松島 智慧 院長の独自取材記事
ふくや皮フ科クリニック
(神戸市中央区/三宮駅)
最終更新日:2025/09/16

三宮駅から山手に徒歩5分。「ふくや皮フ科クリニック」には、近隣の住民はもちろん、遠方からも多くの患者が訪れる。天井が高く開放的な雰囲気の院内には、クリニックのロゴマークにも使われているパンダが随所にあしらわれ、和やかな雰囲気があふれている。院長の松島智慧(まつしま・ともえ)先生が大切にしているのは、受診した患者に笑顔で帰ってもらうこと。スタッフと力を合わせて、子どもから大人まで幅広い年齢層の患者に対応している。「患者さんが疾患や悩みについて気軽に相談できるクリニックでありたい」と語る松島院長に、同院の診療姿勢や注力している治療などについて聞いた。
(取材日2025年8月27日)
患者が笑顔になれるクリニックをめざす
どのような患者さんが来られますか?

開業当初は地域の方が多かったのですが、最近は明石や淡路島、三木、三田、大阪市内から受診される患者さんも多いですね。この周辺にはホテルもたくさんあるため、パスポートを持った旅行客も結構いらっしゃいます。近隣の患者さんは、お子さんやご高齢の方が中心ですが、遠方から来られる方は若い方・現役世代がメインとなってくるので、患者さんの年齢層は広く、疾患やお悩みもさまざまです。セカンドオピニオンを目的に来られる方も多く、さまざまなもやもやを抱えられている方も少なくありません。お母さんとお子さんが受診されて、お父さん、さらにおじいちゃん、おばあちゃんと、ご家族ぐるみで受診してくださるケースも結構あるんですよ。
診療のモットーについて聞かせてください。
「患者さんに笑顔で帰っていただくこと」です。私自身今は2人のわが子を心配する一人の母親です。患者としても、付き添う親としても、病気や治療に対する不安を味わってきました。だから、まずは気兼ねなくなんでも相談してもらえる医師でありたいと思っています。病気に精通した偉い先生にはまだまだなれませんが、そんな私だからこそ「気軽さ」は感じてもらえるのではないかと思います。例えば「このブツブツが気になる」「この治療をするとどうなるの?」「いつ頃治療は終わる?」など、時間が許す限り患者さんの疑問に答えるよう心がけています。皮膚は見える部分ですから、症状が強く出ていれば患者さんの心も沈んでしまいます。だからこそ、帰る時に少しでも明るい気持ちになっていただけたらうれしいですね。
患者さんの気持ちを大事にされているのですね。

総合病院で働いていた頃は、病気を治療することにこだわって、科学的な正しさや理想を追い求めていたように思います。しかし、出産・育児を経て、少しずつ考え方が変わってきたんです。例えば、この薬を1日3回以上塗ってくださいと渡しても、子どもが嫌がって3回の塗布が難しい場合もあります。「治療なので頑張ってください」と言ってしまえばいいのかもしれませんが、それでは治療が続きません。むしろ、患者さんに合わせて塗る回数を減らしたり、お子さんが嫌がらないテクスチャのものを選んだりして続けたほうがいいし、患者さんと相談して、良い方法を模索することもまた医療だと考えるようになりました。
子どもの受診は保護者にとっても大変ですよね。
子育てを通して実感したのは、子どもは思いどおりにならないということです。診察中にじっと座っていられなくても、泣いて嫌がっても、薬を飲みたがらなくても仕方がありません。みんなそうだから、連れてきてくれた親御さんたちが申し訳なさそうにしていると「そんなに気にしなくていいよ」という気持ちでいっぱいになります。ほとんどのお子さんは、回数を重ねるうちに治療に慣れていきますし、私とお話ししてくれるようになるので心配はいりません。ある程度の年齢になれば、お母さんだけでなくお子さん本人の希望も取り入れて、一緒に塗り薬を選んだり塗り方の練習をしたりもします。自分に必要なことだと理解してくれたら、お子さん自身が積極的に取り組んでくれるように思うんですよ。
幅広い疾患や悩みに丁寧に対応する
幅広い症状に対応されているのですね。

