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和田 裕美 院長の独自取材記事

松戸脳神経外科Dr’sクリニック

(松戸市/松戸駅)

最終更新日:2025/05/30

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック main

松戸駅から徒歩3分の「松戸脳神経外科Dr’sクリニック」は、新東京病院・脳神経外科との連携のもと、脳神経疾患の診療を行っている。院長の和田裕美先生は、長崎大学を卒業後、東京大学・脳神経外科に入局、その後大学院で脳血管研究に従事し、アメリカ・ボストンでの研究を経て、日本の医療機関で豊富な臨床経験を積んだ。「一人の患者さんを診断から治療完結まで自分で診られることが脳神経外科の魅力」と語る和田院長は、外来診療では、予防医療を重視し、脳卒中リスクである糖尿病や睡眠時無呼吸症候群なども含めた総合的なアプローチを実践している。「患者さんが安心して通える場所であり続けたいです」と、ほほ笑む和田院長に、クリニックへの想いや診療方針などを聞いた。

(取材日2025年3月11日)

地域医療の架け橋としてクリニックを開業

医師を志したきっかけを教えてください。

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック1

「自分が学びたいもの、自分にとって一番面白いものは何か」と考えたときに、医学だけは独学で学ぶことができないなと感じて、医学の道を選択しました。親族に医師が多かったことも、医療を身近に感じる理由の一つでした。脳を専門にしたいと思った時に、精神科、神経内科、脳神経外科という選択肢がありました。脳神経外科は、診断が明確に画像でわかること、治療の選択肢がシンプルであること、そして外科と内科の両方の要素を持っている点が魅力でした。自分の手で診断し、治療し、最後まで患者さんを診ることができる点が自分の性格に合っているなと感じ、脳神経外科の道を選びました。

専門的な研究をされてきたこれまでのご経歴をお聞かせください。

長崎大学を卒業し、脳神経外科医としての道を歩み始めるにあたり、当初は長崎に残るつもりでしたが、東京大学で働く親族の応援もあり、東京大学で働くことになりました。その後、臨床経験を積む中、興味のあった脳血管研究をすべく、東京大学大学院に進みました。大学院2年目に、突然留学することになり、ボストンでの研究をスタート。ボストンでは脳血管の研究を続けながら、子どもを出産し、現地の多国籍コミュニティーに溶け込むにつれ、世界観が大きく変わりました。当初は2年で帰国予定でしたが、ボストンファミリーと呼べる仲間に恵まれ、最終的には9年間滞在。帰国後は広島の脳神経センターに勤務し、手術を数多く行う環境で経験を積み、さらに研究室を立ち上げ、科学研究費助成を活用した研究を継続しました。2年後、大学からの要請で再び東京に戻り、研究と臨床の両面で脳神経外科医療に携わってきました。

開業にあたり、なぜ松戸を選ばれたのでしょうか?

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック2

もともと、開業を考えていたわけではありませんでした。新東京病院・脳神経外科とは、共同研究用の検体提供をしていただく関係上、医師の働き方改革の影響で、新東京病院の診療体制が大きく変わることを2023年春頃に知りました。特に、外来診療が大きな負担で、外来枠を減らすにも、その受け皿となる脳神経外科クリニックが松戸にはほとんどありませんでした。その状況下にあって、「私が開業すべきだ」と、自分でも驚く確信のもと、開業の決断に至ったのです。新東京病院・脳神経外科部長もかなり驚いていましたが、1人の医師が頼りの開業とならぬよう、脳神経外科スタッフの方々のサポートも約束いただき、今までどおり大学での研究も続けることは可能とのことで、2023年5月頃から猛ダッシュでの開業準備が始まりました。コンサルタントに頼らず、周りから「ミラクル」と言われるほど、多くの難題にさらされつつ、無事に開業することができました。

再発防止を目標に脳神経外科専門の医師が診療を担う

クリニックの診療方針をお聞かせください。

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック3

当院では、月曜から土曜まで脳神経外科、火曜・金曜に呼吸器の外来、水曜に糖尿病の外来の診療を行っています。手術を行う施設ではないため、脳卒中などの予防・再発が診療の中心になります。脳卒中に関連する疾患は幅広く、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群の診療体制を整えることで、包括的なリスク管理につながると考えています。脳卒中のハイリスク因子とされる睡眠時無呼吸症候群の診療を強化するため、日本呼吸器学会呼吸器専門医による呼吸器の外来も設けました。脳神経外科の診療を中心に、それに関わってくる生活習慣病の管理まで包括的にサポートする方針です。

診療の際に心がけていることは何でしょうか?

