林 直樹 院長の独自取材記事
綾瀬亀有ロハス歯科&矯正歯科
(足立区/亀有駅)
最終更新日:2025/11/14
綾瀬駅からバスで7分、大型スーパー前の角地に立つ「綾瀬亀有ロハス歯科&矯正歯科」。2024年4月の開業から約1年半で予約が1ヵ月待ちになるほど、多くの患者からの期待を受けている。院長の林直樹先生は、埼玉医科大学病院の口腔外科や埼玉医科大学国際医療センターの頭頸部腫瘍科で研鑽を積んだ日本口腔外科学会口腔外科専門医。また、医学博士も取得している。診療スタイルを問うと、「一つ一つの治療を丁寧に行うことですね」と基本を大切にする姿勢を謙虚に語る。処置の際には、写真を撮るなど記録に残すことを重要視しており、保険診療でも妥協せず、なるべく歯を残すことにこだわっているという。取材では、林院長が繰り返し語る「丁寧に」というシンプルながら力強い言葉に込められた診療への思いをじっくりと聞いた。
(取材日2025年10月20日)
口腔外科や全身管理の経験を生かし、理想の歯科医療を
開業からわずか1年半で予約が1ヵ月待ちだとか。開業に至った経緯を教えてください。

大学病院での臨床研修後、大学院で博士号を取得しました。埼玉医科大学国際医療センターではがんの手術に携わってきましたが、手術が夜10時に終わることも珍しくなく、家族との時間が取れない日々が続いていたんです。埼玉医科大学国際医療センターで3年、その後も大学病院で研鑽を積みながら、週に1度一般歯科でも働いていました。しかし自分の理想とする治療ができる環境をつくりたいという思いが強くなったんです。患者さん一人ひとりと向き合い、丁寧な治療ができる場所を自分でつくろうと決意したのが開業のきっかけです。「もっとこうしたい」という思いを抱えながら働くより、保険診療でも妥協しない、満遍なくすべてができる歯科医院にしたいと思いました。
口腔外科専門医として勤務してきた経験は、今の診療にどう生きていますか?
埼玉医科大学病院での研修医時代は、歯科医師でありながら医師と同じように、救命救急や麻酔科での研修も経験しました。全身管理を学んだことで、有病者や障害のある方の歯科治療にも対応することができます。口腔外科の技術は、親知らずの抜歯だけでなく、歯を残すための処置にも生かされています。例えば、クラウンレングスニングという歯茎の処置や、一度抜いて治療してから戻す再植術など、通常なら抜歯となる歯も残せる可能性があります。現在も月に数回、埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科で診療を続けています。患者さんにとって歯科医師は一人ですから、「先生に出会って良かった」と言ってくださる患者さんのためにその責任を果たしたいんです。
なぜこの場所での開業を決めたのですか?

都内で駐車場がある物件を探していたところ、ここは5台分の駐車場が確保できる角地でした。駅前ではありませんが、目の前に大型スーパーがあり、バス停も近く、人の流れがある場所です。これまであまりなじみのなかった場所でしたが、地域の患者さんをしっかり診ていこうと決めました。実際、開業してみると、お母さん同士のクチコミで来てくださる方が多く、遠方から車で通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。一人ひとりの患者さんを大切にし、「ここに来て良かった」と思っていただける治療を心がけています。その結果、満足してくださった患者さんがご家族やお知り合いを紹介してくださる、そんないい循環が生まれているとうれしいです。
「丁寧」を極め、歯を残すことにこだわる
診療で特に意識していることはありますか?

