松島 智慧 院長の独自取材記事
ふくや皮フ科クリニック
(神戸市中央区/三宮駅)
最終更新日:2024/08/08
神戸三宮駅から徒歩5分。異国情緒漂う神戸の街にある「ふくや皮フ科クリニック」は、内科の医師として地域を支えてきた父を持つ松島智慧(まつしま・ともえ)院長が、2024年に新規開業した。2匹のパンダがかわいらしいクリニックのロゴマークについて、松島院長は、「中国では福という文字を逆さまにすることで幸せを呼び込むという意味があるんです。クリニックに来てくれた患者さんに笑顔で帰ってもらえるように、幸せをつくれる場所になれたら」と、ほほ笑んだ。一般皮膚科、小児皮膚科、美容皮膚科を標榜し、子どもから大人まで幅広い年齢層の患者に気軽に相談してほしいと奮闘する松島院長に、クリニックの特徴や診療にかける思いを聞かせてもらった。
(取材日2024年7月10日)
幼い頃からなじみのある地域で開業
まずはクリニック開業の経緯を聞かせてください。
私の父と叔父が内科の医師で、長年この地域で「福家診療所」という診療所を営んでいます。私は小さい頃から父の診療所に顔を出していましたし、通っていた学校もこの近くです。私にとって非常になじみ深い場所なんです。もし私が内科の医師になっていたら、父と叔父の診療所を継承するという選択肢もあったと思うのですが、私は皮膚科の医師になったので継承ではなく近隣に開業し、連携しながら診療することに決めました。駅からも近いですし、この辺りには小さな頃からお世話になっている方々や同級生、よく食事に行くお店の店員さんなど知り合いもたくさんいますから、自分にとって非常に良い地域でスタートを切れたのではないかと思っています。
院内は天井が高く、居心地の良い空間ですね。
もともとは飲食店が入居することが想定されていたらしく、通常のクリニックよりも圧迫感のない造りになっているかと思います。加えて、車いすや2人乗りの大きなベビーカーでの来院も想定し、院内はすべてバリアフリー設計にしました。広めのトイレにはおむつ交換台を設置し、待合室にはキッズスペースも設けていますので、子連れでの来院も気兼ねなくしていただければと思います。また、女性の患者さんがメイクのオンオフをするためのパウダールームや自由診療や紫外線療法などを行う2つの処置室、奥には美容的なケア専用ルームもあります。見えるところはもちろんですが、バックヤードにもこだわりながらつくったクリニックですので、これから皆さんに来ていただくのがとても楽しみです。
診療の特徴について教えてください。
湿疹やかぶれなどの皮膚症状はもちろん、ニキビや爪、脱毛症、多汗症、帯状疱疹の治療、AGAなどに対する自由診療まで幅広いお悩みに対応しています。小児の皮膚疾患にも注力していますので、小さなお子さんの肌トラブルの相談もぜひどうぞ。水イボやとびひ、やけどの治療も可能ですし、蚊や蜂など虫に刺された場合も相談してくださいね。さらに、アトピー性皮膚炎や円形脱毛症、尋常性白斑、掌蹠膿疱症など、難治性の皮膚疾患に対しては紫外線療法も実施しています。医療技術は日々進歩していますので、医療機関の進歩も目覚ましいもの。適切に使用すれば、患者さんの負担が少ない治療も可能です。興味のある治療があれば、一度ご相談ください。
患者が不安を解消し、笑顔で帰れるクリニックをめざす
診療のモットーについて聞かせていただけますか?
