デジタル・アナログ融合で
より安全精密をめざすインプラント治療
霞が関デンタルオフィス 東京
(千代田区/虎ノ門駅)
最終更新日:2024/05/14


- 自由診療
虫歯や歯周病で歯を失ったときの治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラント治療などがある。入れ歯は両脇の歯を支えに使い、ブリッジは両脇の歯を削って土台にするが、インプラント治療は自立して周囲の健康な歯に負担をかけないという点はメリットの一つだろう。自立させるために顎の骨に土台を埋めるなどの外科手術をはじめ「インプラント治療全体がデジタル技術の導入で、さらに精度や安全性の向上がめざせるようになっています」というのは、アメリカで先進のインプラント治療を習得し、日本でも多くの治療を行ってきた「霞が関デンタルオフィス 東京」の毛利国安院長だ。デジタル化でどのようなメリットが生まれるのか、同院での取り組みなども含めて詳しく聞いた。
(取材日2024年4月17日)
目次
CTとスキャナーでの口腔内のデータ化、手術をサポートするサージカルガイドなどを用いて治療
- Qどんな場合にインプラント治療を検討したらいいのでしょうか?
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A
▲オフィスビルに囲まれた一角に位置する歯科医院
歯周病や虫歯で歯を失ったり事故などで歯が割れたりして、新しい歯が必要な方が対象です。その中で、入れ歯ではしっかり噛めないと感じる方、健康な歯を削る必要があるブリッジにしたくない方にとって、インプラント治療は有用な選択肢といえます。顎に埋め込んだ土台であるインプラントの上にかぶせ物を装着しますから、入れ歯やブリッジに比べて安定しやすく、しっかりと噛むことがめざせる点は大きなメリット。健康であれば高齢になっても治療は可能です。一方、たばこを吸って歯茎周辺の血流が悪い方、糖尿病で感染症リスクが高い方などは、事前に十分な対策を施し、治療後のメンテナンスもこまめに行うといった注意が必要になります。
- Qインプラント治療でもデジタル化が進んでいると聞きます。
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A
▲口腔内を精密に把握するため、CTを導入
患者さんの口腔内の状態をデジタル化したデータを用いたシミュレーションで、より適切で安全性重視のインプラント治療がめざせるようになりました。さらに当院ではデジタルにアナログのメリットを加えたインプラント治療を行っています。例えば治療を検討するときは顎や歯の状態を透視したCT画像と、口腔内の形や歯茎の形状・位置を捉えるスキャナーで得た情報をデジタルデータとしてミックス。これをもとに患者さんに適したインプラントの大きさおよび埋め込む深さ・角度、インプラントに装着するかぶせ物の理想像まで算出します。さらに型採りで作製した模型を歯科技工士が高精度スキャナーでトレースしてかぶせ物を作り上げます。
- Q手術場面でもデジタル技術は活用されるのでしょうか?
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A
▲患者の身体への負担軽減のために、デジタルシステムを活用する
当院の手術ではシミュレーションをもとに3Dプリンターで造形したガイド装置「サージカルガイド」を使います。ガイドに沿うことでインプラントを想定どおりの深さ・角度で埋め込むことができ、歯茎を大きく切らずに済むため手術時間も短く、早い回復につながるなど患者さんの負担も軽減できます。このようにかぶせ物を装着した最終形を決め、その実現をめざす「補綴主導型インプラント治療」にはデジタル技術が不可欠です。加えて当院は、手術をサポートするスタッフが「第2の術者」の意識で、患者さんの身体状態のほか手術全体の進行状況に目を配るなど、デジタルに人の目によるチェックを加えるため手術の精度と安全性の向上が期待できます。
- Q全体的な流れや治療にかかる期間を教えてください。
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A
▲シミュレーションを患者に共有し、治療について丁寧に説明を行う
デジタル技術で治療期間の短縮が期待できます。以前は各種の検査で口腔内を調べて治療計画を立て、患者さんの承諾が得られたら1次手術でインプラントを埋め、切開した歯茎を縫合・抜糸して回復を待った後、2次手術でかぶせ物を装着していました。このため治療を終えるまで上顎は早くて5ヵ月、下顎は4ヵ月ほどかかるのが一般的だったのです。しかし、デジタル化により計画段階で最終形が決まり、サージカルガイドを用いて歯茎をほとんど切開しない場合は、1次手術後すぐにかぶせ物を装着できることも多くなりました。ただ、インプラントを埋める顎の骨の不足を補うため骨造成を行うケースでは、1次手術前に数ヵ月必要になります。
- Qインプラント治療後はどんな点に注意が必要ですか?
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A
▲長持ちさせるために、定期的な通院を
インプラントやかぶせ物の周囲にある歯茎の汚れや血行の悪化は炎症を招き、歯周病と似たインプラント周囲炎になって、うまく噛めなくなる可能性があります。治療した部分を少し弱めにブラッシングするほかは通常どおりの歯磨きで構いませんが、3ヵ月に1度くらいのペースでクリニックに通って汚れを除去し、専門家に状態を確認してもらうことが大切。歯茎の血行が悪くなるたばこ、血管にダメージを与える糖尿病などは炎症リスクを高めることをご理解いただき、すぐに改善が難しいようならメンテナンスに毎月通うといった対処が必要でしょう。また、治療後に強く噛みすぎると、かぶせ物が割れることがあるので注意してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本49万5000円(サージカルガイド使用) ※骨造成を行う場合は別途5万5000円〜の費用が必要