正直、自分では「これが特別だ」と言えるものは思い浮かびません。ただ、やはり一つ一つの治療を丁寧に行うことを大切にしています。麻酔や治療の説明も、すべての処置において丁寧に対応しています。詰め物の治療をする際は、治療前、形成後、充填後まで写真を撮り、根管治療でも同様に記録を残します。口腔内カメラですべて記録し、それを患者さんに説明します。自費のセラミック治療では接着剤にもこだわるなど、どの治療でも全力を尽くしています。こうして丁寧に治療することで、患者さんの信頼を得られていると感じています。
「なるべく歯を抜かない」という方針について詳しく教えてください。
歯を少しでも残したいという思いは、私が育った診療環境から受け継いだものです。残した先に駄目だったらインプラントという選択肢もありますが、まずは今ある歯を残すことが大切です。患者さんが「半年でもいいから持たせてくれ」と言えば、クラウンレングスニングで歯茎を下げたり、再植で一度抜いて治療してから戻したり、できる限りの治療をします。もちろん持つかどうかわからないけれど、1年でも2年でも持たせられることが患者さんの要望に応えることだと思っています。必要ないことはしないですし、本当に必要なことだけを提案することをなによりも大切にしています。
初診を特に大切にされている理由は?

患者さんは緊張して来院されますし、どんなクリニックだろう、どんな先生だろうと不安でいっぱいです。だから初診の時はマスクを外して話をします。相手の目を見て、笑顔で接する。これは私の中のちょっとしたポイントですが、とても大事なことだと思っています。初診の第一印象で、その後の信頼関係が決まることもあります。実は受付でも、次回の予約が1ヵ月先になることを最初にお伝えしています。それでも通院してくれる患者さんのためにこちらも全力で応えなければと思うんです。患者さんの要望にはできる限り応えられるように歯科医師として今後も成長していきたいです。
縁のある人を幸せに、理念を貫く
スタッフ教育や働き方について、どんな工夫をされていますか?

スタッフには「元気に・ハキハキ・テキパキ」という基本姿勢を大切にしてもらっています。技術や接遇も大事ですが、結局は笑顔を絶やさないとか、相手のいいところを見つけるとか、精神論に一周回って戻ってくると思うんです。クリニックの理念である「縁のある人を幸せにする」には、スタッフやその家族も含まれています。そのため、スタッフが無理なく働ける環境づくりにも力を入れています。私自身もできるだけ家庭での時間を大切にしており、子どもと一緒にお風呂に入ったり、遊んだりして、家族との時間を取れるようにしています。結果的にはそれが患者さんにも還元され、良い循環につながると考えています。
今後の展望について教えてください。
開業時は4台だったユニットも、現在は7台に増やしました。正直、自分でも加速しすぎたかなと思っています。ただ、増設によって患者さんにより良い治療環境が提供できますし、スタッフにも働きやすい環境を還元できます。ユニットが9台まで入る設計なので、そこが上限だと思っています。しかし、それ以上に大事なのは質を高めることです。後進を育てるカリキュラムも整備して、どんな患者さんにも対応できる体制をつくっていきたいと思っています。インプラント治療も矯正も対応しますし、入れ歯も含め、満遍なく対応できるクリニックをめざしています。常に知識や技術をアップデートし続け、「患者さんの将来を真剣に考えて、質の高い治療を届ける」という理念を曲げずに、治療の質を維持し続けていきたいと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

現在、予約が1ヵ月待ちになっています。早く治療してほしいという方には不自由なこともあると思いますが、お一人に30~40分かけて丁寧に診療するのが私のスタイルのため、1日に診られる人数には限りがあります。ただ、一度治療を受けていただければ、良さをわかっていただけると自信を持っています。遠方から来てくださる患者さんもいらっしゃいますし、それだけの価値があると感じていただけていることに感謝しています。ウェブ予約は24時間受けつけていますので、気になる症状があれば早めにご予約ください。私の診療は「丁寧にやります」。これに尽きます。「本当に来て良かった」と思っていただけるよう、これからも全力で診療に取り組んでいきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはクラウンレングスニング(歯冠長延長術)/5万5000円、クラウンレングスニング(再植術)/11万円、セラミックの詰め物/4万9500円、セラミックのかぶせ物/9万9000円、インプラント治療/49万5000円、矯正/88万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

