江崎 仁一 院長の独自取材記事
六本松えさき皮膚科クリニック
(福岡市中央区/六本松駅)
最終更新日:2025/02/18

地下鉄六本松駅が最寄り駅。輝国2丁目のメディカルモール内にある「六本松えさき皮膚科クリニック」は、2024年4月に新規開業した。周囲は静かな環境と豊かな緑に恵まれた住宅地が広がり、ファミリー層に人気のエリアだ。「赤ちゃんからご高齢の方まで、ご家族で気軽に通っていただけるクリニックでありたい」と語るのは院長の江崎仁一先生。優しい語り口と親しみやすい笑顔が印象的なドクターだ。大学病院や地域の基幹病院で培ってきた知識と技術を生かし、一般的な皮膚疾患から審美的なケアまで、幅広く対応している。自らも幼い頃からアトピー性皮膚炎に悩まされてきたことから「同じような悩みを持つ患者さんの力になりたい」と語る。そんな江崎院長に、開業に至るまでの経緯や診療にかける思いを聞いた。
(取材日2024年5月2日)
20年に及ぶ経験に基づく知識を地域医療に還元
まずは医師を志した理由と、これまでのご経歴をお聞かせください。

私の家は3世代同居で、忙しい両親に代わり祖父母に面倒を見てもらっていました。子どもの頃から勉強が大好きだったのと、精神的に落ち着きがあったようで、特に祖母から「将来は医師をめざしてほしい」と期待されていました。祖母は私が13歳の時に亡くなってしまったので、大好きな祖母の夢をかなえたいという気持ちから「必ず医師になる」と心に決めた感じです。大学卒業後は、九州医療センターなどで勤務し、その後九州大学の大学院に進みました。大学院ではアレルギーについて研究し、米国のロックフェラー大学への留学やNYマウントサイナイ医科大学病院での勤務も経験しています。そして、福岡歯科大学や飯塚市立病院で部長としての勤務を経て、開業に至りました。これまで培ってきた知識や経験を、地域の方に還元できたらと思っています。
開業までの経緯を教えていただけますか?
これまで大学病院や基幹病院で臨床、研究に勤しんできましたが、医師になって20年目を迎えたのを機に開業したいと考えるようになりました。こちらのメディカルモールには、医学生時代のバトミントン部の先輩で、大好きなリウマチ科の先生が先に開業されています。また、母校である九州大学のキャンパスがかつて六本松にあり、青春時代を過ごした思い出のあるエリアだったので、ご縁を感じてここで開業することを決めました。この辺りは古くからの住宅街ですが、再開発で大きく変わり、昔に比べると若いファミリー層が増えてきている印象です。開業からまだ1ヵ月足らずですが、想像よりも小さなお子さんをお連れの方が多いですね。家族みんなで安心して通える、また高度な医療や治療が必要な方に対しても信頼していただけるようなクリニックを築いていきたいと考えています。
開業にあたって、設備や内装などでこだわった点はありますか?

設備面では、一般的な皮膚科、アレルギー科の診療に必要な設備は一通りそろえています。手術室を備えましたので、日帰り手術も対応可能です。院内で気分が悪くなってしまった時にゆっくり休めるよう、リカバリールームも設けています。内装面では、開放的かつ落ち着きのある空間になるよう、また明るく清潔感があると患者さんに感じていただけるよう白を基調としてこだわりました。待合室の一角にはお子さんが遊びながら待てるキッズルームを設けていますので、お子さんとの受診もご安心いただけると思います。安全に配慮して、クッション性の高い床材を使用しているんですよ。
自身の体験から、アトピー性皮膚炎の治療に尽力
こちらでは、どのような診療が受けられますか?