当院に来られる患者さんの多くは、脳卒中を経験し、再発を防ぎたいと強く願っている方々です。当院に通っていただく以上、再発のリスクを最小限に抑えることをめざし、診療を行っています。ただ、そのためにストレスの多い生活を強いることは、決して望ましいことではありません。治療の一環としてお薬を服用いただくことはもちろんですが、当院では管理栄養士が在籍し、食生活や運動習慣についても個別にサポートを行っています。患者さんが薬に頼るだけではなく、生活習慣の改善を通じて、無理なく健康を維持できるようお手伝いすることが大切だと考えています。こうした医療と栄養、生活習慣のバランスを取りながら、ポジティブな気持ちを持っていただけるような診療を心がけています。

新東京病院との連携について具体的に教えてください。

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック4

新東京病院からこちらに来ている患者さんの場合は、新東京病院の医師たちが当院で診療を担当する日に受け持ってもらえるよう配慮しています。例えば、土曜日に新東京病院の外来の枠が減ったことで、そちらで診療ができなくなった医師が、隔週で当院に来て診療を担当するという形です。そうすることで、患者さんが「これまで土曜日に観てくれていた先生に今後も診てもらえる」といった安心感を持ってくださると思うんです。また、手術が必要な場合は新東京病院へ紹介していますので、患者さんは手術を受けてから、こちらに戻ってくることもできます。患者さんにとって、安心して診療を受けられる環境が整っているのではないかと思います。

オープンMRIで若年層や遠方からも患者が足を運ぶ

「地域にない物を提供する」という視点から、オープンMRIを導入されたのですね。

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック5

松戸にはオープンMRIのある医療機関がなかったことに加え、オープンMRIの技術が顕著に進化したことが導入の決め手です。オープンMRIはトンネル型とは異なり、付き添いの方と手をつないだまま撮影できる点も大きなメリットです。閉所恐怖症の方や背骨が曲がっているご高齢の方にも対応しやすいという特長があります。オープンMRIを導入したことで、お子さんも来院されるようになりました。松戸だけでなく、都内や埼玉など遠方からも「オープンMRIだから」と来院される方が増えています。最近では、海外の画像センターを経営する方々が、オープンMRIの可能性について当院へ視察に来られて、撮影含めたオペレーションを見学し、現地での差別化に大いに貢献できるMRIになると判断され、オープンMRI導入を決断されています。

特徴的な取り組みがあれば教えてください。

当院では、皆さんに当院オリジナルハーブティーをお出ししています。診察時にリラックスしていただき、自然とお話ししやすくなればと思っております。そういう意味で、患者さんとのコミュニケーションを大切にする当院らしい取り組みかなと思っています。また、当院にはネズミのキャラクターがいるんです。設計士の方が「脳神経外科は、一般的にはハードルが高く、緊張して来院する人が多いと思うので、少しでも気持ちを和らげられるように」と、考えてくださいました。私がキャラクターのファンというわけではまったくないのですが、結果的に患者さんたちがリラックスしてくれるなら、それがいいのかなと。ハーブティーもネズミのキャラクターも、すべては患者さんに安心して診察を受けてもらうための工夫です。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

和田裕美院長 松戸脳神経外科Dr’sクリニック6

今のところ、具体的に大きな変化を予定しているわけではありませんが、将来的にてんかんの診断のために脳波検査の導入も視野に入れています。今春の1周年記念では、オリジナルのハーブティー缶も作りました(笑)。当院のロゴであるハチドリがプリントされています。これからも、南米の民話にある「ハチドリの一滴」となるべく、患者さんの健康を支える取り組みと信頼いただける環境づくりに努めてまいります。ちょっとした体調の変化や気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。ハーブティーとともにお待ちしています。

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