湿疹やかぶれなどよく見られる皮膚症状はもちろん、ニキビや爪のトラブル、脱毛症、多汗症、帯状疱疹、さらにAGA(男性型脱毛症)などに対する自由診療など、幅広いお悩みに対応しています。小児の皮膚疾患にも注力していますので、お子さんの肌トラブル、水イボやとびひ、さらに、やけどの治療や蚊や蜂など虫に刺された場合などにもご相談いただきたいですね。
土曜午後の診療や中国語、英語での診療にも対応されています。
本当は仕事帰りに立ち寄っていただける時間まで診療できれば良いのですが、私も平日は保護者として子どもたちと過ごすために17時までとしており、その分土曜日の午後にも診療をしています。今は大人も子どもも忙しい時代ですし、スケジュールが合わなくてなかなか受診できない方もいると思います。そういった方々が受診するきっかけになればなと思います。中国語の対応も最初の頃は、中国語が話せるスタッフに助けてもらうことが多かったのですが、最近はある程度話せるようになってきたかなと思います。受付でのやりとりのために、中国語と英語のチャートも準備しています。
中波紫外線療法について教えてください。

アトピー性皮膚炎や慢性的な乾癬、皮膚が白く抜ける尋常性白斑、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、円形脱毛症など、難治性の皮膚疾患に対して使用することがあります。当院で採用している紫外線治療器による治療は、週1回程度の間隔で通院して受けていただくことをお勧めしており、とりわけ円形脱毛症には有用な治療法です。
多汗症の治療にも対応しているそうですね。
水の中に手のひらや足の裏を浸し、微弱電流を流す機械を使用します。発生したイオンが汗の分泌に働きかけることで、多汗症の治療に効果が期待できると考えられています。安全面にも配慮され、小学生くらいから使えるのが特徴です。すぐに効果を実感できるわけではなく、通院が必要ですし、結果には個人差もあります。近年認知度の高まりから治療を希望される患者さんが急増している状態です。また、手のひらや脇汗用の塗り薬を使った治療にも対応しています。
美容の悩みに対応できる体制が充実
美容関連の診療についてはいかがですか?

私自身が美容の診療を専門としているわけではなく、当初は手探り状態だったのですが、詳しいスタッフが入ってくれたおかげで、よりスムーズに対応できるようなりました。多いのは、しみや赤ら顔(酒さ)などの相談ですね。どちらも、必ずしもケアが必要なわけではなく、日々のお手入れから改善できることも多いため、患者さんと医師との感じ方などの違いから意思疎通に齟齬(そご)がないよう、丁寧に応じています。
スタッフの皆さんが活躍されているのですね。
現在、スタッフは14人在籍しています。当院の場合、午後の診療が17時までなので、子どもがいる人でも働きやすいこともあって、子育て世代のスタッフが多いですね。スタッフとは定期的にミーティングを実施し、さらに職種ごとにコミュニケーションアプリのグループを作って、診療中に話せなかったことなどをやりとりしています。美容に強い看護師が、他の看護師に丁寧に指導してくれますし、スタッフのスキルアップに役立つ本をたくさん購入して、みんなで一緒に勉強できる体制を整えています。
地域の方や読者にメッセージをお願いします。

「心配だけど、こんなことで医療機関に行ってもいいのかな?」と思っている人は大勢いらっしゃると思いますが、医療機関を受診するのは意外とハードルが高く、怖さや不安もあると思います。しかし、疾患やトラブルは放置するとどんどん悪化して、気づいた時には取り返しがつかないことになることも少なくありません。当院は「気軽さ」を大切に、些細なことも相談できるクリニックをめざしています。大人の方はもちろん、お子さんに関する症状にも対応しています。子育ての悩み相談はもちろん、薬の飲み方や塗り方も丁寧に指導しますので、友達に相談するような気持ちでいらしてください。笑顔でお帰りいただけるよう、できる限りのことをさせていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはAGAケア/6800円~、しみ・赤ら顔のケア/1万3200円(全顔)