歯列矯正における新しい技術
マウスピース型(アライナー型)装置
        千歳船橋おおむら歯科・矯正歯科
(世田谷区/千歳船橋駅)
最終更新日:2025/10/15
 
         
      - 自由診療
大人から子どもまで、歯列矯正への関心が高まっている昨今。歯列矯正の技術も進化し続け、患者にとっても心地良く装着できる機能的な装置が作られるようになった。今まではワイヤー矯正や企業に製作を依頼するマウスピース型装置を使用した矯正が主流だったが、最近ではマウスピース型装置を院内で作製できるようになり、今後導入するクリニックが増えると見込まれている。そこで、大学時代から歯列矯正を専門的に学び、知識・経験が豊富な「千歳船橋おおむら歯科・矯正歯科」の大村恵美子副院長にインタビューを実施。従来のマウスピース型装置との違いやメリットなどについて教えてもらったので、歯列矯正を考えている人はぜひ参考にしてもらいたい。
(取材日2025年8月22日)
目次
院内で製作するマウスピース型(アライナー型)装置とは
- Qマウスピース型装置を用いた矯正について教えてください。
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            A
                ▲口腔内スキャナーを用い、口の様子を精密に記録 私は大学病院で学んで以来、20年近くワイヤー矯正に携わっており、現在でも矯正に関して勉強を続けています。マウスピース型装置を用いた矯正は、まず、口腔内スキャナーで歯型を採りデジタルデータ化します。そのデジタル化したデータを用いて患者さんの歯型に合わせたカスタムメイドの装置を作ります。その装置を用い、歯並びや噛み合わせの矯正を行っていきます。マウスピース型装置は取り外すことができるので歯磨きがしやすく、口腔内の衛生状態が保ちやすいといわれています。最近では、マウスピース型装置を用いた矯正に必要なデジタル機器や設備が進化しており、さまざまな症例に対応できるようになっていると思います。 
- Qこちらではマウスピース型装置を院内で作られているそうですね。
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            A
                ▲歯科用3Dプリンターを設置 はい。マウスピース型装置には長い歴史があり、1920年代に誕生して以来、進化を遂げてきました。2000年代に入ってから口腔内スキャナーが登場し、歯列をスキャンしたデータをもとに企業が製作するタイプのマウスピース型装置が広く普及しました。現在、多くの歯科医院で使用されているものは、スキャンデータから患者さんの歯列模型を製作し、熱可塑性シートを圧接して装置を製作します。製作工程で3Dプリンターを使用するなど高度な技術を伴うため、企業による製作が主流でした。その後、コンパクトになった3Dスキャナーの登場により院内でも製作が可能になりました。外注の手間なく、歯科医師自身が自在に調整できるのが魅力です。 
- Q形状記憶の機能を持つマウスピース型装置の特徴は何でしょうか。
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            A
                ▲形状記憶の機能を持つ樹脂を採用 現在は3Dプリンターが小型化してきたため、院内でマウスピース型装置を直接プリントできるようになり「形状記憶」の効果を持つ装置を製作することが可能になりました。形状記憶ワイヤーによるワイヤー矯正治療は広く普及していますが、当院ではお口の温度で元に戻る「形状記憶」機能を持つマウスピース型装置を製作しています。患者さんにとっての大きなメリットは、より歯にぴったりと適合し、弱い力で痛みが少なく歯の移動が期待できること。型採りしてから、長くお待たせせずにお渡しができること。また熱湯消毒ができきるため、衛生面も保ちやすく虫歯になりにくいことなどです。 
- Qこちらの矯正はどんな人に向いていますか?
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            A
                ▲痛みが少なく、虫歯予防の観点でもメリットが大きい矯正 弱い力でじわじわと歯を動かすため、痛みが少ないですし、お子さんにもお勧めです。矯正中の歯に設置するアタッチメントという突起物もほとんど必要なく、歯面を酸処理しないため、萌出したばかりのお子さんの歯にも虫歯予防の観点から適しています。院内でつくる形状記憶型のマウスピース型装置は、2ヵ月に1回程度、スキャニング、つまり型採りする必要があります。型採りのたびに歯の移動計画を見直しますので、より正確な歯の移動が期待できるようになります。ただ、仕事や海外へ行かれる方などは、型採りを行う頻度が少ない企業型のマウスピース型装置のほうが適しているでしょう。 
- Q今後、こちらではどのように矯正を行っていく予定ですか?
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            A
                ▲症例に合わせてオーダーメイドの矯正を提供 院内作製は今後主流になっていくと思いますが、歯科技工士さんがいるかどうかやスタッフの技術など、クリニックの体制によるので、一気に導入されていくことはないでしょう。従来のマウスピース型装置を用いた矯正などと併用していくクリニックが多いのではないかと思っています。当院もその予定で、例えば従来のマウスピース型装置で矯正をスタートして、院内作製のマウスピース型装置を追加で発注したり、矯正の終盤だけ使ったり、最初に少し難しい動きをしたいときだけ使ったりと、その場に応じて併用していくつもりです。 
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正・マウスピース型装置を用いた矯正ともに:成人矯正/99万円~、小児矯正/22万円~ ※相談料なし、調整料が別途発生(5500円~)。詳細はホームページをご確認ください。
    ※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
    マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。
  

 
             
             
             
             
                 
                 
                 
            
 
                 
                 
                