山住 賢司 院長の独自取材記事
やまずみ形成外科・皮ふクリニック
(福岡市東区/千早駅)
最終更新日:2024/08/02
ショッピングモールに隣接するクリニックモール内で2024年5月に開院した「やまずみ形成外科・皮ふクリニック」。形成外科医として研鑽を重ねてきた山住賢司院長が、形成外科と皮膚科の両面から、肌のスペシャリストとしてさまざまな症状に対応している。院内は保険診療と自由診療のエリアを分け、それぞれの患者がリラックスして受診できる環境を整備。診療においては外傷ややけどの処置、眼瞼下垂の手術をはじめ審美面にも配慮した外科治療から、じんましんやニキビなど皮膚のトラブルまで幅広く対応する。「皮膚のことで気になることがあれば何でも気軽に受診してほしい」と、話す山住院長に、開業の経緯やクリニックの特徴、今後の展望などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年6月27日)
より日常に近いところで患者に貢献できる形成外科医へ
基幹病院での勤務が長かったそうですが、開業しようと思ったきっかけをお聞かせください。
大学病院のように大きな病院では複数のスタッフで比較的大がかりな手術をすることが多いのですが、患者さんの日常にもっと近いところで診療をしたいという想いが次第に強くなりました。例えば、傷をきれいに治したいとか、生まれつきのあざを治したいなど、そういった皆さんの悩みに寄り添いたいと考え当クリニックを開業しました。ここ香椎浜は、アイランドシティや大きなショッピングモールに囲まれたきれいな住宅街で、バスや車で通いやすい立地にあるので、ファミリー層が生活しやすいエリアとなっています。実際に来院される患者さんの層も幅広いですね。形成外科は多くはありませんから、これまで専門的な治療が受けられなかったという人たちにもたくさん受診していただきたいですね。
先生が形成外科医の道を選んだ理由について教えていただけますか?
祖父の代からの医師家系で、私が中学生の頃に父が長崎で開業したんです。田舎のクリニックでしたから専門の外科だけではなく内科も診る、いわゆるホームドクターで、「大変そうだな」と思いながらも患者さんに信頼されている姿に魅力を感じ医学の道に進みました。私自身、もともと工作や陶芸など何かを作ることが好きだったというのもあって、ほかの診療科と違い再建手術などで形を作り出す形成外科を選びました。福岡大学医学部を卒業してからは、大学病院や基幹病院で形成外科医として研鑽を重ねました。
形成外科になじみがない方も多いと思いますが、どのような診療を行うのでしょうか?
例えるなら形成外科は皮膚の外科医、皮膚科は皮膚の内科医、整形外科は骨の外科医のようなイメージでしょうか。形成外科医は大学病院など大きな病院だと、乳腺外科や耳鼻咽喉科で悪性腫瘍を治療した後の再建手術をはじめ、小児の生まれつきの形態異常、事故による顔の骨折や指の切断、全身の熱傷の治療なども行います。頭から爪先まで皮膚にまつわる見た目と機能性を治療する診療科と認識していただければ間違いないでしょう。クリニックで多い手術は皮膚の腫瘍やしこりですが、ケガの際に負った体表面の傷の治療などは形成外科が得意とするところです。単に傷を縫合するのではなく、術後の見た目にもこだわるのが形成外科医の腕の見せどころですからね。
満足度の高い“きれいな傷痕”をめざして
診療の際にはどのようなことに気をつけていらっしゃいますか?
患者さんの話をしっかりと聞き、大小を問わず来院いただいた時の悩みが少しでも軽くなるように心がけています。来て良かったと思っていただけるようなクリニックにしたいですね。また形成外科なので外科的な処置を行うことも多々あります。体の表面にメスを入れるわけですから、本来の形や機能性が損なわれてしまっては意味がありません。そのため手術後の傷痕で患者さんが悩むことがないように、手術デザインの検討を重視しています。ただし私たち医師と患者さんが考える“きれいな傷痕”にはギャップもあるので、なるべく患者さんの満足いくレベルに近づけられるよう努めています。
形成外科と皮膚科、美容皮膚科に対応されていますが、現在はどのような患者さんが多いのでしょうか?
赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな世代に受診いただいています。お子さんでは皮膚の乾燥や湿疹のほか、ケガで受診いただくケースも多いですね。転んだり頭をぶつけたりしてできた傷の縫合などは、形成外科の得意分野ですから。また、皮膚の腫瘍やしこりの切除といった相談のほか、ニキビの相談も少なくありません。この地域はファミリー層も多いので、中高生から大人の方までニキビ治療の需要は高い印象です。最近ではニキビを悪化させない、痕を残さないために病院で治療をするという共通認識ができ、早めに受診される人が増えています。美容皮膚科の領域ではしみの悩みでご相談いただくことが多いです。
こちらではどのような手術に対応していらっしゃいますか?
皮膚の表面であったり、表面から触れるしこりであったり、皮膚・皮下組織に関する手術であればおおむね対応しています。ケガの縫合や粉瘤やイボの切除など基本的には日帰りでできるものに限りますが、加齢に伴いまぶたが下がって物が見にくくなる眼瞼下垂の手術も可能です。ほかにも耳たぶが、ピアスによって裂けてしまった際の形成手術、足の爪が皮膚に食い込み痛みがある人の処置など多岐にわたります。
ウィルエイジングを合言葉に長い人生をサポート
きれいな内装で細部までのこだわりを感じますが、クリニックづくりで力を入れたポイントはありますか?
当クリニックは保険診療と美容皮膚科の自由診療があるので、患者さんが混在しないように診療エリアを分けました。形成外科や皮膚科の保険診療エリアは白やベージュ、グレーを基調に清潔感のある診療室にしています。一方、自由診療エリアは期待感が高まるように少し豪華な内装にしました。あとは時間を有効に使うため、保険診療の診療室は2部屋設置しています。さまざまな症状に対応できるよう機能の違う診察台を入れ、患者さんに移動してもらうのではなく私が移動しながら診療を行えるようにしています。それ以外にも電子カルテを採用して患者さんへの見える化を図っているほか、機器類ではエコーを導入したので皮膚の下にある腫瘍の詳細な検査も可能です。
クリニックのキーワードとして“ウィルエイジング”を掲げていますが、こちらも詳しく教えてください。
私が働いていた福岡大学病院の形成外科は、もともと美容にも積極的に取り組んでおり、その中でエイジングケアに関する勉強会にも参加していました。人間は加齢からは逃れることはできません。そこで自分の加齢に納得しながら幸せな気持ちで人生を生きていくという、”ウィルエイジング”という考え方を重視しています。形成外科自体が赤ちゃんからお年寄りまで幅広く関わる診療科ですから、長い年月を生きていく中で、悩みを減らす一つのきっかけになれればと思っています。
今後の展望を含め読者の皆さんにメッセージをお願いします。
当クリニックのある福岡市東区エリアにはお子さんのあざ診療に対応しているところが少なく、現在は遠方まで通院されている患者さんも多いようです。当クリニックでも人員と環境を整え、地域医療に貢献するという意味からもあざの診療を強化していきたいと考えています。患者さんの中には皮膚のトラブルの場合に「形成外科と皮膚科どっちに行けば良いかわからない」という方もいらっしゃるかと思いますが、頭の先から足の先まで体の表面のことなら何でも対応できますし、専門的な治療が必要な場合でもハブとなって適切な医療機関をご案内しますので、気になることがあれば気軽に受診してください。「こんなことを相談していいのかな」などと心配せずに、安心して皆さんの悩み事を聞かせてもらえるとうれしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/1100円(1mm)~