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後藤 雄輔 院長の独自取材記事

あまいろクリニック 飯塚

(飯塚市/新飯塚駅)

最終更新日:2024/05/07

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚 main

新飯塚駅から徒歩約10分。人の往来や交通量が多い飯塚市の中心地に、2024年3月1日新規開業したのが「あまいろクリニック飯塚」だ。同院は一般内科や漢方内科、訪問診療などに広く対応している。院長の後藤雄輔先生は、未知の部分が多いとされる漢方薬に魅力を感じ、専門的な学びを深めてきたそうだ。その知識と経験を生かし、漢方を用いて日々多くの患者の悩みを解決へと導いている。なお、同院で処方される漢方には、患者一人ひとりに合わせて配合される「煎じ薬」があるところも特徴だ。「クリニックの待合室から見る景色には癒されます。来てくれる患者さんにも和んでほしいですね。」と穏やかな笑顔で語る後藤院長に、漢方のことや患者との向き合い方などについて聞いた。

(取材日2024年4月10日)

地域住民のかかりつけ医として漢方を取り入れた治療を

まずは、先生のご経歴をお伺いします。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚1

私は2007年に福岡大学医学部を卒業し、初期研修で2年間公立八女総合病院にて研鑽を積みました。その後、福岡大学病院腎臓・膠原病内科に入局しました。それから、医学の基礎を研究するために福岡大学の大学院に進学し、薬理学の分野で4年間勉強しました。その時は教員をしながら研究をしていたので、今でも講演会や勉強会などで発表する機会が多いですね。そして以前から興味のあった、医学の中でもいまだにわかっていない部分が多い漢方に専門的に携わりたいと思い、飯塚病院の漢方診療科へ入職したのが2016年。それから5年ほど飯塚病院で勤務しまして、以後いくつかの医療機関で内科と漢方を診療しました。その後、当院を開業という経緯になります。

今回、開業することになった経緯について教えてください。

一つは、患者さんの要請があったからです。飯塚病院に勤めている時に通ってくれていた患者さんたちは、漢方のかかりつけ医がいないことに不便を感じられていました。ずっと大きな病院に通い続けるのは患者さんにとって負担が大きい場合が多く、どうしたら患者さんに貢献できるのかいろいろと考えた結果当院を開業することにしました。私は熊本県出身なので飯塚にゆかりがあるわけではありませんが、これまでご縁があった患者さんのためにできることをやろうと思ったんです。それと、私が医師としてこの先も長くやっていくためには、勤務医として転々とするのではなく、一つの場所に腰を据えて患者さんを診ていくべきだと思いました。現在思う存分漢方に力を入れられていますし、より患者さんと密にコミュニケーションを取れて、さらにやりがいを感じています。

患者層や主訴はどういった感じでしょうか。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚2

小児から90代の高齢者まで、かなり幅広いです。それぞれの年代によって主訴が違いまして、小児はアレルギー性疾患、高齢者はさまざまな体の痛みを訴える方が多いです。また、めまいやストレスなどの症状でいらっしゃる方も多いですね。あとは、医療機関を受診しても異常が見つからないけれど、自覚症状はある方も多くいらっしゃいます。性別では女性が8割程度と、男女で差がありますね。女性は頭痛や婦人科系の疾患などでの困り事が多いのかなという印象です。男性の患者さんは、仕事のストレスや疲れが原因で来院されることが多いようですね。当院の患者さんの半分は開業前から私が診療していた方ですが、新規の患者さんも多く来ていただいています。火曜日と木曜日は20時30分まで診療していますので、お忙しい方にも利用していただきたいですね。

どの年代にも対応可能な漢方について知ってほしい

先生が感じる漢方の魅力について教えてください。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚3

漢方のメカニズムについてはまだわかっていない部分が多いです。体の変調は、症状の組み合わせや体の特徴、生活スタイルなどによって起こり得るため、原因が一つではないんですね。無関係と思える症状が、実は体の根っこの部分でつながっていることがあります。その根っこの部分にアプローチできるのが漢方で、西洋医学とは違うところなのかなと思います。例えば頭痛を訴えて医療機関を受診して見たら、実はおなかの冷えが原因で、さらに月経困難症や精神的ストレスも重なっているケースもあります。そのような方には、漢方を1、2種類処方することで症状の改善が見込めることもあるんです。このように漢方は未知の部分が多いながらも、さまざまな病気に有用なところに魅力を感じますね。

