玉那覇 雄介 院長の独自取材記事
須賀医院駅前ハートクリニック
(さいたま市浦和区/与野駅)
最終更新日:2025/05/02

JR京浜東北線・与野駅西口から徒歩1分。「須賀医院駅前ハートクリニック」は外壁がグレー、内装もグレー・ブラウン・ベージュ系でまとめられ、モダンで落ち着いた雰囲気が漂う。玉那覇雄介(たまなは・ゆうすけ)院長は、埼玉県内のさまざまな医療機関で循環器内科の医師として研鑽を積み、同院の院長に就任した。「これまでに経験した救急の外来で、心停止した患者さんの救命に携わる仕事にやりがいを感じた」と語る玉那覇院長。クリニックの特徴や、注力している病気の早期発見についてなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2025年3月31日)
地域の医療機関と連携し、病気の早期発見や治療に注力
クリニックを開業したきっかけを教えてください。

私は大学卒業後、埼玉県内のさまざまな医療機関で循環器内科の医師として経験を積んできました。また、本院にあたる須賀医院でも、週に1回非常勤として約7年間診療にあたっていました。須賀医院の院長は、私が所属していた循環器内科の医局の先輩で、以前から「いつか一緒にクリニックをやろう」とお話をいただいていたんです。そして2024年、当院を開業する際にお声がけいただき、ご縁があって院長を務めることになりました。
こちらのクリニックの特徴をお聞かせください。
当院では風邪や発熱といった一般的な内科疾患全般に対応しています。私は日本循環器学会循環器専門医ですので、診察の中で狭心症などの心疾患が見つかった場合には、専門的な治療を提供できるのが強みです。当院には不整脈など、心臓に不安を感じて受診される方も多くいらっしゃいます。そうした患者さんに対しては、できるだけその日のうちに診断の道筋を立て、必要な検査や治療方針を決めるようにしています。例えば当院では、心電図検査・エコー検査・採血検査・エックス線検査が可能です。これらの検査は来院された当日中に実施し、迅速な診断につなげるよう心がけています。また、病気の早期発見にも力を入れており、一般健診のほか、健診で心電図やコレステロール値に異常があると指摘された方の再検査にも対応しています。
他の医療機関との連携も密にされていると伺いました。

はい。より精密な検査が必要な場合は、適切な医療機関への紹介が可能です。例えば本院である「須賀医院」の場合、当院から送迎バスでお送りできる体制を整えています。また、近隣の医療機関とも密に連携しています。必要に応じて適切な診療を受けられるようサポートしますので、お気軽にご相談ください。万が一、心筋梗塞や不安定狭心症など緊急性が高い症状だと判断した場合は、救急搬送の対応も行っています。
丁寧な問診と温かな対応で、患者が安心できる診療を
カテーテルやペースメーカーの治療後のフォローにも、積極的に取り組んでいるそうですね。

例えば、カテーテル治療を受けた方は、基本的に薬を服用し続ける必要があります。当院では薬の処方に加え、定期的な検査も行っています。大規模病院を受診した患者さんは、治療後に近隣の医療機関でフォローを受けるように案内されることも珍しくありません。当院にもそういった患者さんが来院されますので、半年〜1年ごとにエコー検査などを実施し、健康管理のお手伝いをしています。また、狭心症の場合は治療しても症状が繰り返し現れる傾向にあるため、症状が悪化する前に適切な対応を取ることがとても重要です。疾患の兆候を見逃さないためにしっかり問診し、必要があれば専門の医療機関と連携して、患者さんが自宅で心筋梗塞を起こすリスクを防ぐよう努めています。
早めの対応が大切なのですね。どのような症状を感じたら受診するべきなのでしょうか?
例えば、駅の階段を上るだけで息切れするなど、今まで普通にできていた動作で息苦しさを感じるようになったり、胸が痛くなったりする場合は注意が必要です。こうした症状は心疾患のサインである可能性があるため、早めに受診していただくことをお勧めします。心エコーやエックス線検査の結果、特に異常が見つからないことも珍しくありません。実際、ストレスが原因だったというケースも多いので、心配な方は一度診察を受けていただきたいですね。また、動悸がするといった症状で来院された方の中には、検査の結果、貧血や甲状腺の病気が見つかることもあります。心疾患の症状ではない場合は、専門の医師をご紹介しています。気になることがあれば遠慮せずにご相談ください。
診療で大切にされていることを教えてください。

患者さんとの会話です。ご自分の症状をうまく表現できない方も多いため、問診の際は丁寧に話を聞くようにしています。例えば「胸が苦しい」という患者さんには、いつ起こるのか、何をしたときに苦しくなるのかなどを詳しく聞き、狭心症をはじめとした病気を見逃さないよう努めています。また、医療機関に来ると緊張される方も多いですよね。緊張するとなおさら症状を伝えにくくなってしまう患者さんも多いと思うので、できるだけ笑顔を絶やさず、和やかな雰囲気をつくるように心がけています。時にはお仕事やご家族の話など、病気に直接関係のない話をしながら、患者さんにリラックスしてもらうよう努めています。これは、医師の私だけが意識していることではありません。初めて来院される方にも安心して受診していただくために、患者さんが困っている様子があれば積極的に声をかけるよう、スタッフ全員に伝えています。
ちょっとした症状だからと見過ごさず、早めの受診を
循環器内科の医師をめざしたきっかけは何ですか?

医師を志したのは、「人の役に立ちたい」という思いからでした。私の祖父や祖母が大きな病気を抱えて病院に通っていたこともあり、そういった家族を支えられる医師になりたいという気持ちがあったんです。また、もともと人と接するのが好きな性格で、ご高齢の方と話すのも楽しいと感じていて、医療の道は自分に合っていると考えました。研修医の頃に、救急の外来で多くの患者さんを診る中で、循環器内科の仕事に強く惹かれるようになりました。特に、心停止で運ばれてきた患者さんの救命に奮闘したのを通して、とてもやりがいのある仕事だと感じたんです。循環器内科は、外来診療だけでなく救急医療にも携われますし、カテーテル治療のような手技も必要とされます。退院した後も外来で長く患者さんと付き合っていけることに魅力を感じました。自分の興味や得意分野を生かして地域の医療に貢献できると感じ、この道を選びました。
これからどのようなクリニックにしたいか、今後の展望をお聞かせください。
一番の目標は、地域に根差したクリニックになることです。地域の皆さんに信頼され、「困ったときはここに来れば大丈夫」と思っていただける存在をめざしています。当院では小学生以上の方を対象に診療を行っています。ご家族の健康を支えるかかりつけ医として、お役に立てれば幸いです。今後も、埼玉県内のさまざまな医療機関と連携しながら、幅広い疾患に対応できる医師として、地域の皆さんに貢献していきたいと考えています。私自身、勉強会などを通じて知識や技術を磨き、より良い医療を提供できるよう努めてまいります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

生活習慣の影響を受けやすいものの一つに、コレステロール値の異常や高血圧があります。これらは日々の食事や運動習慣によって予防や管理が可能とされています。例えば、コレステロール値が高めの方は油分を、高血圧の方は塩分の摂取を控えることが大切です。また、適度な運動を取り入れることで、どちらの予防にもつながります。とはいえ、健康に気をつけていても、「なんとなく調子が悪い」と感じることがあるかもしれません。些細な症状が大きな病気のサインであることもあります。「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、早めの受診をお勧めします。当院は、「地域に優しさと笑顔、そして丁寧な医療を」をモットーに、患者さんが安心して相談できるようなクリニックをめざしています。どんな小さなことでも構いませんので、気になることがあればお気軽にご来院ください。