早期発見と再発防止の鍵を握る
循環器疾患の専門家に相談を
須賀医院駅前ハートクリニック
(さいたま市浦和区/与野駅)
最終更新日:2025/08/06


- 保険診療
循環器内科は何を専門とする科なのか、明確に答えられるだろうか。正確には心臓や血管、血液の流れに関する疾患を診る分野で、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、動脈硬化といった病気を扱う。胸が苦しい、動悸や息切れがする、むくみがあるといった場合は、早急に循環器内科の専門家に診てもらう必要がある。「須賀医院駅前ハートクリニック」院長の玉那覇雄介(たまなは・ゆうすけ)先生は、「気になる症状があった時点で来院してもらうことが大事」と訴える。循環器疾患は症状が一時的に自然と治まることもあり、自己判断で受診を止めてしまう人も多いため、専門家にどれだけ早くつながれるかが予後を決めるそうだ。日本循環器学会循環器専門医や日本内科学会総合内科専門医の資格を併せ持つ立場から、循環器内科の診療などについて教えてもらった。
(取材日2025年7月10日)
目次
循環器内科の専門家だからこそ、小さな変化も見逃さないよう精密な診察とスムーズな連携で、大病の予防へ
- Q循環器内科は主にどういった症状の方がいらっしゃるのですか?
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A
▲動悸・むくみ・息切れなど、気になる症状はすぐに相談しよう
胸が苦しい、または痛む、動悸がする、むくみが気になるといった症状が圧倒的ですね。例えば、飛行機に乗った時に胸が苦しくなったとか、階段の上り下りで動悸が激しくなった、足が腫れてきたなど、今までは気にならなかったのにというケースです。気がついた時にすぐ循環器内科の専門家にかかるのが一番なのですが、その症状が一時的に治まってしまうこともあり、皆さん「何でもなかったんだ」と受診をやめてしまわれます。ここが循環器疾患の怖いところ。これらのような症状があったら、まずは循環器内科に一度相談しに来てほしいと思っています。
- Q循環器内科の専門家がいるクリニックを受診するメリットとは?
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A
▲症状の裏にある疾患を見極め、適切な治療方針を提案
緊急性の有無を見極める目、診断力が重要だと思っています。まず採血と心電図検査を行い、その結果を踏まえてもう少し詳しく心エコー検査やエックス線検査も行うべきかを選別をしていきます。この心電図一つとっても、その場で適切に読み解いていくのは循環器を専門とする医師でなければ難しいと感じています。個々の検査結果を総合的に診て、適切に診断を下し、治療方針を立てていくこと。通院治療で良いのか、それとも早急に提携先の医療機関へご紹介したほうが良いのか。すぐにカテーテル治療が必要な場合は、その場で近隣の医療機関に連絡し、救急車でそのまま向かってもらうこともあるんです。当院では検査もすべて私が担当しています。
- Qこちらで行う治療について教えてください。
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A
▲エコー検査から診察まで一貫して玉那覇院長が対応
検査結果から緊急性がないと判断された場合は、投薬治療を行います。例えば狭心症は、基本的に、血液をサラサラにするための抗血小板薬や、心臓の保護を目的とした薬、コレステロールの薬を中心に処方していきます。不整脈の場合は薬剤の種類が多いので、慎重に調整していかなければなりません。糖尿病や高血圧といった生活習慣病を併発している方もいらっしゃるので、お一人ずつオーダーメイドで処方していく必要があります。年齢や生活環境も踏まえ、ベストな薬の組み合わせを考えていくのはたいへん難しく、こちらも循環器専門医としての経験が問われます。
- Q一刻を争う疾患のため、スムーズな提携が肝心と伺いました。
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A
▲検査から診断・連携まで、その日のうちに適切な医療へつなぐ
循環器疾患は命に関わる病気でもあり、受診日に適切な検査を実施し、その場で適切な診断を下すことが求められます。状況に応じて、さいたま赤十字病院や、私の古巣である自治医科大学附属さいたま医療センターなどにご紹介いたします。より緊急性が高い場合はその場で搬送先に電話し、救急車で向かっていただきます。また、心臓に負荷をかけながら疾患を特定する運動負荷検査が必要なケースは、さいたま市内にある本院の須賀医院で私が行います。そのほか、冠動脈CTの場合は近隣の検査専門施設と提携しており、結果がすぐ当院へ送られてくるようになっています。
- Q早期発見、再発防止が大事なのですね。
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A
▲違和感を感じたらすぐに相談してほしいと話す
循環器疾患は、前兆を見逃さないことが大切になってきます。心筋梗塞に至る前って、「動いた時にちょっと胸が苦しかった」「少し胸に違和感を感じた」など、発症までに小さなサインが出ていることが多いんです。その異変に気がつくかどうかで予後はまったく違ってきます。患者さん自身が気がついていないこともあり、「何か気になること、変化はありませんか?」「痛みの程度は?」「最近できなくなっていることはありますか?」など、私たちが記憶を掘り起こしていくことも大事です。また、症状が治まっていても再発の可能性はあり、継続的な通院は必要です。小さな異変の段階で循環器専門医に診せることが一番ですね。