患者さんに笑顔で帰っていただくことです。私自身も健康優良児というわけではありませんでしたし、今は2人のわが子を心配する一人の母親です。患者としても、付き添う親としても、病気や治療に対する不安を味わってきました。だから、まずは気兼ねなくなんでも相談してもらえる医師でありたいと思っています。病気に精通した偉い先生にはまだまだなれませんが、そんな私だからこそ「気軽さ」は感じてもらえるのではないかと思います。「このブツブツが気になる」「この治療をするとどうなるの?」「いつ頃治療は終わる?」など、時間が許す限り患者さんとお話ししていきたいです。皮膚は見える部分ですから、症状が強く出ていれば患者さんの心も沈んでしまうものです。帰る時に少しでも明るい気持ちになっていただけたらうれしいです。
患者さんやそのご家族を大切に思う気持ちが伝わってきます。
総合病院で働いていた頃は、病気を治療することにこだわっていました。そのため理論的な部分や理想を追い求めていたように思います。しかし、出産・育児を経て、少しずつ考え方が変わってきました。例えば、この薬を1日3回以上塗ってくださいと渡されても、子どもが嫌がることもありますし、その3回がすごく難しい場合もある。病気に関することですから「頑張ってください」と言ってしまえばいいのかもしれませんが、それだと治療が続かなくなっていくんです。そうなるくらいだったら、患者さんに合わせて塗る回数を減らしたり、お子さんが嫌がらないテクスチャのものを選んで続けたほうがいい。患者さんと相談して、良い方法を模索することもまた医療だと考えるようになりました。
小児の診療についてはいかがですか?
子育てを通してわかったのは、子どもは思いどおりにならないということ。診察中にじっと座れなくても、泣いて嫌がっても、薬を飲みたがらなくても仕方がない。みんなそうです。だから、連れてきてくれた親御さんたちが申し訳なさそうにしていると「そんなに気にしなくていいよ」という気持ちでいっぱいになります。ほとんどのお子さんが回数を重ねるうちに治療に慣れていきますし、私とお話ししてくれるようになるので心配いりません。また、ある程度の年齢になれば、お母さんだけでなくお子さん本人の希望も取り入れて、一緒に塗り薬を選んだり塗り方の練習をしたりもします。自分に必要なことだと理解さえしてくれたら、お子さん自身が積極的に取り組んでくれることも多いんですよ。
「気軽さ」をキーワードに地域に根差した診療を
土曜午後の診療や中国語での診療にも対応されていますね。
当院の患者さんは地域の方々だけでなく、お仕事や学校の帰りやお買い物、用事のついでに来てくださることも多いんです。本当は仕事帰りに立ち寄れる時間まで診療できれば良いのですが、私も平日は保護者として子どもたちと過ごすために17時までとしていますので、その分土曜日の午後にも診療をしています。今は大人も子どもも忙しい時代ですし、スケジュールが合わなくてなかなか受診できない方もいると思います。そういった方々が受診するきっかけになればなと思います。また、中国語での診療も可能な限り行い、中国語対応が可能な内科も紹介できます。受付でのやりとりも、中国語と英語のチャートを準備していますのでご安心ください。時々、旅行中の方が受診されることもありますので、今後も力になれたらと思います。
ところで、先生が皮膚科を志したのはなぜですか?
医師をめざしたのは、父や叔父の影響が強いと思います。働いている姿をずっと見てきたので、小さい頃から将来の夢はお医者さんでした。皮膚科をめざしたのは、私自身が肌トラブルに悩んでいたこともありますし、皮膚科は年齢・性別に制限がなく、全身を診ながら治療するところに興味を持ったからです。治療の過程が目に見えるのもやりがいがあるなと思いましたし、患者さん自身が治療の経過を見て喜んでくれるのもいいなと思いました。内科の医師になって父の診療所を継承することはできませんでしたが、こうして近くに開業したことをとても喜んでくれています。今後も父の診療所を通してできた地域との結びつきを大切にしながら、さらに広げていけたらうれしいです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
「心配だけど、こんなことで医療機関に行ってもいいのかな?」と思っている人は大勢いらっしゃると思います。簡単なことのようで、医療機関を受診するのは意外とハードルが高いもの。恐怖心や不安もあるかもしれませんね。しかし、皮膚疾患に限らず、病気を放置するとどんどん悪化して、気づいた時には取り返しがつかないことになるかもしれません。当院は「気軽さ」を大切に、些細なことも相談できるクリニックをめざしています。大人の方はもちろん、お子さんに関する症状にも対応しています。子育ての悩み相談はもちろん、薬の飲み方や塗り方も丁寧に指導しますので、友達に相談するような気持ちでいらしてください。お帰りの際に皆さんが笑顔になれるよう、できる限りのことをさせていただきます。皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは巻き爪のケア/3300円~、AGA治療/6800円~