川村総合診療院

川村則行 院長

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東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩わずか30秒、見晴らしのいいビルの7階に「川村総合診療院」はある。国の研究機関などで研究者としてのキャリアを長く積んできた院長の川村則行先生は、開業した今も日常診療と並行して血液検査によるうつ病の診断法の開発に取り組み、医療界はもちろんメディアからも高い関心を集めている。医師でなければ僧侶になりたかったという川村先生。物事の本質を突く、歯に衣着せぬ物言いは、一見厳しいようで、深い人間愛がある。そんな川村先生に、診療のこと、ライフワークでもある研究のことなどについて語っていただいた。
(取材日2011年1月20日)

血液によるうつ病の診断法の実用化を目指して

―外苑前に開業した理由は?

私は大阪の出身で大学入学を機に東京に出てきましたが、大学1年生か2年生の時に、急に歯が痛くなったことがあったんです。でも当時はまだ土地勘がなく、どこに行ったらいいのかわからずに困り果ててしまって。幸い父が歯科医師だったので聞いてみたところ、外苑前に父の知っている歯科医院があり、治療のためにこの近所にしばらく通っていたことがあったんです。その時に「この辺りはいいところだなあ」と思ったことをずっと覚えていて、開業候補地として久しぶりに足を運んだ際に、今の物件に出会いました。もう一つの理由は外苑前のバッティングセンターが近かったこと。子どもの頃から野球が大好きなんです。とはいうものの忙しくて昨年開業してからまだ2回しか行けていませんが、1回目に行った時にはホームランを打って名前が貼り出されたんですよ。

―こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院では血液検査によるうつ病の診断を行っています。私自身が発案し、現在、臨床研究段階にある新しい検査法です。1980年代後半から精神神経免疫学という分野の研究では、うつ病にかかった場合や強いストレスを感じた場合などに、その影響で免疫力が低下することがわかってきました。免疫機能に関わる細胞は血液中にあります。そこで私は血液中にうつ病の判定に役立つ物質があるのではないか、と考えました。その物質を特定するためには、血液中に星の数ほどある物質をくまなく調べ、ふるいにかけていく必要がありました。2001年から作業に取りかかったのですが、しばらくの間は、さながら大海原に釣り糸を垂れて釣りをしていたようなものです。そして2009年になってついに、リン酸エタノールアミン(PEA)という物質が、うつ病の診断に役立つことを発見しました。うつ病にかかると血液中のPEAが減少するのです。うつ病の症状が重い時にはPEAが少なかった人が、1年以上の治療を経て回復した際には、PEAの値が健康な人のレベルまで回復したとのデータもあり、PEAはうつ病の重症度と関係している可能性もあります。これまでの研究でPEAの測定によって、うつ病をはじめ、適応障害、パニック障害の方と健常者を区別することが、9割方可能になっています。実用化に向けてデータ収集をしている研究段階の技術ですので、研究にご協力いただける患者さんには無料でPEA測定を実施しています。興味のある方は気軽にご相談いただければと思います。

記事更新日:2016/01/24

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