どのような患者さんに漢方を処方されているのでしょうか。

まずは患者さんが解決したい悩みを聞きます。その上で、根本的な部分にアプローチする方法があるのか、もしくは患者さんが困っている症状の緩和を望んでいるのか、などを加味して必要であれば漢方を処方します。西洋薬と漢方薬は相反するものではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。ですので、しっかり患者さんのお話を聞いて状況を把握して薬を処方することが重要です。漢方は、急性疾患から慢性疾患まで幅広く対応しています。そして漢方は数多くの診療科で取り入れられていますしお子さんでも服薬できるものもたくさんありますので、何かお困りの方はご相談ください。思わぬところに解決の糸口が見つかるかもしれません。

診断の鍵となるのは、「患者さんの話を聞くこと」なのですね。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚4

そうですね。最初に伺う患者さんの解決したいお悩みから、芋づる式に原因が何か模索しています。例えば、頭痛が患者さんのお悩みでも、女性の場合、女性特有のお悩みも紐づけて症状や心当たりがありそうな状況を伺います。そうすると、先ほどお話した「最近おなかも痛い」などの患者さんが思いもしなかった根本的な原因にたどり着くわけです。他に頭痛の場合だけでも、「雨の日にひどくなったりしないか」「最近嫌な夢を見ないか」などお尋ねし、これまで培ってきた経験を生かして原因究明に努めています。積み重ねてきた知見はもちろん、常に探偵のような洞察力も大事にしています。

これからも漢方で患者を笑顔にしていきたい

クリニック名やロゴマークなどから、先生の優しさが伝わってきますね。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚5

漢方を求めて来られる患者さんは、雨の日の前や気圧の変化で痛みや気持ちの症状が起こりやすい傾向があるように思います。私も同じ症状が見られるので、患者さんの気持ちがよくわかります。そういった患者さんは、晴れた日は快適に過ごせるようで、そのため、患者さんが当院に来ることで心地良い気分になってほしいという想いを込めて、院名に晴れた日の澄んだ空の青い色を表す「あまいろ」と入れました。笑顔のロゴマークも、癒やしの雰囲気が伝わればいいなと思います。私が力を入れて取り組んでいる漢方の分野で、患者さんの症状が改善に向かい、気持ちまで前向きになることが一番うれしいですからね。今後も患者さん一人ひとりが笑顔になれるよう、知識と経験を深めていきたいと思います。

今後どのような展望がありますか?

漢方によってさまざまな症状の改善が期待できるということを、より多くの方に知ってもらいたいです。この飯塚地区という限られた地域だけでも、たくさんの患者さんが足を運んでくれています。そのためもっと広い範囲で考えると、いろいろな症状で悩んでいるけれど解決に至っていない方が多いのではないかと思います。そういった方たちに、漢方の素晴らしさを伝えたいですね。また、若い世代で漢方を専門にしている医師が少ないのが実情です。今後の漢方医療を支えるためにも、教員の経験を生かして漢方を専門とする医師を育成していきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

後藤雄輔院長 あまいろクリニック 飯塚6

自分の体調について、この症状があればどの診療科を受診するといったことを把握できていない患者さんが多いような気がします。そのため、長い間不快な症状に悩まされている方がいらっしゃるんです。そういった方は、お話しすることで一気に問題点が明るみになることがあるため、一度当院にいらしてみてください。漢方は適切な処方で、早期の改善が望める場合もあるんですよ。また、漢方はお子さんでも服用可能です。このように漢方は適切に使えば、さまざまな症状に対応しているんです。当院では、患者さん一人ひとりにオーダーメイドで煎じ薬を処方することが可能です。皆さんの体調を改善に導く手段として、漢方を選択肢に入れてもらえるよう今後も普及活動を続けていきたいと思います。

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