まぶたが重くて物が見えない
視野を広げるための眼瞼下垂症手術
やまずみ形成外科・皮ふクリニック
(福岡市東区/千早駅)
最終更新日:2024/11/20


- 保険診療
まぶたが下がり、ものが見えにくくなってしまう眼瞼下垂症。その大きな原因は加齢だが、生活習慣も大きく影響するのだという。例えばコンタクトレンズを長年にわたって着用している、花粉症などのかゆみでまぶたを強くこするといった行動の積み重ねが眼瞼下垂症の原因になる。加えて重症筋無力症、顔面神経まひなど神経、筋肉の疾患が影響を及ぼすことも。眼瞼下垂症になると視野が狭まり、車の運転など日常生活に支障が出るため、日帰り手術で患者のQOL向上をめざしているのが「やまずみ形成外科・皮ふクリニック」の山住賢司院長だ。「視野が広がれば自分の人生の喜びが戻ってくるはず」と笑顔を見せる山住院長に、眼瞼下垂症治療の気になるポイントや流れについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年10月24日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q眼瞼下垂症の手術はどのような方が対象なのでしょうか?
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A
当院では加齢に伴う眼瞼下垂症を対象として、上眼瞼挙筋という筋肉の問題による眼瞼下垂症、眼瞼皮膚弛緩症という皮膚のたるみによる眼瞼下垂症の手術を実施しています。具体的にはまぶたがどれだけ黒目にかかっているか、患者さん自身がどれだけ日常生活に困っているかなどを聞きながら細かく診ていくことになります。併せて、幼少期に異常がないことや神経、筋肉などの病気による眼瞼下垂ではないかを診察で確認していきます。これらの眼瞼下垂症は治療のアプローチが違いますからね。また整容面の理由から眼瞼下垂症の手術を受けようとされる場合もありますが、保険診療での手術対象にならないことがあります。
- Q形成外科と眼科どちらでも治療ができると伺いました。
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A
形成外科、眼科、どちらを受診しても問題ありません。眼科を受診することで眼球に問題がないか、視力や視野の異常がないかなど、目の機能的な評価ができます。眼瞼下垂症の手術は目の印象に大きく影響を与えますから、昔から機能性と整容性の両面を考慮して治療に取り組んできた形成外科のテクニックが生かされると思います。眼瞼下垂症で形成外科を受診される患者さんの中には、眼科からの紹介で来られる方も少なくありません。
- Q手術と聞くと高額なイメージがあるのですが保険適用ですか?
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A
きちんとした診察により眼瞼下垂症と診断されれば保険診療で手術を受けることができるため、高額になるのではという不安を感じる必要はありません。また片側だけの眼瞼下垂症のケースでも保険診療で手術は可能ですが、注意が必要です。片側の眼瞼下垂症だと思って片側だけ治療すると、正常と思われたもう一方のまぶたが下がることがあります。まぶたは左右で連動しているので、開きが悪いほうのまぶたを開けようとして反対側のまぶたが開きすぎていることがあるんですよ。診察の結果、片側だけ手術をすることもありますが、左右のバランスをそろえるために両側とも手術を受けることを勧めることが多いですね。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診で日常生活の支障や生活習慣をチェック
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まずは問診で「見えづらさ」など日常生活の支障について回答。コンタクトレンズの種類や着用歴などの生活習慣、肩凝りや頭痛といった眼瞼下垂症が原因となり得る症状の有無、筋肉や神経の病気の既往歴についても確認される。
- 2検査・診断で手術日を確定
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まぶたの写真を撮影し、まぶたの開き幅や黒目にどれだけ重なっているかを計測。テープでまぶたの皮膚を引き上げて、まぶたの開き具合や見え方を確認するほか、重症筋無力症の疑いがないかアイスパックや点眼薬で調べることも。その上で加齢や皮膚弛緩症による眼瞼下垂の診断が出たら、手術日を確定する。
- 3手術日当日は飲酒や長湯、運動を避ける
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術後は運転を控えるため、当日は家族の送迎や公共交通機関を利用して受診する。局所麻酔の後実際の手術を受ける。術中にまぶたの動きを確認しながら、適切な開き方と左右のバランスをめざす。手術時間は1〜2時間ほど。術後はリカバリールームで30分ほど患部を冷却して帰宅する。24時間は飲酒や長湯、運動を避け安静に過ごす。
- 4手術日翌日は患部の状態を確認
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手術の翌日に再診して腫れや出血など術後の経過を診てもらう。3〜4日ほどは強い腫れが残りやすいので気をつける。1週間後に抜糸のために受診する。
- 5後戻りが起きていないか経過観察
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抜糸後は1ヵ月、3ヵ月、半年と定期的にクリニックを受診。3ヵ月以降に後戻りが出ることがあるので、経過観察を行っていく。