保田 将史 院長の独自取材記事
霜降こどもおとな歯科
(北区/駒込駅)
最終更新日:2025/05/15

東京メトロ南北線・JR山手線の駒込駅から5分ほど歩くと見えてくる霜降銀座商店街。昔ながらの商店が多く残り、活気あふれる通りの途中に「霜降こどもおとな歯科」はある。院長を務めるのは、日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医の保田将史先生。神奈川歯科大学の小児歯科にて、教員として教育、臨床を学んだスペシャリストだ。子どもの成長に伴う歯の変化に精通し、家族への気遣いも忘れない姿は多くのファミリー層に慕われ、小児歯科として信頼を得ている。そんな、優しい笑顔とやわらかい口調が印象的な保田院長に、治療方針や大切にしている思いを語ってもらった。
(取材日2025年3月14日)
小児歯科を通じ、子どもの成長に見る奥深さ
商店街に面した1階という土地は、利便性が高いですね。

開業するにあたり、1階の路面店という部分にこだわっていました。理由としては、駒込はファミリー層が多い街ですし、ベビーカーを押している患者さんがそのまま入って来られるようにしたかったからです。ロビーにはスロープも設置しました。シルバーカーを押しているご高齢の方にも「入りやすい」と喜んでいただけています。ご家族やごきょうだいが治療している様子を、小さなお子さんが隣で見られるように、診察台の隣にキッズスペースを設けました。特に初診時は、歯科医院に対して恐怖心のあるお子さんが多いので「隣で応援していてね」と見てもらうだけということもあります。お兄ちゃんお姉ちゃんが頑張っている姿を見たことがきっかけで「自分も」と思ってもらえたらうれしいですね。
先生が小児歯科を専門に選ばれた理由をお伺いできますか?
学生時代は、興味関心の高かった入れ歯治療や歯周病について主に勉強していたので、研修医時代も入れ歯治療がお上手な先生のもとで学びました。と言いつつ、患者さんの中には小さなお子さんもいらっしゃいます。歯周病や入れ歯に関しての勉強会は豊富にある一方で、小児歯科を学べる機会というのは少なくて。こうした理由から、大学院に進学する際に小児歯科を選びました。実際に学び始めたところ、学問としてもたいへん興味深く、なんて奥深いのだろうと感じました。そして気づけば、日本小児歯科学会の地方会推薦理事なども務めさせていただいています。
小児歯科に感じた奥深さというのは?

一番は、子どもの成長です。成長過程は十人十色ですが、たまに、理想とされるラインからネガティブなほうに外れてしまう子がいるのも事実。例えば、虫歯が多いことが原因で満足に食事を取れず、なかなか身長が伸びない、歯の痛みのせいで学習に集中できないなど。最近では、口呼吸によって歯並びに問題が起きてしまうとか、咀嚼能力が落ちてしまうとか、そういった事例もよく聞きますね。大人になってからの治療は、どれだけ歯の状態の良さを維持できるか、低下を食い止めるかが大切ですが、子どものうちはその前の段階。早い時点でわれわれが介入し、虫歯や歯周病になるリスクの低下につなげていきます。
ちなみに、先生が歯科医師を志したきっかけをお伺いしてもよろしいですか?
小学生の頃に仲の良かった友人の親御さんが、歯科医師だったのです。その影響もあってか、高校での進路選択の際、歯科医師という職業が選択肢として私の中に漠然とありました。私自身も理系科目のほうが得意というのもあり、図書館で歯科医師について調べたところ、面白そうだなと感じ、両親の応援もあって歯科医師をめざすことを決めました。
家族には、頑張りすぎなくても大丈夫と伝えたい
先生の治療方針や、大切にされていることを教えてください。

