる経口内視鏡検査と鼻から入れる経鼻内視鏡検査から選んでいただけます。経口は病変部をより鮮明に見ることができ、経鼻は嘔吐反射が起こりにくいのが特徴です。大腸内視鏡検査では、検査前に腸内をきれいにするために下剤を使用しますが、自宅ではなく院内で下剤を服用したいという方のために、トイレつきの専用個室を5〜6室設けています。大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合は、大きさにもよりますがその場で日帰りのポリープ切除手術を行うこともできます。胃と大腸の同日検査にも対応しています。
先生が、内視鏡を専門とする医師となった経緯を教えてください。

子どもの頃から、何か手に職をつけたいと思っていて、理系の科目が得意だったのと、人間の体に興味があったことから、薬学部に進みました。薬学を学ぶ中で、薬剤師の立場から患者さんと向き合う病棟薬剤師に興味を持ったのですが、まだ日本ではそうした職種が確立されてなかったので、ならば、医師をめざそうとその後に医学部に入り直しました。いろいろな診療科を経験する中で内科を選択し、その中でも扱う臓器がとても多いこと、内視鏡を含めると手術的な治療も行えるということに惹かれて、消化器内科を選択しました。その後大学病院や関連病院で内視鏡を中心に診療に携わり、本院の「市川すずき消化器・内視鏡クリニック」でも、2023年から内視鏡検査と外来診療を担当してきました。
院長として、女性や若い世代が受けやすい診療をめざす
院長就任のきっかけや意気込みについて聞かせてください。

私は東京女子医科大学の出身で、当然ながら、大学病院や関連病院では周囲に女性医師が多く、あまり女性医師へのニーズを肌身で感じることはありませんでした。ところが、クリニックでの診療では、特に大腸の内視鏡検査について女性医師を希望される方がとても多いこと、しかし、内視鏡分野に女性医師が少ないこともあり、検査を受けるのが遅くなり手遅れになってしまった方などが少なくないことを知りました。そこで鈴木大輔理事長と相談して、当院の院長に就任することとなりました。実は、私はあまり前に出るタイプではないのですが、がんで亡くなる人をゼロにしたいという理事長の理念に共感したので、少しでもお役に立ちたいと思い、お引き受けしました。
こちらのクリニックならではの強みはどのようなところでしょうか。
女性医師による診察と内視鏡検査が受けられるのが特徴でしょうか。女性医師が勤務しているクリニックは珍しくないと思いますが、院長も女性で、内視鏡の専門家というのは少ないのではないかと思っています。ですから、できるだけ女性や若い世代が受診しやすいように、院長としてクリニック全体をしっかりマネジメントしていきたいと考えています。また、私は海浜幕張のクリニックに非常勤医として勤務していたこともあり、このエリアになじみがあるんですよ。とても便利な所ですから遠方からも来ていただきやすいですし、集合住宅が多く、働く世代の方がとても多いのに、内視鏡検査を行うクリニックがまだ少ないので、当院ができることで地域のお役に立てるかなと思っています。
診療の際にどのようなことを大切になさっていますか。

消化器内科のクリニックは若い患者さんも多く、検査をしても原因がわからない機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)の方も多い印象があります。そこで、患者さんの生活習慣やライフスタイルをよく伺い、患者さんの訴えや悩みを受け止めた上で、一緒に解決していくための道筋を探すことを心がけています。若い方の場合、潰瘍性大腸炎などの深刻な病気だとは思われていない方も多いのですが、内視鏡検査や超音波検査を行うと、治療が必要な病気が見つかることは十分あり得ることです。ですから、当院はできるだけ検査を受けやすく、敷居を低くすることを常に心がけています。また、内視鏡検査には専門的な診療技術が必要で、術者の手腕が患者さんの痛みや負担に影響することもありますので、診療技術の研鑽は常に心がけています。
日曜診療など、多忙な人も受診しやすい診療体制
専門的な立場から、気になることがありますか。

若い世代、場合によっては10代から便秘や、腹痛で悩まれている方が意外と多いようです。しかし、若い方は、なかなかクリニックを受診しようという気分にはなりにくいようで、インターネットでいろいろと調べて、さまざまな情報に振り回されてしまい、かえって不安が募っているケースがあるように思います。ですから、おなかの不調があれば、若い方も女性の方も誰もが、まずは気軽に受診できるような雰囲気のクリニックをめざしたいと思っています。また女性の方は、特に女性医師による内視鏡検査を受けたい、相談したいという方が多いので、そのニーズにはお応えしたいですね。
受診しやすいように、接遇にも力を入れているんですね。
はい。内視鏡検査を行うクリニックは、受付や検査室に案内するまでの接遇も重要だと思うのですよ。スタッフの接遇は、患者さんの安心感や検査の受けやすさにつながると感じています。必要に応じて本院と連携しながら、本院の良いところは積極的に取り入れていきたいですね。不安や恥ずかしさから内視鏡検査が受けられなかったという方を含めて、とにかく気軽になんでも相談していただけるようなクリニックをめざしたいですね。また、私自身、薬学部で学んだことが、今、直接役立つということはあまりないのですが、薬の組み合わせや飲み合わせなどはかなり気を使っていいますので、薬やサプリメントに関することも気軽に相談していただきたいですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

当院がめざすのは、大腸がん、胃がんで亡くなる方をゼロにすることです。今は、内視鏡検査を受けて早期発見できれば、胃がんも大腸がんもほとんどの方が完治をめざすことができます。深刻な状況になる前に、できるだけ早期に病気を発見して、地域の皆さんの健康を守りたいというのが私の願いです。不調のある方や、がん検診で便潜血検査で陽性とされた方も検査に踏み出せるように、診療体制や接遇にも力を入れ、敷居を低くして内視鏡検査につなげていきたいと思っています。特に子育て世代の方は、男性もそうだと思いますが、多くのお母さん方は、お子さんのこと、家のこと、そして仕事など多くの使命があり、不調があってもご自分の体のことは後回しにされがちな印象があります。当院は、土日にも検査が受けられるなど、多忙な方にも受診していただきやすく、お役に立てるクリニックでありたいと思っています。ぜひ気軽にご相談ください。