皮膚科が取り扱う範囲は、皮膚だけでなく、爪や髪といった部位も含まれています。じんましん、かぶれ、湿疹、ニキビ、吹き出物、虫刺されといった身近な皮膚の疾患から、アトピー性皮膚炎や乾癬のように専門的な診断と治療を必要とする慢性疾患、円形脱毛症、多汗症、巻き爪、皮膚がん、膠原病などの難治性の病気まで、幅広い症状に対応可能です。より専門的な治療を要する場合は、九州大学病院や福岡大学病院などの専門医療機関へ速やかに紹介しますのでご安心ください。美容皮膚科も標榜して、レーザーを用いたほくろやイボの除去、しみのケア、男性型脱毛症治療などを行っています。美容皮膚科に関するお話は皮膚科の診療とは別枠でご予約が必要になるのですが、気になることがあれば何でもご相談いただきたいですね。
アトピー性皮膚炎の治療について教えてください。
これまでアトピー性皮膚炎について長年研究を重ね、多くの難症例を診療してきました。その経験を生かして、かゆみや湿疹でつらい思いをする方を少しでも減らすことができたらと考えています。最近では、塗り薬だけでなく、新しい飲み薬や注射薬が続々と登場しているので、今までよりも一歩進んだ治療が可能です。患者さんのお話を伺いながら症状に合わせて適切な治療を組み合わせていきます。アトピー性皮膚炎は、治療に時間がかかる病気です。私自身、子どもの頃からさまざまな治療法を試しました。またわが子もアトピー性皮膚炎で、患者さんご本人はもとより、親御さんの気持ちも痛いほどわかります。不安や悩みに寄り添いながら、より良い方法を一緒に見つけていきたいと思っています。
子どもの患者さんが多いとのことですが、どんな工夫をされていますか?

小さなお子さんの治療では、イボを焼くなど、治療に痛みを伴うことが少なくありません。医療機関や医師に恐怖心を抱くお子さんもいらっしゃいますが、なるべく治療に苦手意識を持たないよう、保護者の意向をくみながら、ゆっくりと治療を進めるようにしています。嫌がっているのに治療を無理強いすることはありません。慣れるまで何度か通院していただいて、恐怖心を和らげてから治療を開始します。スタッフも子どもたちに明るく声かけするよう努めてくれていますね。イボの処置などの痛い治療を頑張ったお子さんには、カプセルトイのご褒美を用意するなど、通うのが楽しみになる工夫をしています。
目の前の患者と真摯に向き合い、丁寧な説明を心がける
日々の診療で大切にしていることはありますか?

目の前の患者さんとじっくり向き合うことです。当院では電子カルテを導入していますが、診療中に並行してパソコンを打つような診察はいたしません。そのため、少しお待ちいただくこともあるかもしれませんが、精一杯診察いたします。病気や治療の説明は、一度聞いただけでは理解しにくいものです。できるだけわかりやすい言葉を使って、繰り返し何度も説明するように心がけています。また、適切な医療を提供するためには、患者さんとの距離感が大切です。皮膚のトラブルは生活習慣に起因することも多いので、日常生活について詳しくお伺いすることもありますが、プライバシーに配慮して踏み込み過ぎないように気をつけています。
一般皮膚科と美容皮膚科が併設されているメリットを教えてください。
一般的な皮膚科での治療は基本的に保険適用となり、治療方法が限られるので、ご自身が望む医療を選択できないケースがあります。しみを例に挙げると、医学的な診断名をつけることはできても、保険診療内ではなかなか改善に至らないことが多いのが現状です。しかし美容皮膚科であれば、ほとんどが自由診療ですが、保険の枠にとらわれずさまざまなアプローチができます。選択肢の一つとして提案して、皆さんの悩みの解決につなげることができればと考えています。皮膚科のクリニックであることを生かし、医学的な根拠に基づいた施術を安全面や衛生面に配慮した環境下で実施します。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

日々目の前の患者さんに真摯に向き合いながら、地域の方と信頼関係を築き、ともに時を重ねていけたらと思います。皮膚科の患者さんは、長いお付き合いになることも多いものです。私自身も自分の皮膚の症状に悩んだりつらい気持ちになったりすることがありました。医師として、また子を持つ親として、保護者のご心配もよくわかります。だからこそ、皆さんの悩みや不安に寄り添って、二人三脚で治療に向き合っていきたいです。どんな小さなことでも構いません。気になることがありましたら、何でもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはほくろ・イボの除去/5500円~、しみのケア/3300円~、男性型脱毛症治療/7700円~