筋力アップを図り顎の発達を促す装置で
永久歯に備える小児矯正
霞が関デンタルオフィス 東京
(千代田区/虎ノ門駅)
最終更新日:2024/05/14


- 自由診療
子どもの歯並びや噛み合わせに不具合があっても、以前は「小児の矯正は永久歯に生え替わった後に」と言われることも多かった。しかし、近年は不正咬合の原因の一つに顎の発達の遅れが挙げられ、3〜9歳の時期に顎の発達を促す早期矯正を行うことも選択肢となっている。さらに、小児矯正に詳しい「霞が関デンタルオフィス 東京」の毛利国安院長は、「お子さんの乳歯がすき間なく整っていると、永久歯がきれいに並ぶスペースが足りない恐れがあるので、一度小児矯正の受診を」と注意を促す。同院ではマウスピース型の器具で子どもの口腔周辺や舌の筋力アップを図り、顎の発達をサポートしているという。そうした小児矯正を検討するときのポイントや具体的な矯正の方法について毛利院長に取材した。
(取材日2024年4月17日)
目次
日中最低1時間と就寝中の利用が基本。筋機能矯正で将来のきれいな歯並びに向けた土台作りを
- Q子どもの歯を矯正する目的や時期について教えてください。
-
A
▲親子での通院がきっかけで矯正治療を始めることも
小児矯正には、顎の成長を促して不正咬合の予防などをめざす一期治療と、ワイヤーなどで歯に力をかけて不具合のある噛み合わせや歯並びの改善に役立てる二期治療があります。それぞれ適した時期も異なり、一般的に一期治療は乳歯が生えそろう3歳頃から永久歯に生え替わる9歳頃までとされ、二期治療は永久歯に生え替わった後に行われます。特に当院が重視するのは一期治療で、口腔内に装着する器具で口腔周辺や舌の筋力をトレーニングし、口呼吸の改善を図るなどで顎の成長をサポートします。こうやって永久歯が生えるスペースの確保をめざすことで、生え替わり後の噛み合わせや歯並びが自然に整っていくことが期待できます。
- Q一期治療が必要かどうか判断するポイントはありますか?
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A
▲口呼吸などが気になる場合は、まず相談してほしいと語る毛利院長
乳歯で歯並びがしっかり整って見える場合、永久歯がきれいに並ぶスペースが不足する恐れがあるため、小児矯正の専門家に相談されるようお勧めします。乳歯のうちは歯間に少しの余裕「発育空隙(はついくくうげき)」がある方が、乳歯より大きな永久歯が生えたときに歯並びが整うとされています。例えばお子さんにフロスを使ったとき、歯間にカチッと収まる感じなら発育空隙が足りないかもしれません。一方、歯を閉じて上下の前歯に隙間ができるのは「開咬(かいこう)」と呼ばれる不正咬合なので一期治療を検討すべきでしょう。また、口呼吸をするお子さんは口腔周辺や舌の筋力が弱いことが多く、顎の発達不足が懸念されるので要注意です。
- Qそうした子どもの一期治療はどのように行うのでしょうか?
-
A
▲機能的矯正装置について丁寧に使い方を説明するよう心がけている
口腔内に装着する機能的矯正装置により口腔周辺や舌の筋力をトレーニングし、顎の発達を誘導していきます。「機能的」とはお子さん自身の筋力を生かすという意味で、器具の力で顎を広げたり歯を動かしたりを目的とした矯正方法とは違うものです。装置は唇が口の外側から内側へと押す力を軽減して、舌の位置を本来あるべき上顎につくようにサポートすることで、口の内側から外側へと押す筋力の育成をめざします。マスク着用の息苦しさで口呼吸になるお子さんもいますが、舌の位置の改善で鼻呼吸に戻ることも期待できます。さらに当院ではより効果を高められるよう、装置を装着しながら、口腔周辺や舌を鍛える体操についても指導しています。
- Q子どもがどの程度装置をつけてくれるのか心配です。
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A
▲子どもに負担のかからないように進行する
装着は日中最低1時間と就寝時で、食事や学校など生活への影響が比較的少ないので始めやすいのではないでしょうか。装着期間は口腔内の状態により異なりますが、目安として3ヵ月から1年ほどとされています。もちろん口の中に異物を入れるのを好まないお子さんも多いでしょう。そんなときは相手が嫌な気持ちにならないよう無理強いせず、最初の1ヵ月は準備期間と考え、短時間でも装着できたらしっかり褒めて、少しずつ装着時間を伸ばすようにしてください。一期治療は永久歯がきれいに並ぶスペースを確保する土台作りが目的。理想の歯並びにするまで頑張ることはありません。必要なときは二期治療で歯並びの矯正をご検討ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは機能的矯正装置を用いた矯正(一期矯正)/11万円、二期矯正/99万円~ ※矯正内容によっては変動があります。二期矯正をご希望の場合は、矯正歯科医との相談を月1で設けています。