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細矢 慶 院長の独自取材記事

鼻とにおいのクリニック池袋

(豊島区/池袋駅)

最終更新日:2025/11/04

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋 main

池袋駅から徒歩1分、「鼻とにおいのクリニック池袋」は耳鼻咽喉科の中でも鼻と嗅覚に特化したクリニックとして2024年に開業した。細矢慶院長は鼻科手術の専門知識を持ち、大学病院での豊富な経験を生かして薬物治療では改善しない鼻疾患の日帰り手術を手がける。「もし患者さんの生活の悩みが解消できたら何よりうれしい」と語る細矢院長は、剣道で培った基本に忠実な姿勢を医療にも反映。性能にこだわった医療機器をそろえ、麻酔科や内科の医師とのチーム医療で安全性を重視した診療を展開している。嗅覚障害という一般にはあまり知られていない症状への対応や、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎の根本的治療について、その思いを聞いた。

(取材日2025年9月8日)

鼻とにおいに特化した専門診療を提供

耳鼻咽喉科の中でも鼻に特化された理由を教えてください。

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋1

耳鼻咽喉科は耳、鼻、喉とそれぞれ実はバラバラなものが一つになっている科なのですが、当院はその中でも鼻に特化して診療をしています。父が耳鼻咽喉科医だったこともあり自然と同じ道を志しました。研修医時代に嗅覚に強く興味を持ったんです。食事やワインなど、匂いを楽しむことが好きだったこともあり、嗅覚障害の患者さんを診ることで、その大切さを改めて実感しました。鼻に特化することで、大学病院にあるような鼻の診療に必要な機材をそろえ、同じレベルの診療ができるよう体制を整えています。鼻は空気の通り道として肺までつながっているので、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎と喘息を併発している患者さんも多く、内科の先生にも週に2回来てもらって上気道も下気道も一緒に診る体制をつくっています。

鼻科手術の経験が豊富で、後進の育成にも携わっていると伺いました。

私は大学病院で鼻科手術の研鑽を積み、論文も執筆してきました。今も大学院に所属して後輩の指導をしています。手術で大事なのは視野の安全性と、操作の安全性です。安全な手術をめざすためには、この器械でこういうふうに触ると良いとか、これは危険だとか、そういった操作を徹底して教えています。何かあった時に慌てずに対処できる平常心も大事です。これは剣道で培った基本を大切にする姿勢とも通じています。剣道も手術も基本的な動きの積み重ねなので、その基礎をしっかり身につけることが、結果的に患者さんの安全につながると考えています。

クリニックの設備や環境へのこだわりを教えてください。

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋2

大学病院と同等の検査・治療ができるよう、CTや内視鏡システム、そして全国でも導入しているクリニックの少ない嗅覚検査機器も完備しています。大学病院だと検査予約や結果説明で何度も来院が必要ですが、当院では短時間の検査で、即日結果をお伝えできます。院内環境にもこだわりがあって、待ち時間を有効に使えるようカウンター席にコンセントを備え、無線LANを導入しました。仕事もできるカフェのような空間を意識しました。デザイナーと相談して塗り壁風のカウンターや間接照明など、落ち着いた雰囲気づくりにこだわりました。建物が好きなので、自分たちでライトを見に行ったりもしましたね。

嗅覚障害と鼻疾患への根本的アプローチ

嗅覚障害の診断と治療について教えてください。

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋3

嗅覚障害は自覚が難しく、ガス漏れに気づかない、腐った食べ物がわからないなど生命に関わるリスクもあります。食事の楽しみが減るだけでなく、「いい匂いだね」といった、においに関する会話に入れない疎外感から、ストレスを感じることもあります。最近ではフレイルのリスクも高いことがわかってきました。原因の半分は副鼻腔炎で、残りは新型コロナウイルスを含むウイルス感染が20%、原因不明や加齢などが30%といわれています。当院では5種類の臭いを濃度を変えて検査し、客観的に診断します。副鼻腔炎が原因なら薬物治療か手術で改善が期待でき、長期間放置すると嗅覚の神経自体がダメージを受けて回復が難しくなるので、早期の診断と治療が大切です。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の手術はどのように行うのですか?

