永吉 洋介 院長の独自取材記事
ながよしホームクリニック
(福岡市西区/橋本駅)
最終更新日:2025/03/12

2024年4月に開業した「ながよしホームクリニック」。日本外科学会外科専門医の資格を持つ院長の永吉洋介先生は、地域医療に貢献したいと意気込む。消化器外科を専門に大学病院や地域中核病院で経験を重ねてきた人物だ。開業前には10年間、内科を含む総合的な診療に携わり、同院では内科・消化器内科、外科疾患への対応を中心に診療する。妻の永吉絹子先生は肛門疾患が専門。院内にCTを備え、迅速かつ精密な検査を可能としている。「健康のことを何でも相談できる地域のかかりつけ医をめざしています」と語る洋介院長は、聞き上手・話し上手な人柄が魅力だ。そんな洋介院長に、クリニックの特徴についてたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2025年2月6日)
相手の立場に立った話しやすく優しいクリニック
院長はこれまでどのようなご経歴を歩まれてきたのですか?

研修後は消化器外科を専門に大学病院などに勤務し、主に胃や大腸、胆嚢、膵臓の病気を診ていました。消化器外科に進んだのは、手術後にほっとした面持ちで退院される患者さんの様子を見られるところに魅力を感じたからです。開業前は10年間、糸島市にある井上病院に勤めていました。そちらでは週に1回ほど消化器関連の手術を行い、それ以外の時間は総合的な診療を担当。胃腸の病気で熱が出た、おなかや胸、背中が痛いといった方など、内科全般の対応をさせていただいていました。専門的な治療が必要な症状の場合は早急に適切な治療が行える医療機関をご紹介しますが、そうでなければ私が外来診療や入院でのお薬の調整を行っていました。多くの経験を積むことができて、ありがたく思っています。井上病院で担当した患者さんの中には、開業後も引き続き通ってくださる方もいて、感謝の思いでいっぱいです。
クリニックを開業された経緯についてお聞かせください。
開業すると、より近い距離で患者さんと接することができるため、私の性格的には合っていると思う一方で、正直ハードルの高さも感じていたのです。踏みきれずにいたところ、医師である妻に「向いている」と背中を押されたことで2024年4月の開業に至りました。井上病院で働いていた頃から隣接する福岡市西区の病院にはたいへんお世話になっていましたので、開業後も連携が取りやすい点を考慮した上で、この場所へ。ドラッグストアの敷地内であるため、患者さんに使いやすさを感じていただけるのではないでしょうか。
どのようなクリニックでありたいとお考えですか?

「何か困ったことがある時は『ながよしホームクリニック』に行けばなんとかしてくれる」と地域の方々に頼ってもらえる場所をめざしています。クリニックのロゴマークは、明るい色のさまざまな形をモチーフとして「いろいろな方を受け入れ、ともに生き、ともに歩むこと」をテーマに制作しました。私自身も幼い頃はよく熱を出したり、胃腸も弱かった経験から、お悩みを抱える患者さんの気持ちを理解できます。相手の立場に立った話しやすく優しいクリニックであることをモットーに、患者さんには少しでも「来て良かった」と前向きな気持ちで帰ってもらえるような診療を行っていきたいです。
内科から外科まで幅広い診療と迅速なCT検査
クリニックの特徴を教えてください。

内科では、風邪などの感染症や胃腸の症状、体の痛み・体調不良に関するご相談に対し、必要な検査を行いながら診断し、患者さんの症状に応じてお薬の調整を行います。ときには漢方薬もおすすめしています。また、糖尿病や高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病の管理も精力的に行っています。普段から血圧や血糖値が高い方でも、自覚症状がないことも多いです。しかし、その状態が5年、10年と続くことによって、脳卒中や心筋梗塞といった合併症を引き起こしかねません。大きな病気を予防するためにも、日々の生活管理が大切であることを患者さんにしっかりとご説明をして、前向きに取り組んでもらえるように努めています。お薬が必要ない方も、健診や予防接種による健康管理にご利用頂けますし、外科・肛門内科も標榜していますので、切り傷ややけど、皮膚の化膿、粉瘤、痔なども、お気軽にご相談ください。
ご家族で一緒に診療を行われているのですね。
はい。外科医である妻は大腸や肛門疾患を専門とし、普段は九州大学病院の第一外科に勤務して、大腸がんに対するロボット支援下手術などの高難度手術を行っていますが、火曜午後と土曜のみこちらで一緒に診療しているんです。当院では、主に胃腸疾患やイボ痔・切れ痔などの肛門疾患の薬物治療、外科処置を担当しています。インターネットで「女性医師による肛門内科」があることを調べた上で、少し離れた地域からいらしていただけるケースも多く、女性のニーズの高さを感じています。昔は、大学病院の外科医と言うと、怖い医師をイメージすることも多かったかもしれませんが、妻はとてもフランクな性格で、患者さんにも人気があり、そのような妻を尊敬していますし、いつも助けられています。
CTも導入されているのですね。

16列CT装置を導入し、頭部、胸部、腹部のCT検査を行っています。エックス線では写し出せない体の断面の様子を確認できることに加え、短時間で、より鮮明に体内の画像を撮影・記録しチェックすることができます。特に肺のCTは、レントゲンでは見つけることができないような早期の肺がんを診断することが可能で、がん検診にも有用です。頭や胸、おなかに痛みがある急病時、大きい病院を紹介せずともこちらで迅速に検査を行うことができ、早期診断、早期治療につながるところも大きなメリットですね。
小さな悩みも躊躇せず相談できる場所に
そもそも、院長が医師を志されたのはどのようなきっかけからだったのでしょうか。

私は姉と妹に挟まれた長男として育ったのですが、姉妹のけんかの仲裁に入ることも多かったんですよ。そのせいもあってか、幼い頃から人の話を聞くことや相手を問わずコミュニケーションを取ることが比較的得意だったように感じます。そのような私の性格を見て、父や高校の担任の先生からも「人に携わる仕事が向いている」と言われ、医師を勧められていたのです。当初は解剖実習が怖く、その気にはなれなかったのですが、塾の講師をしていた医学部の学生が格好良く見えたことから医師をめざそうと決意しました。日々の診療の中で、患者さんから「話を聞いてもらえて良かった」と言ってもらえることが多々あり、やりがいを感じますし天職だと感じています。
患者さんと接する際に心がけられていることはありますか?
患者さんが何でも話しやすい雰囲気をつくることをこころがけています。患者さんの中には、ご自身の症状やお悩みをうまく伝えられない方もいらっしゃいます。「〇〇という病気ではないか心配だ」「こういう薬を処方してもらいたい」といった思いを言い出せずに、心の中に秘めていることもあるかもしれません。そうした思いを話していただけるよう、患者さんとしっかり対話を重ねることを大切にしています。治療の方針は、もちろん医学的な根拠を基に決めますが、患者さんの思いにも寄り添い、無理なく続けられる方法を一緒に見つけていくことで、その方が安心して日々を過ごせるようにサポートできたらと思っています。
最後に今後のご展望と、読者や地域の方々へメッセージをお願いします。

「この症状って、何だろう?」という疑問や体のちょっとした気になることは、日頃から皆さんいろいろとあると思います。しかし、医療機関に行くとなると躊躇される方も多いのではないでしょうか。そういった時には、ぜひながよしホームクリニックにいらしてください。友達とまでは言いませんが、体のことを気軽に相談できる人という感覚で訪ねていただけるとうれしいです。地域の方々に頼っていただける場所になっていけるよう、日々真摯に診療に向き合ってまいりたいと思います。お待ちしております。