小児歯科に関しては、ご家族にしっかりお話しさせていただくことを大切にしていますね。当院にお越しいただくご家族は皆さん、お子さんに対してとても一生懸命です。だからこそ、来院前に症状についていろいろと調べられる方が多くて。今はインターネット上に情報があふれていますので、誤った解釈で捉えてしまうケースもあります。そこを軌道修正するのが、われわれの大切な仕事。正しい知識をご提供することで、お子さんの健康だけでなく、ご家族の意識向上にもつながります。そこから今度は地域住民の間でクチコミが広がり、結果的に地域全体の健康へと波及していく。当院として、そこをめざしていければ良いなと考えています。
お子さんと来院するご家族は、すでに歯科へ意識を向けていらっしゃると感じていました。
お子さんの歯の健康のために、ご自身でいろいろ調べることはとても重要です。ウェブ上でもフッ素入り歯磨き粉の使用開始年齢や量などがわかりやすく紹介されていますし、歯科医師が皆さんからの質問に答えるようなページもあります。ただ、調べてみてわからないこともあると思いますので、遠慮なくご相談してくださいね。北区では1歳半健診も行われていて、ありがたいことに、そういった場で小児歯科専門医がいる歯科医院として当院を紹介してもらえることがあるのですよ。1歳半というのは奥歯が生え始める時期かつ、間食指導も入ってきます。将来の虫歯リスクを減らすために大切な時期だと考えますので、まずは一度ご来院いただければうれしいですね。
早いうちからの通院が大事なのですね。

私としてはそのように考えています。当院には1歳未満のお子さんもいらっしゃるのですが、多い相談としては、生え始めた歯のケア方法。ほとんどのお母さんが、歯ブラシをうまく使えないことを悩んでいて。私がお伝えしているのは、頑張りすぎなくても大丈夫だということです。1歳未満のお子さんが、歯ブラシを嫌がっておとなしくしていられないのは当たり前。前歯をガーゼで拭く程度から始めるという方法もあるんですよ。われわれも、親御さんが毎日の歯ブラシを頑張っていることは重々承知していますので、頑張りすぎない程度でできることを、一緒に探していきましょう。
正しい情報の発信基地をめざして
改めてになりますが、開業から1年がたちましたね。

開業当初は認知度が低く、お子さんの患者さんはほとんどいない状態でした。親御さんの気持ちになってみたら、何者かもわからない人間に、大事な子どもを任せられないのは当たり前ですからね。そこから1年、ありがたいことに小さなお子さんの患者さんが増えてきました。当院を選んでいただいた理由を聞くと、近隣住民から聞いたという方がほとんど。信用される歯科医院としての第一歩を踏み出せた実感があり、とてもうれしく思いましたね。もちろん、お子さん連れではない方にも通っていただいています。お子さんに対しては「こういう治療方針で進めていきましょう」と明確に提示しますが、大人の方に無理強いはしていません。希望をお聞きして、その方に合った選択肢から選んでもらいつつ、長いお付き合いをさせていただいていますね。
今後の展望を教えてください。
当院は定期検診も大切にしています。歯科医院に行くことって、やはり少しおっくうじゃないですか。その気持ちもわかるのです。だからこそ、精神的なハードルを下げたくて。歯科医院では、歯石の除去やフッ素の塗布もできます。歯周病や虫歯は、薬で簡単に治るようなものではありません。生活習慣などが関わっているので、歯科の定期検診が身体全体の健康を意識する一つのきっかけになればと思います。他に力を入れたいのは、患者さんが正しい知識を持つお手伝いをすること。例えば、お子さんの口が開いてしまう癖は虫歯や歯周病の原因になりかねません。そういった情報の発信基地になることをめざしたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は、地区でも数少ない小児歯科。ご両親にお伝えしたいのは、もっと気軽に活用してほしいということです。中には「子どもが泣いたり暴れたりすると思います」と心配されるお母さんもいて。泣く子は遠慮してほしいなど、そういったことは一切ありません。涙は子どもの表現ですから、気になさらないでくださいね。「歯の色が少し変わっている気がする」など、ちょっとしたご相談でも大丈夫です。また、お子さんが「痛い」と言うことがあったら、それは大事な訴えなので見逃さないでいただければなと。私も拙いながらではありますが、大学病院でもさまざまな症状を経験していますので、お力になれると思っています。来院スケジュールのご相談もさせていただくので、気兼ねなく何でもおっしゃってください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正(咬合誘導)/16万5000 円〜