薬を飲んでも治らない方に対して、日帰りまたは1泊の短期滞在で内視鏡手術を行っています。アレルギー性鼻炎は1時間程度、副鼻腔炎は2時間程度で、全身麻酔により患者さんの苦痛に配慮して行います。鼻の構造異常である鼻中隔湾曲症の矯正や、腫れた粘膜の処理も同時に行えます。大学だと1週間の入院が必要ですが、当院では麻酔科が専門の医師が常駐する手術日を週3回設け、日帰りか連携病院での1泊入院で対応しています。手術後は鼻にスポンジを入れるため数日は鼻呼吸ができませんが、2週間後には大分落ち着いてきます。保険適用なので費用面の心配も少なくて済みます。鼻疾患による慢性的なお悩みの解消が見込め、レーザー治療とは異なり根本的な構造に対し治療を行うので、持続的な効果が期待できます。副鼻腔炎の手術があることを医師でも知らない人がいるくらい、まだ認知度は低いですけれどね。

手術を受ける患者さんはどのような方が多いですか?

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋4

30〜50代の働き盛りの方が中心で、男女比はほぼ同じです。基本的には手術を検討して来院される方が多いですが、一度薬を試してから手術を決める方もいます。アレルギー性鼻炎と副鼻腔炎の両方の症状を持つ方も多く、同時に手術することもあります。健康な方に絞って手術をしているので、糖尿病でもコントロールが良ければ大丈夫ですが、心臓病や脳梗塞の既往がある方は大学病院をご紹介しています。手術を勧めるかどうかは慎重に判断していて、手術はそれなりに侵襲もあるため、患者さんにとって本当に必要かを見極めます。他の耳鼻咽喉科で治らなくて、困っている方にも対応しています。完全予約制ですが、そういった相談も含めて幅広く受け付けています。

剣道で培った平常心を生かすチーム医療

チーム医療体制について教えてください。

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋5

週3回麻酔科の医師が来て全身麻酔を担当し、週2回内科を専門とする医師が呼吸器全体を診ています。手術を受ける患者さんは全員胸部エックス線を撮り、内科の医師にチェックしてもらいます。心電図も麻酔科の医師が確認し、みんなで安全にやっていくことを意識しています。鼻は上気道として耳鼻咽喉科医が診ますが、気管支や肺の下気道は内科の領域です。喘息を併発している患者さんも多いので、呼吸器全体を診る体制が重要です。今日も2件手術を終えたところですが、麻酔科の医師がいることで私は手術に集中でき、患者さんに安心していただける環境づくりにもつながります。大学病院では当たり前の体制をクリニックでも実現することで、日帰りでも手術の安全性が高まります。それぞれの専門家が連携することで、一人ひとりの患者さんに適した治療を提供できていると思います。

診療で大切にしていることは何ですか?

まず、あいさつをしっかりすることです。ファーストインプレッションが信頼関係を築く上で大事だと思っています。そして「聞いておきたいことはありますか?」と必ず声をかけ、聞き残しがないようにしています。手術では平常心を保つことを特に意識していて、これは剣道で培った精神性が生きています。できるだけ手術中に気持ちにむらを作らないよう、集中力を保ちながらも力まない。事故の可能性はゼロではないので、何かあった時に慌てずに対処できる平常心が大切です。剣道の基本に忠実にという姿勢は、手術の基本動作を丹念に積み重ねることと同じです。欲張らずに一つ一つの動作を丁寧に行うことが結果的に良い手術につながります。患者さんに「ここに来て良かった」と思ってもらえるよう、技術だけでなく心の面でも寄り添う診療を心がけています。

読者へのメッセージをお願いします。

細矢慶院長 鼻とにおいのクリニック池袋6

鼻詰まりが治らなくて困っている、においがわからなくて困っている方は、ぜひ気軽にご相談ください。花粉症などのアレルギー性鼻炎も含め、薬で治らないからと諦めている方も多いと思いますが、手術という選択肢があることを知ってほしいです。手術と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、全身麻酔で行いますし、日帰りで受けられます。いつもかかっている医師からの紹介状がなくても、セカンドオピニオンとして相談に来ていただいても大丈夫です。まずはお薬で様子を見ることもできますし、手術が必要かどうかも含めて一緒に考えていきます。鼻の疾患による慢性的なお悩みの解消が見込めますし、もし患者さんの生活の悩みを解消することができたら何よりうれしいことです。鼻の悩みで生活の質が下がっている方の力になれればと思っています。

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